今野誠一の“マングローブ的生き方”ブログ

2010.04.15リーダーシップ
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本当に立場が人を作るのか

人事の配置や登用に関しての格言風な言葉があります。

最もポピュラーだと思われるひとつが「立場が人を作る」という言葉ではないかと思います。

これは、「その時点では物足りない部分があったとしても、思い切ってポストにつけてみれば、もがきながらも乗り越えていって、少し時間はかかるものの、それらしく成長してくるものである」というような意味ですよね。

考えてみればずいぶん乱暴な話ではありますね。
管理職などのポストは、あまりにも期待値での登用をやり過ぎると、迷惑するのは実はその部下になる人たちなんですよね。
物足りない部分がある人を上司に持つわけですから、相当一緒に苦労させられるわけです。

主任、係長、課長レベルくらいまでであれば、まだまだ成長の余地もあり、「立場が人を作る」ということがありうるので、チャレンジしてみてもいいのでしゃないか。

しかし、部長、役員クラスになると、「立場が人を作る」ということはありえない、というのが結論のようです。

理由は3つです。

1.   部長、役員レベルには、非常に総合的なものが求められ、難易度が高い。
2.   部長、役員候補の年齢は、一般的(よっぽど平均年齢の低い新興企業は別として)には30代終盤から50代初めくらいまでであり、高齢になればなるほど、成長余地が少なくなる。
3.   そういった年齢になると、意欲的な人が極端に少なくなる。


部長、役員に求められる能力は、それまでとは違う次元のものであり、課長の延長上で務まるものではないわけです。

R・Lカッツは、経営者に必要なスキルは「概念的スキル」と「対人的スキル」と「実務的スキル」の3つに分けて説明しています。

「概念的スキル」とは、経営理念や事業哲学の構築、将来構想の策定、ビジョンの構築に深くかかわるスキルであり、戦略的発想力や洞察力を必要とする高度なスキルです。

「対人的スキル」とは、対人関係を中心に、組織における人間的な影響にかかわるスキルであり、共感能力、傾聴力、誠実さ、説得力、指導統率力を必要とするスキルです。

「実務的スキル」とは、具体的な実務課題を実際に解決するスキルであり、計数能力、情報収集力などの実務に直接かかわるスキルです。

圧倒的に多くのミドルが、「実務的スキル」において抜きん出て、平社員時代に成績がよかったので抜擢されているはずです。

組織の中で上の立場になっていくと、実務的スキル → 対人的スキル → 概念的スキルの順番で重要な能力になります。

例えば、「実務的スキルが抜群で結果も出している人がいる。もう一段上のポストに立たせるには、対人的スキルも概念的スキルも今ひとつ弱い点があるけれども、成長を期待してポストにつけてみよう。立場が人を作るという言葉もあるしね」と、そう決めたとします。

さて、この場合にその後この人の対人的スキルと概念的スキルに目覚しい変化が見られるかというと、そうはなりません。色々な課題に直面してトレーニングしている余裕もなく、何とか背伸びしてあれこれもがいて混乱して、元々持っていた持ち味までも失っていくケースすらあります。

さて、どうしたらいいのかですが、そのポストに必要な能力というものを見極めて、有望な人がいれば、「思い切ってポストにつけてみる」ということではなく、その候補者に上のポストに必要な能力がつくように、ポストにつける前に指導教育するということになりますね。

(R・Lカッツの3つのスキルについては、「大沢武志著:経営者の条件」から引用させていただきました)




満を持したボクの初の著書です。いい感じに仕上がってます。
マングローブからヒントを得た生き方・働き方・経営の仕方を提案してます。

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この記事へのコメント
  • MNさま ありがとうございます。むしろどんどん迷走の様子。ひょっとして思考停止というか、外交をはじめどうしていいかわからなくなっているのでは?とも思える状態ですね。何とか乗り越えていただきたいものです。

    Posted by 今野 誠一 | 2010/04/21
  • 「立場が人を作る」のであれば、某国の首相はもうそろそろ首相らしくなっていても良いと思うのですが、一向にその気配がないというのが、仰る通りの事例ですね。

    Posted by MN | 2010/04/19

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