今野誠一の“マングローブ的生き方”ブログ

2008.10.19若手の成長
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目的を大切にする:自分の未来像を描く:何が障害かを考える

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10月17日のブログに、若手社員が仕事ができる人になるために、ということで『5年後の成功イメージを持つ』について書いた。

ブログに「若手できる化」というカテゴリーを追加したので、まとめて読まれたい方はどうぞ、ご利用を。


さて、今回は「何が障害になるかを考える」。

よく言われる成功法則に「思いは実現する」「映像としてくっきりと浮かぶレベルで思い描いて、思い続けてことは必ず実現する」というのがあるよね。

本の中では心強く感じるフレーズなんだけど、現実のビジネスの世界では思い描いているだけでは、ちっとも実現しないということを皆味わっているはずなんだよね。

5年後の成功イメージを描いたとしても、それだけでうまくいくほど世の中甘くない。

行く手を阻む「障害」となることが必ず立ちはだかるようになっている。
これを上手に乗り越えられるかどうかが、ビジネスマンとして成功できるかどうかの分かれ道になる。

本に書いてるから、成功した人が言っているからといって「思いが強ければ叶う」なんて信じていたら、単なるおめでたい人になってしまう。

【何が障害になるかを考える】

優れたビジネスマンは、自分の行く手を阻む「障害となること」を想像できる人。
あらかじめ想定できる人。

企業を率いる経営者にこそ、この能力が必要なんだけど、組織で言うとこれを「危機管理能力」とか「リスクマネジメント力」って言うんだよね。

自分が描いた「5年後の理想の姿」を実現していくのに障害となることは何か?
面倒がらずに、自分なりに考えてみてほしい。それ自体が自分にとって大きな学びになると思うよ。

ボクが考える障害のカテゴリーは「世の中の変化」「所属している会社の将来展望を含めた環境」「自分自身の強み弱み」の3つだ。

1.世の中の変化

世の中の構造変化のスピードは、驚異的に速まっている。

技術の進歩や、枠組みが変わってしまうことによって、何もしないでいると業界そのものの存在意義が無くなってしまうことだってありうる。

例えば、税理士、行政書士、社会保険労務士などの、あるルールの下で手続き論や、代行に意味がある業界は、インターネット社会の中では大きく変化して行かざるを得ない。
そのうちにCD-ROM一枚ですべてのことが分かり、必要な手続きはすべてそこからのインターネット経由で済ませていくという時代になるかもしれないからだ。

ボクの会社の顧問のこうした世界の先生方は、それを早くから見越して、単なる手続きではなく、経営者の経営コンサルティングができるレベルに、ご自分方の組織を磨き上げようとされている。

マクロ環境に関して考えるときには4つの切り口でその変化を注視していく必要がある。

4つの切り口とは

政治的環境要因(Politics)、経済的環境要因(Economic)、社会的環境要因(Social)、技術的環境要因(Technology)

マーケティングの世界では、これらのことを、頭文字をとって「PEST分析」と呼んでいる。

これからは、マーケティング部門の専門家だけではなく、一人ひとりがマクロ分析に関心を持ち、見ていかなくてはいけない時代なんだ。
それだけ変化が早くて激しいということ。
自分の業界、自分の会社、自分の仕事がもろにその影響を受けてしまう時代だということ。

P= Political:政治的な影響はどんなことが考えられるか。手がけているビジネスの関連法案や関連規制などの見通しを持つこと。

E = Economical: 全体の経済環境はどなっていくのか?とりわけ自社を取り巻く経済環境はどうなのか。業界ごとに見ていかないと、好景気か景気悪化かという単純な軸では判断できない複雑さがある。

S = Social: 経済情勢に加えて、社会情勢全般もビジネスに大きな影響を与えるのは当然のこと。人口の先行き見通し。人口ピラミッド。世の中を騒がせている社会問題の傾向などを考慮する。

T = Technological:技術的な側面の現状と将来はどうなのか。手がけているビジネスにとって優位な技術、脅威となる技術などを明確にしておくこと。

情報を得る時に、漠然と得るのではなく、PESTの分野を頭の中で整理しながら見ていくことが必要だ。
さて、こうしたマクロ分析を自分なりにしていくためには、そのための準備が必要だ。

①新聞を熟読する

ボクが若い頃にやっていたことの一つに、新聞の熟読がある。
今は、立場柄自分の自由になる時間がほとんどないので無理だが、若手社員にはぜひとも進めたい。

見出しだけの漠然とした読み方では絶対に世の中のことが分かるようにはならない。

全部のページを読む時間が取れないのであれば、必ず読む面を決めて、その面は一言一句もらさずに熟読する。
その上で本当は、自分が興味を持った用語、分からなかった用語を書き抜ければ一番いいが、その時間がなければ、ひたすら読むだけでよい。

最初は意味がわからなくて、興味が持てなくてつらい状態が続くが、そこを我慢しきって三ヶ月ほど続けていると、不思議な体験をすることになる。
山に登って下界の景色を見ていて、霧がかかっていたのが、サーッと晴れていくように、書いていることが理解できるようになってくる。

そしてさらにしばらく続けていると、記事がストーリーを持って読めるようになってくる。
ただし、書いてあることのすべてが真実のことかどうかは別。情報操作があるかどうかは別として、情報源から数人を経た数次情報であるほど、真実から遠くなる。
それを補うために、次の②の姿勢が必要になる。

②自分なりの情報源を持つ

若い頃あんなに熟読していた新聞を、一時一切読まなくなった時期がある。

それは、あまりにも事実がゆがめられて書かれていることを感じたから。
なるべく、色々な業界にネットワークを作り、情報源を持つように努力してきた。
その中には何人かの政治家の方や、通信社系の記者の方なども含まれている。

新聞を読むことも大切だが、人から生の情報を得ることもさらに大切なことだ。
若い頃に出会う、営業先のご担当者や、よその業界に就職した同級生などは、いずれは重要な情報源となり、人脈となっていく。
 (これについては、「武器を増やす:人に投資する」の項で詳しく述べる予定)

情報源の作り方は、人によって得意、不得意の分野があるが、自分なりのやり方でまったくかまわないのだから、少しずつ自分独自の情報源を作っていけばいい。

情報を得るチャネルが偏っていてはいけない。
いろんな情報源をバランスよく持つように心がけること。

③先を読む訓練をする

情報は、得るだけでは自分のものにならないんだなあ、これが。

「IN PUTしたらOUT PUTする」これが基本。
情報は人に伝えていかないと、不思議に自分にも入ってこない(洩らしてはいけない機密情報などは別)。

得た情報を駆使して、誰かとディスカッションしてみる。

PESTの観点で新聞を読み、情報源から情報を得たら、それらを総合してみると、世の中がどうなっていくのか、についてアイデアを出し合ってみる。
これはとても意義のあるエクササイズだ。

同僚でも友達でも、飲みに行ったら、いつも会社や上司の悪口や、異性の話ばっかりしていないで、たまにはマクロの情報から先を読む話をしてみてほしい。

そしてそれが自社や自分の部門や自分の仕事にどんな影響があるかを考えてみよう。
繰り返すけど、情報は何らかの形でOUT PUTする癖をつけないと自分のものにならないんだ。

2.所属している会社の将来展望を含めた環境 

 何が障害になるかを考える二つ目は、自分の会社の将来展望と環境について。

マクロ分析から、ミクロへ。
自分の5年後の理想の姿と、勤めている会社の5年後の姿とを、切り離して考えることはできない。
会社や所属部門の業績動向に、常に関心を持つことが必要だ。

もし、今後の状況が芳しくないものである読みが立つときに重要なことは、逃げ出すのではなく、よくしていくために「自分に何ができるか」を考えること。

社長一人の力で舵取りをして、社員はそれに着いていけばいい、という時代ではなくなった。
それだけ競争環境が複雑になっているということ。
どんな会社でもずっと安泰でい続けることが難しい時代だ。

自分自身が会社のアンテナとなって、現場の情報を伝え、経営判断に協力していく必要がある。

業績のよい安心できる会社や、自分にとって居心地のいい会社を探して渡り歩くようになると、5年後の理想像どころか、どんどん履歴書を汚し、何ごとにも中途半端な、単に「いろんな会社を知っている」だけという、5年後の成功イメージにはほど遠い状態になってしまう。

そして、少しレベルは高くなるけど、業界の動向に敏感になること。
その中で自社はどう生き残っていけるのかを考えること。
業界の他社に、一緒に語り合えるネットワークを持っていたら一番いい。
情報交換をして、共に業界の行く末を議論し、高め合える仲間を同業他社に持っていると強い。

最後に、それ以外の環境の面での障害を考えてみよう。

仕事をしていく環境面では、大きく3つのことが障害になるものとして取り上げたい。

「仕事内容」「上司」そして「人事制度」だ。

仕事内容と上司は、自分で選べないことがほとんどだろう。
会社の都合で、いつどんな異動を申し渡されるかわからないし、定期人事で上司がいつ変わるかもわからない。
これはサラリーマンの宿命だ。

ボクのサラリーマン時代の20数年間は、正に仕事内容と上司が変わることとの戦いだった。
ここでは長くなるから、自分史を振り返るのは止めておくけど、心がけていたことを上げておこう。

・置かれたところで咲く

今、振り返ってみると、どの時代のどんな仕事でも、自分の役に立っていないことはなかった。
どんな地味な仕事にでも仕事の基本は詰まっていたし、どんな人の嫌がることでも、それに挑戦し乗り越えることによって、自分の仕事人として、ひいては人間としての幅を広げることに繋がった。

どうしてもやりたいことがあって、意思を貫くことは悪いことではない。
だから、やりたいことがあるなら、会社に訴え続けるべきだ。
それがすぐに叶うわけではないのが組織なのだから、願いが叶うまでは文句を言わず、「置かれたところで咲く」。

・どんな上司も、「自分が男にする」という気概で仕事をすること

はっきり言って、いい上司もいれば、反面教師にしたい上司にもついた。
それはしょうがないこと。上司は自分で選べない。

大事なことは、一つでも多くよいところを見つけ吸収しようとする態度。

そして、何よりも大事なことは、どんな上司でも「自分が男にするんだ」という、気概で仕事をすること。
上司の成績をよくするつもりで、ひたすら働く。
それが、結果的に自分のためになる。

上司の悪口を言い、避けていても自分の将来にとって、何の足しにもならない。

環境の最後は、「人事制度」について。

仕組みの内容は様々だと思うが、どんな会社でも、何らかの方法で社員を評価し、身分や給与を決める根拠にしているはずだ。
5年後の理想の姿を考えるときに、上司に、会社に評価されないということが、大きな障害になりうる。
評価されなければ、大きな場も与えられない(チャンスをつかめない)し、給与も上がらない。

「自分は、会社の評価なんてチマチマしたことは気にしていないよ」とうそぶく人がいる。
それは逃げているだけであり、大きな間違いだ。
評価を上げる努力はしなくてはいけない。やっていることが将来に繋がらないからだ。

人事制度に関して大切なことも、大きく3つ上げておこう。

・何が評価されるかをよく知っておくこと
・将来の評価を上げるためのことを、今やっておくこと
・他人と比べず、昨日の自分と比べること

人事制度の仕組みを、人事課長以上によく知るつもりで理解したほうがいい。
人事制度には評価項目というものがあり、何を評価するかが決められている。
その項目については、絶対の評価を受けるようにとことん仕事をすべきだ。
御託を並べるのはそれからだ。
最低限、評価されるポイントを押さえていなければ、「仕事の出来る人になろう」などと言っていても始まらない。
評価制度の評価項目をクリアするのは、ビジネスマンとして最低ラインだと心得よ。

そして、今現在の評価だけに汲々とするのではなく、来期、再来期の評価をよくするための行動を今しておく、ということができるビジネスマンの基本だ。
あらかじめ種をまいておかなければ収穫はできないし、将来に向けて肥料をやっておかなければ豊な実りはないということ。

そして、評価内容は、他人と比べて一喜一憂するのではなく、前の自分と比べることに意識を集中することが大切。
基準をよそに置いていると、行動も他人を意識した借り物や物真似のものになってしまう。
昨日より今日、今日より明日と、自分の中での成長に集中すると、自分ならでは取り組みを考えることにつながる。
着実な成長の歩みをするためには、他人と比べず、昨日の自分と比べること。

3.自分自身の強み弱み

1と2の変化を予測した時に、自分自身の現在の強み&弱みをどう変化させていけばいいのか。

いつどんな事態になっても生きていける自分を作っていくためにすべきことは、常に自分の「強みを伸ばし」「弱みを補強すること」
これに尽きる。

「強みに着目して、それを伸ばしていけばいい」というのは、嘘。

本当に仕事ができる人になるためには、苦手なことを克服したり、弱みと思っているところを補強していくことはどうしても必要だ。
自分の弱点から目を逸らすことはできない。

マーケティングの分析フレームの中に、SWOT分析(スオットぶんせきと読む)という手法がある。
名前だけは誰でも来たことがあるだろう有名なフレームだ。

SWOTは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の頭文字を取ったもの。
組織のビジョンや戦略を企画立案する際に利用する現状を分析する手法の一つだ。

自社の強みと弱み、そして機会と脅威のマトリックスで、今後の戦略の打ち手を場合分けに基づいて、慎重に立案していこうとする手法だ。

ボクは、この手法を元にした「自分SWOT分析」をすることを勧めたい。

1と2の、マクロに世の中を観る目と、会社や事業の先行きや、社内環境の変化を機会と脅威ととらえて、自分自身の強み・弱みとの関連を分析する。
自分自身をマーケティングする視点を持つことが、5年後の理想像への近道だ。
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