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2010.10.05経営戦略
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リクルートマネジメントソリューション(略称RMS)は、組織人事コンサル業界の雄で、僕がリクルートに入社した時に最初に仕事をした思い出の部門(当時は事業部門で後に分社化された)でした。
社長の釘崎広光氏がリクルートの人事部長だった時に、僕もグループ会社の人事部長で大変お世話になりました。組織や人事のことについて研究者ではなく実務家としては日本最高レベルの人として尊敬している人です。
そのRMSがお客様向けに出している情報誌「RMSmessage」の最新号は「人事の役割3.0」という特集でした。
その中で、一橋大学名誉教授の野中郁次郎氏の談話が面白かったので、全文掲載はできませんので、ポイントだけお届けします。
野中郁次郎氏は、
「人をカネやモノと同次元のリソーズ、人的資源としてみる資源ベースの人事から、人間の主観や価値観をベースにした知識ベース、“思い”ベースの人事へと転換しようとする流れだ」
とおっしゃいます。
「90年代後半以降、日本の人事部は、それまでのぬるま湯的な人事体質を筋肉質に変えて、効率重視の組織や透明でフレキシブルな人事制度を構築してきた。それにより、株主重視、利益率重視の経営戦略に寄与してきた。こうした動きの論理的な背景にあったのが、人をカネやモノと同次元のリソースとみる経営戦略だ」
野中氏は、資源ベースの人事の限界が見えてきたと表現しています。
これからは“思い”ベースの人事への新しい流れが、閉塞した現状を打開する切り札になるのではないかと考えているとのこと。
これからは“思い”ベースの人事への新しい流れが、閉塞した現状を打開する切り札になるのではないかと考えているとのこと。
「はじめにあるべき理論が提示されていて、人をそれに合わせて調達し、動かせばいい(中略)人事はあたかも戦略企画部門の下部組織のようになり、制度を構築し、ツールを開発する制度志向の人事へと変質していった」
「実際スーパーマンのような理想的人間像を抽象化して個人の欠陥を指摘・矯正するコンピタンシーモデルなどはその典型であろう。ところが最近では、このようなパフォーマンス、レビューは廃止すべきであるという主張が当の米国でなされている」
「ボスの役割は、不完全な部下とよりよい仕事のやり方を対話と実践を通じて開発することにあり、欠陥の即時修正を納得させることではない。後者は非生産的なゲームと足の引っ張り合いを助長するだけだという」
この「ボスの役割は~欠陥の即時修正を納得させることではない」というくだりに、非常に共感を覚えます。
そもそも完全な人間は最初からいないわけで、欠陥の修正ではなく、不完全ながらも、よりよい仕事のやり方をしていこうという意思、“思い”が重要であるというわけです。
この「ボスの役割は~欠陥の即時修正を納得させることではない」というくだりに、非常に共感を覚えます。
そもそも完全な人間は最初からいないわけで、欠陥の修正ではなく、不完全ながらも、よりよい仕事のやり方をしていこうという意思、“思い”が重要であるというわけです。
「これからの人事では、“思い”をベースにおいた人事を展開することになる。(中略)そういう意味ではサイエンスとしての人事ではなく、アートとしての人事という側面が強くなっていくだろう」
「“思い”をベースにしたマネジメントのしかけを、MBB(management by Belife『思いのマネジメント』)と名づけた。MBBを推進することが人事の主要な役割なのである」
野中氏は結論的にMBB(management by Belife)の推進こそが人事の仕事であると結論づけます。
この記事の中で、僕が一番印象に残ったのは「スーパーマンのような理想的人間像を抽象化して個人の欠陥を指摘・矯正するコンピタンシーモデル」と野中氏が、コンピテンシーモデルを断じていることです。
コンピテンシーモデルの考え方が一概に悪いとは思いませんが、中途半端に実行してもあまりいいことはないように思います。
いい大人になった人間をつかまえて、そもそも「個人の欠陥を指摘して、矯正する」ということが本当にできるのかどうか。
彫刻家が、ノミで余分なところを削ったり、かなづちで叩いて丸くしたりしていくことに似ているこの行為が、一人の人物を成長させることに本当につながるのかどうか・・・。
研修の最後に、よく「アクションプラン」というものを立てさせます。
研修の最初の頃の課題の分析などは、けっこう高尚に始まり、スケールの大きな話もしていた人が、明日から何を具体的にするの?というアクションプランになったとたんに、「週に本を何冊読む」とか、「週に何回ジムに行く」とか「異業種交流会に月にいくつ顔を出す」というような、実にショボイものになってしまいますが、その頃には長時間の研修からくる疲労感で、場の雰囲気も「まあ、いいんじゃない」というような投げやりな雰囲気にもなったりしていて深く検討されることもなく、職場に帰っていくような事態になります。
こうした欠陥指摘型、問題矯正型でプロのビジネスマンとしての彼や彼女を改造できるほど、ビジネスの世界は甘くないかもしれませんね。
以前のブログにも書いた組織についての「GOOD & MORE」の考え方が、個人についても必要だと思いますね。
まず、その人のいいところ、抜きん出ているところ、皆が認めているところ、実際に成果につながっているところをきちんと把握することがない状態で、欠陥にフォーカスして改造しようとするなど、実に愚の骨頂であると思います。
そういうことも含めて、野中氏のお話は示唆に富んだものでした。
満を持したボクの初の著書です。いい感じに仕上がりました。
マングローブからヒントを得た生き方・働き方・経営の仕方を提案してます。

ATARIMAEプロジェクトを応援しています
野中氏は結論的にMBB(management by Belife)の推進こそが人事の仕事であると結論づけます。
この記事の中で、僕が一番印象に残ったのは「スーパーマンのような理想的人間像を抽象化して個人の欠陥を指摘・矯正するコンピタンシーモデル」と野中氏が、コンピテンシーモデルを断じていることです。
コンピテンシーモデルの考え方が一概に悪いとは思いませんが、中途半端に実行してもあまりいいことはないように思います。
いい大人になった人間をつかまえて、そもそも「個人の欠陥を指摘して、矯正する」ということが本当にできるのかどうか。
彫刻家が、ノミで余分なところを削ったり、かなづちで叩いて丸くしたりしていくことに似ているこの行為が、一人の人物を成長させることに本当につながるのかどうか・・・。
研修の最後に、よく「アクションプラン」というものを立てさせます。
研修の最初の頃の課題の分析などは、けっこう高尚に始まり、スケールの大きな話もしていた人が、明日から何を具体的にするの?というアクションプランになったとたんに、「週に本を何冊読む」とか、「週に何回ジムに行く」とか「異業種交流会に月にいくつ顔を出す」というような、実にショボイものになってしまいますが、その頃には長時間の研修からくる疲労感で、場の雰囲気も「まあ、いいんじゃない」というような投げやりな雰囲気にもなったりしていて深く検討されることもなく、職場に帰っていくような事態になります。
こうした欠陥指摘型、問題矯正型でプロのビジネスマンとしての彼や彼女を改造できるほど、ビジネスの世界は甘くないかもしれませんね。
以前のブログにも書いた組織についての「GOOD & MORE」の考え方が、個人についても必要だと思いますね。
まず、その人のいいところ、抜きん出ているところ、皆が認めているところ、実際に成果につながっているところをきちんと把握することがない状態で、欠陥にフォーカスして改造しようとするなど、実に愚の骨頂であると思います。
そういうことも含めて、野中氏のお話は示唆に富んだものでした。
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