今野誠一の“マングローブ的生き方”ブログ

2009.04.22人事制度
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人事制度の成功要因

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マングローブのお客様企業の中の、人事制度の構築を比較的上手にされている例を見ていると、いくつかの成功要因が見えてくる。

1.導入時点の完成度にこだわり過ぎない。人事制度は構築できてからがスタートである。

例えば、人事制度を6ヶ月のプロジェクトで作り上げる場合に、たいがいの企業がその6ヵ月後になるべく完璧なものを仕上げようと考える。

気持ちとしては、そう考えるのは当然なんだけど、その考えが仇になる。

導入時点で完璧なものにしようと思うから、ついつい力が入り、急いで精緻な作りこみをしてしまう。
部署に投げて、それなりの評価基準の完成形を提出するよう求め、出来上がればそれを厳守することにやっきとなる。

そうではなく、人事制度は構築して発表し、運用が始まってからが本番と考えなくてはならない。
そこから本来の目的に合うように手直ししていくことにこそエネルギーを使うべきである。


2.他社事例を意識し過ぎない

よく「コンサルタントには豊富な他社事例を期待してるんだよね」とおっしゃるお客様がいる。
これはよくわかる話だ。

ボクが人事部長時代、社長と人事制度の改訂プロジェクトで丁々発止やっていた時、
「同業他社はどうしてるんだ」は、最も多く発せられた言葉のひとつだった。

他には
「基準を誰が評価してもいいように、精緻に作って欲しい」
ということと
「役職と、等級の目指す姿を部署ごとに詳細に規定せよ」
というリクエストを出されていた。

後の二つのことは機会があれば触れるとして、問題は「他社事例」。
どういうわけか「他社事例」への欲求は、日本全国津々浦々の共通点である。

1の「導入時に完璧でありたい」ということと、重なるんだけど、よそが運用していてうまくいっているものを入れたいという気持ちが強いんだよね。

これが大いなる勘違い。
人事制度は、「導入後に、地道に運用しながら手直ししていくべき」もの。

魂は、導入後の手直し、という細部に宿る、ってこと。

だから他社の真似して、ただ入れてもだめ。


3.粘り腰でやり続ける責任者がいる

内容と関係ないんだけど。

人事制度が手直しを経て、なじみ始めるのに少なくても3年はかかる。

なぜ3年か?

1年目:導入後に色々な問題点が噴出し、手直しが必要になる

2年目:色々と考えて手直しを施す

3年目:だいたい落ち着いてくる

要するに、導入後のHOP-STEP-JUMP、ってこと。
順調にいってこれだから、4年かかる場合も5年かかる場合もある。

下手な場合は、1年目2年目の手直しが、現場が楽をしたいための「不満」に対応する形でのものになっていることがある。

「評価シートの記入欄が多くて仕事に支障が出る」
「基準が分かりにくいので変えるべきだ」

こういう不満には注意が必要だ。
単に「書くのが面倒」だったり、「レベルが低くて基準が理解ができないだけ」だったりする。

だから本当は

2年間は、何があっても微動だにせずに黙々と運用を続ける。
3年目にようやく、手直しポイントの検討に入り
4年目で若干の手直しをし、
5年目に定着を見る
というのがちょうどいいのかもしれない。

さて、問題をその長きに渡って、気を抜かず手を抜かずに、細心の注意で運用し続けられるかどうか、である。

基本的に、現場のマネジャーは本業以外のことに手間をかけたくないものなので、どんどんどんどん評価はいい加減になる。
評価会議も、どんどんいい加減になり、流された会話になる。

こうならないためには「制度の守り神」が必要だ。

マングローブのお客様A社の、責任者の方はその鏡のような方だ。

導入後5年経っている今でも、評価会議で一人ひとりの評価シートをプロジェクターで大写しにして、いい加減な記入は許さない。

「ここの基準は昨年の書き写しで手抜きだ。もっとまじめに書け」
「こんな手抜きの表現では社員がかわいそうだ。書き直して再提出だ」

と厳しくやり続けている。

こうして「制度の守り神」として、粘り腰でやり続ける責任者のいない企業の人事制度は、だいたいグズグズになっていく。



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