今野誠一の“マングローブ的生き方”ブログ

2010.02.14人事制度
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部下の評価で大切なこと

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パーソナルライフの「漢字力」のコーナーにも書きましたが、内村鑑三著「代表的日本人」を読みました。これは、1908年4月29日に刊行された英文著作“Representaive Men of Jpan”の翻訳版とのことです。不思議な感覚ですね。
西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人について紹介されています。
内村鑑三は、「はじめに」の中に、次のように書いています。
「(前半略)・・・わが国民の持つ長所~私どもにありがちな無批判な忠誠心や血なまぐさい愛国心とは別のもの~を外の世界に知らせる一助となることが、おそらく外国語による私の最後の書物となる本書の目的であります」
 
5人について、それぞれ非常に軽快にテンポよく分かりやすくまとめられており、内村鑑三の文章力を感じることができました。非常に読みやすい本です。
そして、古きよき時代の日本人の素晴らしさに思いを致すことができました。
 
中でも、ボクが感動したのは、二宮尊徳についての記述でありました。
子供の頃に伝記を読んだことがあったはずなのですが、完全に忘れており、新しい発見がたくさんありました。国を治めるもの、危機に直面した時のリーダーのあるべき姿がそこにありました。
 
組織・人事の専門家としては、「部下の評価」のくだりは、ぜひ紹介しておきたいと思います。
少し長いのですが、ニュアンスを含めてご紹介したいので、原文のまま転載させていただきます。
目立たない仕事をきちんと見てあげることについて、実に印象的に記述されていました。
 
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部下の評価にあたっては、自分自身に用いたと同じように、動機の誠実さで判断しました。
尊徳からみて、最良の働き者は、もっとも多くの仕事をする者でなく、もっとも高い動機で働く者でした。
尊徳のところへ一人の男が推挙されてきました。ほかの人の3倍は仕事をする働き者であるうえ、好人物との触れ込みでした。このような賞め言葉に、わが農民指導者(注:尊徳のこと)は、長い間、動かされたことはありませんでした。ところが、その「好人物」の表彰を同僚からうながされたときのことです。
尊徳は、その男を自分の前に呼び寄せました。そして自分の面前で、他の役人の前でしたという一日の仕事を、同じようにするように求めました。男には、その能力はありません。即座にこれを認め、監視の役人の見ているときだけ3人前の仕事をしてみせた悪だくみを白状しました。
 
 わが指導者は、自分の経験上、一人前の仕事の限界を知っていたのです。だから、そんな報告にだまされることはありませんでした。その男は罰を受け、嘘いつわりを厳しく戒められて畑に送り返されました。
 
 労働者の中に、年老いて一人前の仕事はほとんどできない別の男がいました。この男は、終始切り株を取り除く仕事をしていました。その作業は骨の折れる仕事であるうえ、見栄えもしませんでした。男はみずから選んだ役に甘んじて、他人の休んでいる間も働いていました。
「根っこ掘り」といわれ、たいして注目もひきませんでした。ところが、わが指導者の目はその男のうえにとまっていました。ある賃金支払いの日のこと、いつものように、労働者一人一人にその成績と働き分に応じて報酬が与えられました。そのなかで、もっとも高い栄誉と報酬を与える者として呼びあげられた人こそ、ほかでもなく、その「根っこ掘り」の男であったのです。一同びっくりしました。なかでだれよりも驚いたのはその男自身でありました。男は通常の手当てに加えて15両(約75ドル)授かることになりました。労働者の一日の稼ぎが、やっと2セントであった時代だから、破格の金銭でした。
 
「御主人様、私は御覧のような年寄りですから、一人前の賃金をもらう値うちはございません。仕事も他の人たちよりずっと少ない量です。なにか勘違いをなさっているにちがいございません。うす気味悪くて、このお金を頂くわけにはまいりません」と男は言い張りました。
「いや、そうではない」
とわが指導者は重々しい口ぶりで告げました。
 
「おまえは、他のだれもしたがらない仕事をしたのである。人目を気にせず、まことに村人のためになることだけを考えてしたのだ。おまえが切り株を取り除いたお陰で、邪魔者は片づけられ、我々の仕事は、たいへんしやすくなった。おまえのような人間に報賞を与えなかったら、わが前途にある仕事を、とうてい遂行することはできないだろう。おまえの誠実に報いる天からの御褒美である。感謝して受けとり、老後の安楽な生活の足しにするため役立てるがよい。おまえのような誠実な人間を知って、私はとても嬉しい」
 
男は子供のように泣き、「涙で袖をぬらし」ました。村中の人が感激しました。隠れた徳行を明るみにもたらす神のような人が出現したのです。
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なんとも素晴らしい指導者ではありませんか。

一人一人の仕事を、先入観なく、きちんと見ようとする人間への愛情がそこには感じられます。
どのように精緻に設計された評価制度よりも、人を評価する側の人間に、このような人間愛と、偏りのない公平な態度と人間性が必要だということを感じます。



満を持したボクの初の著書です。いい感じに仕上がりました。
マングローブからヒントを得た生き方・働き方・経営の仕方を提案してます。
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