今野誠一の“マングローブ的生き方”ブログ

2008.10.06経営戦略
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ビジネスモデル頼りの末路

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今日は、相当長いので、お時間ある時にお読みください。

【内情はボロボロ】

転職を繰り返している知人がいる

もう6社目くらいになるかな。

また転職を考えているという。

今いるのは、いわゆるITベンチャーで、見事に上場を果たし、その余勢をかってM&Aで拡大を遂げている企業グループである。

彼曰く、「内情はボロボロだ」。

ビジネスモデルが当たり、一気に駆け上がり上場を果たし、上場で得た資金でM&Aで企業グループまで形成しているのに、「内情がボロボロ」だという。

「実はかなり危ない状態だ」
「組織の体をなしていないんだよね」
と彼は言う。

ビジネスモデル頼りで、一気に株式公開の坂を駆け上がり、その後ころがり落ちて消えていっている企業は、公開のハードルが低くなって以降枚挙に暇が無い。

株式を公開して資金を得れば、ますますアドバンテージが上がり、もう一段二段の成長を遂げるのが当たり前じゃないんだろうか。
どうしてこのようなことになるんだろうか。

このことについて、次に4つに分けて考えてみたい。

1.上場が目的化
2.ビジネスモデルとやらに問題が
3.無理した拡大路線
4.組織力が向上しない

【上場が目的】

マングローブにも創業以来10社近くのベンチャーキャピタルさんが通って来られた。
3点の理由で、とりあえず魅力的に見えるらしい。
一つはボクがリクルート出身で、新聞や雑誌などに露出していること。
そして、業界規模の拡大が著しい人材ビジネスの業界であること。
その中でも、少しユニークな取り組みをしていること。

「社長、当然上場狙っていますよね・・」

異口同音に、上場が経営者の当然の夢であり、男たるもの上場を狙うべきであると煽る。
そして、その次にはVCとしても最大限のバックアップを惜しまないと続ける。
「一緒に夢を実現させましょう」というわけである。

会話の中には、設立の思いや、企業理念といった話はほとんど出てこない。
そういうことを説明し始めると、非常に退屈そうな空気が流れ、最も盛り上がるのは「これからビジネスモデルをどう磨こうとしているか」ということである。

ましてや、上場して資金を得た後の経営計画とか、将来何を目指しているかというようなことは後回し。

まあ、考えてみればそれは当然のこと。彼はVCという名称が表しているように、上場をバックアップして上場させて株を売って正にキャピタルを得るのが仕事そのものだからだ。

ボクはここでVCの仕事の仕方が問題だということを言いたいわけではない。
こうした周囲の「上場させたがっている人々」の圧力によって、その後のことも考えずに上場への道をひた走ってはいけないということだ。

上場圧力は、VCなどの存在だけじゃないんだよね。
自分自身の見栄の心や、一山当ててとにかくいい生活がしたいというだけの欲や、現在の株主からの要請などもそう。
一番大きいのは、競争を勝ち抜くために会社を大きくしてくる過程でできてしまった膨大な借り入れの存在だ。
そのほとんどは社長の個人保証つきで、皮肉なもので企業が成長すればするほど、その額は増え、社長自身はがんじがらめになっていくわけなんだ。
このままだと、会社は大きくなるけど、自分は多額の借金を背負ったまま死ぬことになる。
その焦りが株式公開に走らせる。公開して得た創業者利得でもって、借金をきれいにしようというわけだ。

こうなると、完全に株式公開そのものが目的化してしまう。

やっとの思いで準備を整えて、公開にたどり着いた時点でエネルギーを使い果たしている。
資金を得て借金を返したのはいいが、その先の計画や理念が存在していなかったことに、その時点で気がつく。
社長の中にも社員の中にも、喪失感が生まれる瞬間だ。

小金を手にした社員は次のステップを狙って転職して行き、恩恵に与ることのできなかった社員は、抜け殻のような会社に不安を感じて退職していく。
上場そのものが目的化した、理念なき、将来展望なき経営の末路。


【ビジネスモデルとやらに問題が】

VC(ベンチャーキャピタル)の皆さんが、何度か通った後、ぷっつりと姿を表さなくなる。何度かお話しているうちに、皆さんがおっしゃることはだいたい二つのことに決まっている。
「投資家が喜ぶビジネスモデルじゃないですね」
「黙っていてもチャリンチャリンと大きく売れていく看板商品が一つないとダメですね」

「なんでボクが投資家の喜ぶビジネスモデルを考えなくちゃいけないの?喜ばすのはお客様でしょうが」
「働くのが楽しくてやっているのに、なにゆえ、黙っていても勝手に売れていく商品を持たないといけないの?」
こんなやり取りで、そういうものに、ボクがまったく興味がないことがわかった時点で、皆さんは去り、今やマングローブに興味のあるVCさんはなくなったというわけ。

この「投資家の喜ぶビジネスモデル」と「黙っていてもチャリンチャリンと大きく売れていく看板商品」というのは、ほぼ同義語である。
こうした株式公開に向くビジネスモデルというものが曲者だとボクは思っている。

拡大再生産ができ、しかもあまり手間もかからず、黙っていても大きくチャリンチャリンと売れていく商品というのは、夢の商品のようだが、実は決してそうではない。
「手間がかからず、黙っていても」というのは、経営陣にとっての言葉であり、拡大路線を行く限り、社員はいつも手間がかかり、馬車馬のように働かなくてはいけない。

大きく儲けていくためには、誰にでもできる状態にしていかなくてはならないのだが、それは機能分化であり、単純化ということだ。

行き過ぎた機能分化と単純化は、いくつかの問題を引き起こす。
一つは、社員を道具化していくということ。そしてもう一つは社員にとって仕事そのものがつまらなくなり、やりがいが無くなるということ。
流れ作業で、言われたことだけをやる社員を大量生産してしまう危険がある。

【無理した拡大路線】

そんな中でも、上場後に株価を維持す
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