語る 経営者インタビュー

2009.01.01 UPInterview Vol.103

パーソナルトレーナー 多々納 敦氏

厳しい時に一番大事なことは、トップが自信を失わず、一番元気でいること (前編)

経営者紹介サイトですが、今日は特別に僕のトレーニングの師匠である、パーソナルトレーナー多々納 敦(たたのあつし)さんのインタビューをお届けします。ご紹介したい経営者がいないわけではありませんよ(笑)。

サイトリニューアルの間「語る」での経営者ご紹介のペースが落ちていましたが、これからも素晴らしい経営者に続々ご登場いただきます。ぜひご期待ください。

多々納トレーナーに「語る」にご登場いただく理由は次の二つです。

紆余曲折ありながらも、いつも「夢」に向かって、着実に歩みを進めている姿は、非常に刺激になります。
多々納トレーナー独立物語をお届けしたいと思いました。

MG-NET+(マグネット・プラス)の新企画【今野誠一のパーソナルライフ】の『運動』のコーナーのレギュラーとして、経営者にとっての『運動』についてアドバイスしていただく予定なので、皆さんにぜひお見知りおきいただきたいと思いました。

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以前通っていたジムで知り合ったわけなんですが、多々納先生は、ずば抜けて存在感がありましたよ。
 
その言葉をそっくりそのままお返ししますよ。
今野さんも「只者じゃない光線」を出しまくって、トレーニングに励んでましたよね。
 
そうですかねえ。自分ではごく自然にひっそりとやっていたつもりなんだけどなあ・・・。僕が多々納氏が、これはシャレじゃないんだけど、ただのトレーナーじゃないな、とにらんだのにはわけがあるんですよ。
 
会話術を磨いている。経営者とも会話が合わせられ、相手を元気にさせるトーク。
後輩のトレーナーをよく見ている。声をよくかけ、育てようとしていることがわかる。教え方が実にテキパキと小気味よいリズムだ。クライアント側も実に楽しそうに取り組んでいる。教え方に説得力がある。分かりやすい。自分自身のトレーニングが念入りですごい。
 
そこまで褒めても何も出ませんよ(笑)。しかし、光栄です。
どれも自分が心がけているポイントなので、そのように見ていただいていたとしたら、実にうれしいですね。
 
僕がパーソナルトレーナーとして、一番大切だと思っていることのひとつは、クライアントが気持ちよくトレーニングを継続できるかどうか、ということです。
 
どんなに理論に優れて、どんな権威のあるトレーナーであろうと、トレーニングを気持ちよく楽しく「続ける」ことができなければ、意味がありません。さっき今野さんには「先生」と言っていただいたんですが、決して先生ではいけないんですよね。
 
続けることで意味の出てくることは、仕事にも多いだろうと思いますが、トレーニングには特にそのことが大事なんですね。
 
次に大事なことは、トレーニングの目的をはっきりさせることですね。
トレーニングの目的は、クライアントによって様々です。
 
社長さんに多いタイプとしては、コンディションをいつも好調に保ちたい、精神的に強い状態でいたい、という目的があります。
ちょっと体重が増え気味で、体を絞りたい。健康的にダイエットしたいという目的の方も少なくありません。それと、もちろん鍛え上げたい方も・・・。
 
目的をきちんと把握しなければ、効果的なトレーニングメニューを作ることができませんし、毎回のトレーニングのアドバイスも適切にできません。
 
そして最後に、トレーニング理論を学ぶことはもちろん大切だと思っています。
正しいトレーニングをしていただかなくてはならないと思うからです。
正しくないトレーニングは、効果がないばかりでなく、体にとってよくない影響を与えることにもつながります。これはあってはならないことですね。
信頼していただいて依頼いただいているクライアントさんを裏切ることにつながります。
 
学ぶという言い方をしましたが、ニュアンスとしては、「探求する」という感じですね。
座学で色々勉強していても、頭で覚えることにはなりますが、何よりも経験です。
トレーナーが自分のトレーニングに余念がないのは、トレーナーとして自分自身が鍛えていないといけないという意識もありますが、トレーニング理論を「実践する」という意味もあると思ってます。

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いやはや、多々納さん、最初から語ってくれますねえ。このまま、僕の今度のセミナーで使わせてもらいたいくらい濃い話しから始まりました(笑)。僕は組織・人事のコンサルティングが主な仕事なのですが、実に共感するところの多い話です。
 
特に最後のトレーナー自身のトレーニングの部分などは、なるほどと思いますね。
僕もマングローブという会社を経営する身として、お客様にコンサルティングしながらも、自分の会社の経営で「実践する」ことで、実感を持った、本物のコンサルティングをしていきたいと常々思ってやってきています。
 
今野さんのブログと会社のサイトをたびたび拝見していますが、実に様々な取り組みをされてますよね。特に印象に残っているのは、月に一度の飲み会、いや失礼(笑)、ビールミーティングですか、あれはいいですね。会社の雰囲気が伝わってきますね。

それと30ブロックですか。素朴な言葉の中に、今野さんのポリシーがこもっているんだろうと思うのですが、中に「体調を万全にする」という言葉があり、さすがだなあと思いましたね。
 
いくら褒めても、こちらからも何も出ませんよ(笑)。しかし、いつも多々納さんと話していて思うのは、実に組織のことなどを分かっているというか、まじめに「ただのトレーナーじゃないなあ」と思わせられるんですよね。
 
多々納さんは、独立する前は会社勤めをしていたんですよね?その時に組織というものを経験したということですか。
 
独立して3年になります。それまで、某大手不動産会社系列のフィットネスクラブ運営会社に勤めていました。実は最初はジムのアルバイトトレーナーとして入社したのですが、社員に登用していただいて、トレーナー経験を積み、全店舗のジムを統括するスーパーバイザーという立場で仕事をしていました。
 
組織の長という経験はないのですが、トレーナーの採用、評価、教育を担当していましたから、人に関しては色々と考えるところがありましたね。
スーパーバイザーというのは、ジム、スタジオ、プールの3つの分野に一人ずついまして、各店舗を横串のように統括する仕事です。
 
いわゆるマトリックス型組織になっているわけですね。各店舗はそれぞれの店長がマネジメントしながら、ジム、スタジオ、プールのそれぞれの分野のクオリティーの維持向上がスーパーバイザーのミッションということですね。スーパーバイザーとして、多々納さんはジムの分野にどんなことを思っていたのですか。
 
まずは、ジム部門の位置づけを高めたいということですね。他の2つの部門と争うつもりはないのですが、自分の仕事の位置づけに自信と誇りを持って取り組むということは、どんな仕事にとっても大事なことですよね。フィットネスクラブの中でのジム部門というのは、入り口を担う仕事とも言えるものなんです。先ほど「目的をきちんと理解することが大事」という話しをしましたが、トレーニングを始める際には、ジムで様々な計測をして現在の体力、体のサイズなどを理解して、ご本人がどういう方向に持って行きたいのかを聞き出し、トレーニングメニューを組み立てていくわけです。
 
ジム部門のトレーナーは、エアロビクスのことも、スイミングのことも理論的に知っていて、きちんと説明もできなくてはいけないし、トレーニング計画の立案もできなくてはなりません。

そのように考えると、もっともっと重要な位置づけであるということは理解されていいし、待遇もそれに見合うものであっていいと思うのです。その分、トレーナー諸氏にはもっと勉強して欲しいし、自分のレベルを上げてその位置づけに見合うだけのプロフェッショナルになってもらわないと困ると思っていました。
自分に言い聞かせる意味も含めてですが。
 
なるほど。並々ならぬ目的意識を持っていたことが伝わってきますね。多々納氏自身が、トレーナーという仕事を、そしてスーパーバイザーという仕事に自分なりの目的と、誇りと自信を持って取り組んでいたということですね。
 
いえいえ、今野さん、そこまでおっしゃっていただくほど立派なものじゃなかったんですよ。入社する時には、「将来パーソナルトレーナーとして独立するんだ」という強い気持ちを持っていたのは事実です。それが自分の原動力になっていたとは思いますね。独立するためにもNSCAというアメリカのトレーナー資格が必要だと思っていたんですが、履歴書にも、「この資格を取るためにがんばります」って書いていたんですよ。面接で「君はじゃあこの資格を取ったらやめちゃうのかい?」って聞かれたんですが、正直に「そうです。独立するつもりでやりたいと思います」って言ってしまっていました。自分でも、あれでよく採用していただけたと思います。
 
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きっと、きっぱりと「独立」を口にした多々納さんに、大いなるパワーを見出したんでしょうね。その後、社員登用、本部のスーパーバイザーと短期間に昇りつめることになるわけですから、その時の面接官の判断は正しかったことになる。
しかも口にした通り独立を果たしていますものね。その有言実行ぶりは素晴らしいと思いますね。
 
結果的にはそうなりましたが、意思を貫いたという実感は実はないんですね。というのは、ずっと独立が原動力だったかというと、実はそうではなかったんです。
 
スーパーバイザーとして現場から本部に移動する時には、複雑な気持ちでした。何しろ現場命というつもりでやっていましたから。しかし、そこはサラリーマンです。命令に背くことはそれこそ辞めることですから、辞令に従って本部に異動しました。根は真面目ですから、スーパーバイザーの使命を理解して、一生懸命働きましたね(笑)。やるからにはとことんやってやろうと思いました。スローガンは「自分がジムを変える」でした。ベタですね~(笑)。
 
本気でやっているうちに、仕事そのものが面白くなってしまったんですね。仕事の幅、権限、影響力、使命感、とてもやりがいのある仕事だということがわかりました。今の若い人たちが、まあそうは言っても自分もまだ若いつもりなんですが(笑)、仕事を面白いと思えずに会社を渡り歩いたり、ニートになっている人も増えていると聞きますが、そう人達にはぜひ知って欲しいと思います。本気でやっていれば仕事は面白くなるものだということを。
 
「本気でやっていれば仕事は面白くなる」実に名言です。いい話しですね。スーパーバイザーとして一番力を入れていたのはどういうことだったんですか。
 
「自分がジムを変える」というスローガンの話しをしましたが、一人で何かを変えられるということはないと思っています。一番大切にしたのは、トレーナー一人ひとりの意識を高めたいということでした。トレーナー一人ひとりと「自分たちの力で変えていこうよ」という話しをしていました。

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経営者略歴

パーソナルトレーナー 
多々納 敦氏 (Tatano Atsushi) 

1975生まれ。島根県出身。小・中・高・社会人と野球に打ち込み、
度重なる怪我を機にフィットネス業界へ。

某フィットネスクラブにおいてスーパーバイザー業務を経て2005年よりフリーに。
現在、都内フィットネスクラブにてパーソナルトレーナーとして活躍する傍ら、
全国各地へインストラクターの研修業務やフィットネスに関わる講義などを行う。

アメリカのインストラクター資格NSCAを取得。
インストラクター・スーパーバイザーと若手育成業務を経て
2005年からパーソナルトレーナーとして独立。

Company Data

社名 パーソナルトレーナー
URL http://plaza.rakuten.co.jp/at0504/

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