今野誠一の“マングローブ的生き方”ブログ

2010.11.27リーダーシップ
  • FLLOW ME on twitter
  • facebook

2台目の車に気をつけろ

  • Comments(0)
  • Trackbacks(0)

先週訪問した、支援させていただいているお客様数社は業況が上向いている様子で、とてもうれしく思いました。

 

さて、13年の間に数百社の組織コンサルティングの経験上で言いますと、業績が悪化し持ち直した時に社長さんの意識は2つに分かれるように思います。

ひとつは「喉もと過ぎれば~」タイプです。

二つ目は「2台目の車に気をつけろ」タイプです。

 

ひとつ目は、分かりやすいですね。

赤字経営から脱却して、「やっと普通に戻った。これで一安心だ」とばかりにホッとしてしまい、せっかく社内に根付いた無駄な経費を使わない風土や、緊張感のある仕事ぶりを、社長自ら崩していってしまいます。しばらく我慢していた社内のイベントを早々と復活したり、社員に我慢させていた古いパソコンの買い替えを解禁してみたり・・。

 

二つ目の「2台目の車に気をつけろ」タイプというのは、ニーチェの言葉によります。

 

「車に轢かれる危険が最も大きいのは、1台目の車をうまくよけた直後だ。同じように、仕事においても日常生活においても、問題やトラブルをうまく処理して安心から気をゆるめたときにこそ、次の危険が迫っている可能性が高い」

(ニーチェ著『人間的な。あまりに人間的な』より)

 

会社の業績には波があって当然なので、たまたま急回復した業績が本当の実力なのかどうかはなかなか分かりにくいものです。

仕事が恒常的に入ってくるサイクルが仕事の仕組みとして見えてくればいいのですが、そうではなくたまたま社長の人脈で何本か仕事が来たり、人員削減による固定費の圧縮で利益が出ただけでは、利益体質が定着したとは言えないわけですから、有頂天になってはいけないわけです。

 

ある方から相談を受けたことがあります。

「そろそろ社員のやる気も限界なので、状況は厳しいが給料を上げてやりたい。どう思うか?」と。

 

こういう心理はよくわかるんですよね。痛いほどよくわかります。

しかし、しかしですよ。ここでくじけて利益体質もないのに給料を上げてはいかんのですよ。それで最悪の事態になって、路頭に迷わせて社員とその家族を悲しませることになります。少しの我慢をさせることが忍びなくて、結局大きな悲しみを味あわせる。これはまずいです。

 

その方に聞きますと、どうも自分の判断ではないようなんですね。

「幹部会で、ある幹部から“社員達はいい加減疲弊しています。やる気も限界に見えます。ここらで施策を打たないと持ちませんよ”と意見があった」ということでした。

 

この場合は、その意見を取り上げて給料を上げる判断をするのではなく、次のように動かなくてはなりません。

  

1.まずもってその幹部をすぐに解任すること。
  その意見は社員を思いやっているように装いながら、疲弊しているのもやる気をなくしているのも
  実はその幹部自身である可能性が高い。
  幹部たるもの、そういう状況の社員に、今我慢しなくてはいけない意味と、そういう状況を脱却する方策
  を示すか、はたまた一緒に考えるように持って行く責任がある。
  それを、しゃあしゃあと社員の意見の形を借りて弱音を吐き、あろうことか昇給を具申するなど
  もってのほか。

2.再度経営の現状と、今後の復活のシナリオを社長自身の口から全員に説明をする。

3.その先の復活後に持っていきたい会社の理想像を共有する。

4.復活のシナリオを実現していく上で一人ひとりが何ができるのかを社員自身に考えさせる。

5.その後、社員一人ひとりの人心を、個別に、しかも直接フォローする。

話が脱線しましたが、少しくらい業績が上向いて来たからといって、気を緩めてはなりませんぞ。
本格的に景気が回復したわけでもありませんし、社内が理想的な利益体質になったわけでもありません。
社員の頑張りに報いる方法は昇給などの固定費ではなく、今は変動費で一時的に報いながら、来るべき本格的な復活時に取っておくべきです。


IMG_0121.png

コメントを投稿する

この記事のトラックバックURL

http://www.bc-mgnet.com/mt-cgi/mt-tb.cgi/983

このページのトップへ戻る