今野誠一の“マングローブ的生き方”ブログ

2009.04.24人事制度
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裁判員制度と360度評価

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【裁判員制度】

あまり時事ネタを取り上げない今野誠一なんだけど・・。

5月21日に始まる裁判員制度にはドキドキしている一人だなあ。

ついこの間まで、かたくなに陪審員的な仕組みの導入の声を拒み続けていた司法が、司法制度改革会議の先走りかのように、いきなり導入の結論を出して、あっという間に導入である。

じっくり時間をかけるべきことは、コンセンサスの時間もそこそこに、あっという間に導入し、どうでもいいようなことには与野党でああでもないこうでもないと政争の道具にして時間をかける。
いったいどういう了見なのか。

コンセンサスに時間をかけることができないのは、人格の成熟ができていないということだろう。

あらゆることが、アメリカのモノマネで成り立っているこの国が、ついにまたアメリカのモノマネで司法改革の分野のお茶を濁そうとしている。

時々、社会経験のないエリート集団の裁判官さん達がおかしな判決をしているのも事実だと思うけど、まったく何の準備もない一般市民が雁首並べても判決の質が上がるとはとても思えない。

何でもかんでも民営化、何でもかんでも市民参加すれば解決するという一直線のものの考え方はどうにかならないものか。

経済界、とりわけIT業界では、タイムマシン経営と言って、アメリカで流行ったことを10年から数十年遅れで日本に持ち込んで大儲けする方式が大流行なんだけど、そういうモノマネは金儲けしたいひとだけに任せておいたほうがいいんじゃないか。

じっくりコンセンサスを作ることが必要だ。

アメリカになぜ陪審員制度が必要だったのか?
なぜアメリカは、有罪か無罪かだけにとどめて量刑の決定までは陪審員にゆだねていないのか?
いきなり導入しようとする日本が、なぜ量刑の決定まで裁判員にさせようとするのか?

裁判官の人数を減らさずに、プラスオンで裁判員を加える形で審議することで、何を狙っているのか?

裁判員制度の導入の必要性を、時間をかけて啓蒙することを省略して「義務」にするのはどうしてなのか?

考える時間や機会をくれないことにボクは不満がある。


司法改革の一方的な意図ばかりをボクは感じてしまう。

裁判所に対する風当たりは強いと思うが、それをかわす楯のような存在、あるいは責任の所在を市民にも持ってこようという意図が見えるし、極刑判断に関わる裁判官の精神的負担の分担をしたいという意図も見える。
建前はともかく、本音レベルでいうと、いったい誰のための裁判員制度なのか。

関係者を増やして、何かを担保したり、何かを薄めたりするのではなく、そのことに当たる専門家の人間性と専門性を上げる努力をするのがまっとうだとボクは思う。


【360度評価】

裁判員制度は「人が人を裁く」ことの難しさを表している。

できればボクは人を裁きたくはないから、裁判員の番が回ってこなければいいなあと心底思っている。

この裁判員制度の問題を考えていて、同じようなことが人事制度にも言えると感じていた。
(こじつけいいるわけじゃないんだけど)

人事制度の難しさは「人が人を評価する」ことの難しさだ。

できればボクは人を評価したくないから、人を評価しなくても済む人事制度、ひいては会社作りに挑戦しているんだけど、まだ完成していない。

上の裁判員制度の文脈でボクは

「関係者を増やして、何かを担保したり、何かを薄めたりするのではなく、そのことに当たる専門家の人間性と専門性を上げる努力をするのがまっとうだ」

と書いた。

人事制度、とりわけ評価制度には同じことが言えると思っている。

その最たるものは「360度評価」と言われるものだろう。

評価者の力不足を、下からも評価することによって担保しようとする。

直に接している、マネジメントされている社員に聞くと、彼のマネジメントレベルを正確に評価できるだろう。

こうした民主的な考え方は、社風や文化に大きな間違いを起こすことになる。

人を評価するということに何の教育も訓練も受けていない多数の人が、気持ちにまかせて評価し最終評価に大きな影響を与える。
実際、多面評価を上手に運用できている企業は多くはないと思われる。


「人が人を裁かなくていい社会」

「人が人を評価しなくてい会社」

これを追求していくことは、夢物語なんだろうか。



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