今野誠一の“マングローブ的生き方”ブログ

2009.12.21組織風土
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セキュア・ベース

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「セキュア・ベース」という言葉がある。
 
幼児の発達過程において、幼児が未知の領域を探索するには「心理的なセキュア・ベースが必要である」という説を唱えたのが、イギリスの心理学者ジョン・ボルヴィである。
彼は幼児が保護者に示す親愛の情、そこから切り離されまいとする感情を「アタッチメント(愛着)」と呼び、このような愛着を寄せられる保護者が、幼児の心理的なセキュア・ベースであり、これがあるからこそ、幼児は未知の世界を思う存分探索できると主張した。
 
こうした幼児の発達といった分野からの説であるために、一般的に「安全基地」や「安全基盤」といった言葉に訳されるが、脳学者の茂木健一郎氏によると、このような脳の情動系(欲求)の働きは、大人になっても変わらず、ビジネス上で難しい仕事に挑戦したり、リスクを取って新しいことに乗り出していったりする場合にも、この「セキュア・ベース」が必要だということだ。
 
人間の脳は「不確実なもの」と「確実なもの」をバランスさせる、一種のアカウティング・システムがあると茂木氏は説明する。何かにチャレンジするという不確実な行為に対して、確実な何かが必要になる。「確実性」としてセキュア・ベースが求められ、これがあれば果敢にチャレンジできるようになるということだ。
 
アメリカでは、起業家精神を推奨し衰えさせないシステムとして、失敗してもやる気さえあれば再挑戦権が与えられるような「失敗を奨励する文化」が根付いている企業が少なくない。このような社会システムや企業文化もセキュア・ベースに該当する。
 
日本人はこれまで、冒険を嫌うとか、チャレンジ精神に乏しいとか、いわれてきたが、脳科学的には、セキュア・ベースが不足しているのか、既存のセキュア・ベースは機能不全を起こしているのかという議論のほうが的を射ていると、茂木氏は言う。
 
トップアスリートや棋士などが、リラックスした状態で本来の実力が出せるというコメントをよく目にする。リラックスできる条件として、環境もあるが、充分自分はできるんだという自信がなければならない。そのために必要なものが、経験や場数に裏付けられた知識やスキル、そして健康が必要だ。プロフェッショナルと呼ばれる人は自身の技能などを常に最高のレベルで発揮する。茂木氏によると、プロフェッショナルの多くは自身のセキュア・ベースの維持に努めているという共通項があるという。
 
プロフェッショナルとは、自らのセキュア・ベースを作り出せる人、そして維持に努められる人とも言えるかもしれない。
また、優れた企業の風土は組織の中にセキュア・ベースをどう作り出すかということだとも言えるように思う。
(タイヤモンド社の、ハーバード・ビジネス・レビュー特別号より)


満を持したボクの初の著書だよ。いい感じに仕上がった。
マングローブからヒントを得た生き方・働き方・経営の仕方を提案している。

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