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2011.11.14 UPInterview Vol.118
パソコン教室の運営を通じて、生き生きした暮らしのお手伝いをしていきたい。 (前編)
今回は、横浜市戸塚区と泉区の2か所でパソコン教室を運営し、シニア、ミセスを中心に生涯教育型のコミュニケーションを重視した教室づくりに励んでおられる、株式会社パソルームの柴田和枝社長を訪ねました。経営にかける思い、業界に対する思い、そして生き方について、非常にフランクに語ってくださいました。
株式会社パソルームの柴田和枝社長
【パソコン教室の運営】今野 柴田社長のパソコン教室の生徒さんたちは、
シニアの方が中心ということですね。
柴田 主なお客様はシニアですね。
シニア・ミセスのアクティブライフを応援するという
言い方をしています。
今野 アクティブライフというのが元気なイメージでいいですね。
これらの方達が元気を無くしているという
問題意識から来ているわけですか?
柴田 いえ、元気を無くしているというわけじゃないんですよ。
むしろ若い人達顔負けの元気な方は多いと思います。
ただ、肉体的な衰えは遅らせることはできても、
誰にも止められないわけで、
生活上の不自由が増えていった時に威力を発揮するのが、
デジタル機器やITといったものだと思うんですね。
今野 ああそうか。
そういう人たちこそ、使いこなせなきゃいけないってことなんだ。
柴田 そうなんですよ。
でも、シニアの人たちは、置き去りにされているというか、
むしろ蚊帳の外という面があると思うんですよ。
今野 機器類はどんどん機能が増えていき、
使いこなすのは若い人でも大変になってきていますよね。
パソコン、携帯電話、スマートフォン、iPad等々。
アップルがいかに操作をシンプルにして革命を起こしたと言っても、
お年寄りの皆さんがその日から使いこなせるかというと疑問ですね。
柴田 買い物に行きたくても外出がままならなかったり、
買い物をしても重い物が持てなかったりする時にこそ
ネットショッピングが有効なわけですし、
遠くにいる家族にはビデオチャットで元気な姿を見せることもできるし、
友達とつながることも容易になるわけです。
今野 そういう人たちのリテラシーを高める支援することに
特化してるんですね。
非常にわかりやすいし、価値あることに感じますね。
「パソコンを教える」ということ自体を目的と考えていない。
その先の理念が見えますね。
柴田 はい。
パソコンやデジタル機器の操作方法を教えていることには
違いないのですが、
ひとりひとりの暮らしに合わせた利活用ができるように
ならなければ意味がないですよね。
今野 ところで、何歳から「シニア」って言うんですかね。
僕はシニアなのかな?
柴田 今野さんはシニアというイメージはないから
安心してください(笑)。
今野 そう言ってもらうと嬉しいんですが、
例えばJRのフルムーンシニア割引なんかだと、
夫婦の年齢を合わせて88歳以上であれば、
利用できるらしいんですよね。
そうすると2で割って44歳ではもう該当しちゃうわけでしょ?
僕なんかとうにシニアってことですよね。
柴田 何歳からシニアというのかはっきりした定義はないようですよ。
定年後からという解釈もあれば、
子供が成人して第二の人生が始まる50歳代からという考え方もありますね。
今野 さっきも元気かどうかという話が出ましたけど、
本人たちはまったく元気で「シニア」と思っていない人は
多いんじゃないですか?
柴田 そうですね。
「アクティブシニア」という言い方があって、
これは、50~64歳までの自分なりの価値観を持つ
元気な世代を言うんですね。
このアクティブシニア層は年齢に関係なく
仕事や趣味に非常に意欲的であり
社会に対してもアクティブな行動を起こす
新世代シニアといったような定義なんですね。
今野 そうかあ。
なんか「アクティブ」などとわざわざつけられると、
よけいに嬉しくないですよね(笑)。まあ、いいですけど。
話を戻しますが、
実際生徒さん達で多い年齢層というのはどのあたりなんですか。
柴田 65歳以上の方が多いですね。
平均年齢にすると60歳くらいだとは思いますが。
今野 特化しているんですね。
しかし、先ほどリテラシーの話で置いてきぼりされているとか、
蚊帳の外という表現がありました。
それだけに、「教える」ということは簡単ではないように思いますね。
そのあたりは気を使うでしょうね。
柴田 それは大事なポイントですね。
いくら志が立派でも、教えるということ自体を
きちんとできないとその先はないわけですから。
先生や教室の質を保つ、あるいは上げていく
ということは当然の取り組みになります。
今野 教室の「質」といった時には、
具体的には何がポイントになるんですか?
柴田 生徒とのコミュニケーションと、
教室のコミュニテイ作りの2つですね。
今野 生徒さんたちにきちんと教えられる
先生のコミュニケーション能力と、
教室全体の学びの雰囲気というか
場づくりが重要という理解でいいんですかね。
それにしても、ご高齢の方に教えるのは
一筋縄ではいかないように感じますね。
柴田 皆さんそれぞれに豊富な人生経験がおありに
なるわけですから、まずは背景を知るところからですよね。
それにはコミュニケーション能力は不可欠ですね。
それと、生徒さんは生き生きと人生を送っていきたいと
考えている一方で、進化の早いデジタル社会には
ついていけないと感じていますから、
いかにやさしく、丁寧に、わかりやすく伝えられるかが重要になります。
でもね、皆さん本当に熱心で、学ぶ楽しみを心得ている方ばかりで、
こちらが教えられることが多いですよ。(笑)

今野 教室の場づくりということでは、どんなことをやっているんですか
柴田 実にさまざまな取り組みをしていますよ。
まず生徒さん同士のコミュニティづくりですが、
授業には必ず休憩時間(お茶タイム)というのがあって、
お菓子をいただきながら世間話をするんですね。
これが楽しいんですよ。
健康のこと、旅行のこと、あの店が美味しいとか、安いとか、
ちょっとした出来事なんかもあれやこれやおしゃべりして、
このおしゃべりで時間が全部終わってしまうこともあるくらいなんです。
でも、これが楽しみで、とおっしゃる方は多いですよ。
今野 井戸端会議ですね。
柴田 ええ、でも絶対に欠かせない時間ですね。
お互いに仲良くなれますし、お友達づくりに一役買ってます。
それに生きた情報交換の場って感じで結構役に立つんですよ。
今野 他には?
柴田 教室イベントをいろいろやってます。
昨年は運動会をやったり、今年はボーリング大会、ゲーム大会、
作品展や社会科見学、デジカメ・ピクニックは毎年の恒例イベントですよ。
先日も、デジカメ・バスピクニックで、
カメラの先生と一緒に昭和記念公園までコスモスを撮りに行ってきました。
今野 いいですね。
ブログで拝見しましたよ。
みんなでデジカメの上手な撮り方を学んで
パソコンに取り込んで鑑賞会みたいにするんですね。
柴田 そうです、そうです。
発表の場というのは大事ですよね。
そこで批評されたり、褒められたりして上手になりますし、
それがまた次のやる気にもつながりますから。
そういう場をもっともっと作っていければと思っています。
今野 分かります。
今日柴田さんの写真の撮影をしてもらおうと
同行した善本喜一郎氏は広告写真家の第一人者なんですけどね。
デジカメスクールも開講されていて、
マングローブで会場をお貸しした関係で一度受講させてもらったんですよ。
そしたら、次の日からもう写真の撮り方が変わりましたしね。
第一楽しくなりましたよね。
基礎を学ぶと楽しくなるものなんだということを
実感したできごとだったんです。
柴田 ポイントだと思います。
人は分からないことを楽しいとは思えないものなんですよね。
これからも「分かることの楽しさ」「できることの喜び」を
共有できる教室にしていきたいですね。
【パソルームの起業】
今野 経歴を拝見すると、
1996年に独立をされてパソコン教室を開くまでに
サラリーマン経験をお持ちですね。
起業の経緯を知りたいですね。
柴田 長いこと経営コンサルティング会社にいて、
そこを辞めて起業したという形なんですが、
そこでは子どもを育てながらの勤務で限界も感じていたんですね。
今野 それはわかりますね。
コンサルティング会社では勤務時間も不安定でしょうし、
なかなか両立は難しかったでしょう?
柴田 在宅勤務の曜日もあったんですが、
それなりに出張もありましたし、
家に持ち帰って仕事をすることがほとんどで、
かなり頑張ってこなしていました。
CIが専門の会社だったんですね。
社名変更も流行っていた時期で。
かなり疲労感も出てきてしまって、
子育てのことも、自分もこのままでいいのかなって・・・。
今野 ご主人に頑張ってもらって子育てに専念するという
選択肢もあったでしょう?
そうしなかったのは、
やはり働き続けたいという気持ちが強かったわけですね?
柴田 たまたま夫の事業の状況が思わしくなかったりして、
「これは、この先何があってもいいようにしておかなくちゃ」
という差し迫った気持ちもあったんですよ(笑)。
でもね、最後の決め手は「自分で経営してみたい」という気持ちですね。
今野 ご家庭の事情にはあまり深入りしないほうがいいみたいですね(笑)。
なんと自分で会社を興したかったとは意外なお話です。

柴田 そんな風に見えなかったですか?(笑)。
実は業種は何でもいいと思っていたんですよ。
とにかく自分で経営してみたかった。
リサーチ会社と経営コンサルティング会社と経験したわけですが、
大事な仕事だとは思いますが、
一生懸命聞いて、一生懸命考えて、一生懸命提案しても、
結局のところ最終決断はクライアントのオーナー社長の一存なわけですよね。
今野 僕のところもコンサルティング会社なんで、
そのあたりの感覚はよくわかりますね。
ご依頼者があってのコンサルティングですからね。
処方箋を実践していくのはお客さまの側ですから、
どうしても崩せない壁みたいなものはあるでしょうね。
柴田 そうなんですよね。
不遜な気持ちではなくて、
とにかく「実践してみたかった」というところですね。
今野 実践したみたいと言って、
誰でもさっさとできるわけではないと思うんですよね。
さすがの行動力ですね。
柴田 何しろ最初は自宅開業ですから、
行動力と言えるかどうか。
自分ができることを探していったら、
今の事業に突き当たったというところです。
今野 パソコン教室と、データ入力などの在宅業務を請け負う事業の
二つが中心のようですが、昔からパソコンは得意だったんですか。
柴田 コンサルティング会社時代は特によく使っていましたね。
何をしようか模索していた頃、
自宅でパソコン教室を開業という「パソナコンじゅく」の広告が目に入ったんです。
「これだ」と思いました。
開業に必要なものは、教室の本部がほとんど用意してくれるというのも魅力でしたね。
自宅を教室用に改装する資金をこれまでの貯金でまかなって事業はスタートしました。
Windows95が発売された翌年のことですね。
次回、中編は業界全体を底上げするための取り組みや幼少時代のお話、
後編はスタッフへの思いや起業をする方へのメッセージをお届けいたします。
~今回写真撮影に同行いただいた広告写真家・善本喜一郎さんのご紹介~
私、今野のポートレイトも撮影していただき、日頃より大変お世話になっています。
【ポートレイト 写真 撮影 ・ 芸能人 ・ 社長 ・ 著者 の撮影なら フォトスタジオ:KiPSYへ】
http://www.kipsy.jp/index.html
(左)柴田社長 (右)カメラマンの善本さん
経営者略歴
株式会社パソルーム 代表取締役
柴田和枝氏 (shibata kazue)
1960年生まれ。東京都出身。
立教女学院短期大学卒業。
株式会社日経リサーチ、株式会社オフィス202(経営・CIコンサルティング会社)などを経て、1996年独立。地域密着型のパソコン教室を開設。1998年法人(現株式会社パソルーム)設立。現在、横浜市戸塚区と泉区の2か所で、パソルーム戸塚教室、パソルーム弥生台教室を運営。シニア、ミセスを中心に生涯教育型のコミュニケーションを重視した教室づくりに励む。2007年には、パソコン教室の同業者とパソコープ(一般社団法人全国優良パソコン教室協会)を設立し、理事として運営に携わる。テキスト・教材開発、インストラクター研修制度、会員教室管理運営者向けのコンセプト・ワークショップなど、同業の発展に尽力する。
Company Data
| 社名 | 株式会社パソルーム |
|---|---|
| 所在地 | 本社: 横浜市戸塚区戸塚町3515 事務所: 横浜市戸塚区戸塚町3953 金子ビル202 パソルーム戸塚: 横浜市戸塚区戸塚町3959 吉田屋ビル1F パソルーム弥生台: 横浜市泉区弥生台28-1 弥生台SYビル204 |
| 代表者 | 代表取締役社長 柴田和枝 |
| 設立 | 1998年10月1日 |
| 業務内容 | ・コンピュータに関する教育、教室運営及び教材などの販売 ・コ ンピュータシステムによるデータ入力及び出力サービス業並びに編集請負業務 ・マーケティング・リサーチ及びマーケティング全般に関するコンサルティング業務 ・訪問パソコン指導サービス及びパソコン操作代行 ・コミュニティサイト及びコミュニティサロンの運営 ・インターネットを利用した通信販売業務、情報提供サービス、オンラインサポートサービスの提供 |
| URL | http://www.pasoroom.jp/index.html |
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