語る 経営者インタビュー

2009.03.26 UPInterview Vol.105

株式会社テレコメディア 専務取締役 橋本力哉氏

日本一のものづくりサービス業を目指す (前編)

株式会社テレコメディア 専務取締役 橋本力哉氏のインタビューをお届します。今から約4年前、経営者インタビュー(第20回)で同社の代表取締役社長 関田勝次氏にインタビューをさせていただきました。その際、「5年後のことを考える」、「自分が辞めた後のことを考える」ということをお話されていましたが、その言葉通り、次のリーダーに事業のバトンを渡すべく、この3月に組織を一新されました。

「経営はマラソンではない、駅伝である」との関田社長の言葉は非常に印象的でした。この3月に現場責任者から専務に就任された橋本氏ですが、関田社長が後継者として考えている人物です。

そこで、今回は“事業継承”をテーマにインタビューをお届けします。永続企業を目指す中小企業にとって、非常に興味あるテーマではないでしょうか?

創業30年の歴史を持つ企業を、全くの異業界から飛び込んできた30代の若き青年がどのように引き継いでいくのか。今回は、次のテレコメディアをつくる橋本氏にお話を伺いました。

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関田社長から「私の後継者をぜひ紹介したいから」と突然連絡を受けまして、正直驚いたんですよ。社長との間では事業継承について度々話題に上ることはあったのですが、あまりにも唐突だったものですから。
 
私がテレコメディアに入社したのは2007年10月ですので、入社してから僅か1年半しか経っていないですしね。驚かれるのも無理ありません。
 
どのような経緯で入社されたのですか?
 
妻との結婚を通じて、関田社長に出会ったことがきっかけです。
 
これまで自分が歩んできた環境とは異なる中堅・中小企業の経営者として活躍されている関田社長に出会ったことが大きなきっかけです。
 
関田社長は経営者としても、人間としても非常に魅力的な人物だと感じていました。しかも、これまで多くの経営者やビジネスマンを見てこられただろう方から、「一緒に働かないか」と声をかけて頂いたことが素直に嬉しく感じたんですね。初めはただ漠然と「そんな選択肢もあるのかなあ」と受け止めていたものの、これまでの社会人人生とこれからをじっくりと考える機会にもなりました。そして関田社長の下で学ばせていただいたら、ビジネスマンとして一段上がれるんじゃないかという強い思いから、社長に「ぜひやらせてください」とお伝えしたのです。
 
とても勇気ある決断をされたと私は思いますね。
以前は銀行マンだったとお聞きしていますから、新しい世界に入るにあたり様々な思いがあったのではないでしょうか。じっくりとお話を伺うのが非常に楽しみになってきました。
まずは、ビジネスマン生活をスタートした頃のお話からお聞きしたいのですが。
 
社会人の話に入る前に、少し学生時代のことを話させていただいてもよろしいですか?
その方が『橋本力哉』という人間をご理解いただけるかなと思いまして。

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 ええ、もちろんです。
 
高校時代は何に打ち込むこともなく帰宅部に所属。プラプラした生活を送りつつも、スポーツや勉学に熱中している同級生はどこか羨ましく、いつも横目で彼らの姿を見ている自分もいました。
 
そして大学に進学すると、何かに熱中することに飢えていたせいか「とことん打ち込める何かを見つけたい」という気持ちで胸が大きく膨らんでいました。そこに友人の誘いがあり、全く経験もないボートの世界に足を踏み入れることになりました。
 
ボート競技はカレッジスポーツといわれており、野球やサッカーとは違い、長年の下積み経験がなく大学からでも十分に通用するスポーツであると考えておりました。ただし、練習は半端なく厳しい。東京オリンピックの際に設営されたボートコースの脇に合宿所があり、そこに年間300日は寝泊りする。全部員と共同生活を送りながら、寝ても覚めても練習に打ち込むような生活を送りました。
 
そのような生活にはすぐに慣れたのですか?
 
体力的には厳しいものがありました。なんせ高校時代は体を使うことは全くしていませんでしたから、入部当初は練習メニューの基本でもある懸垂が1回もできず・・・。
 
それにしても、橋本さんは経験のない世界にでもポーンと飛び込める性質でいらっしゃるんですね。
 
私の場合は勇気があるなしではなく、後先をあまり考えずに「まずはやってみよう!」というスタンスがあるだけなのかもしれません。「橋本はボート競技に適した体型をしている」という周囲の言葉にうまく乗せられ、目の前にあることに無我夢中になるタイプといいますか。
 
ボート競技はチームワークが重要なので、自分の練習不足でチームに迷惑をかけるわけにはいかないという思いがありますから、とにかく必死に練習していました。
 
その甲斐あってなのでしょうか、大学3年生の時にボート競技では花形の8人乗り(エイト)の選手として抜擢されました、ゴールを目指すには8人全員がただがむしゃらに力いっぱい漕げばよいというわけではなく、それぞれのポジションにはきちんと役割があるのです。その役割を意識しながら、息を合わせ、漕ぎ方も合わせていく。協調していかなければ、結果がついてこない競技でもあるのです。

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大学から始めてわずか4年で全日本選手権優勝を実現されたとか。なぜ短期間でそこまでの実力を備えることができたとご自身は分析されていますか?
 
一番大きいのは、自分の漕ぎ方やスタイルが確立されていない中で、優秀な指導者や実力のある先輩に恵まれたということだと思います。それから自分で言うのもおこがましいですが、人から言われたことを素直に受け入れる姿勢を持ち続けられたということも大きかったんじゃないかと。周囲のアドバイスを素直に受け入れて、こうやったら改善できるんじゃないかと鏡を見ながら自主練習を重ねたことが、結果的に自分を高めることに繋がったと思っています。
 
ボートというスポーツに出会えたことに心から感謝しています。今ある自分をもっと高めていきたいというモチベーションを私に植え付けてくれましたから。
 
先ほどからお話を伺っていて感じたのですが、ボートの世界に入られた頃の橋本さんと今の橋本さんの立場はどこか似ているような。
 
実は私もそう思っているんです。私にとっては、テレマーケティング事業は未知の世界で、現場経験がほとんどありません。周囲は私より経験のある方ばかりです。ですから、今自分が何をすべきかを、ボート時代の経験を思い起こしながら一歩一歩歩んでいるところですね。
 
全日本選手権で優勝できたのも、もともと日本一になりたいと考えていたわけではなかったんです。むしろ考えることなんてできる状況ではなかった。まず、がむしゃらに練習に励むしかない時期があり、そのうちに隅田川で行われる早慶レガッタに出場したいとか、大学一を目指そうとか、日本一になるんだ、というような具体的な夢や目標が見えてくるんですよね。逆にやらないと次の目標や夢が見えてこない。
 
今の自分はまさにそんな心境にありまして、とにかく次にやるべき目標を探しつつ、がむしゃらに走り続けるしかないんじゃないか、そうしていくうちにテレコメディアで実現していきたい夢がはっきりと見えてくるはずだと考えています。
 
なるほど、それが橋本さんの哲学ということにもなりますね。
さてそろそろ話を社会人スタートの頃に戻させていただいてもよろしいでしょうか。銀行には約10年いらしたということになりますね。
 
そうですね。富士銀行(現みずほ銀行)に入行し、支店勤務を命じられました。そこで地場企業の営業担当となり、3年8ヶ月を過ごさせていただきました。銀行員として、そして社会人としての基本を叩き込まれました。
 
その後、銀行の統合もあり本店に異動となりました。本店といえば、何万という行員の中でも精鋭が集まっているような雰囲気でした。当たり前ですが、非常に厳しい環境で、お客様も大手企業ばかり。しかも、みずほ統合準備期間に入っていましたから、緊迫した雰囲気も漂っていました。

それはまたすごい環境におられましたね。どんな環境下でもひとつひとつのことを丁寧に、やり続けるということから何か良い結果につながるということを実体験として持たれているというのは、今後もきっと強みになると思いますよ。
 
ありがとうございます。何事も諦めずにやっていきたいという思いは常にあります。銀行を退職するにあたり、お世話になった方々との時間が思い起こされ、苦楽を共にし、自分をビジネスマンとしてここまで育ててくれたという感謝の気持ちが湧き上がり、その気持ちがこれまでにないほど膨れ上がっていきました。一方で、今後も末永くお付き合いさせていただけるとは思いつつも、職場を離れ、新しい環境に飛び出していくことへの寂しさや葛藤もありました。でも、人生は1回しかありません。30年行員として働くのも良かったのかもしれませんが、自分で何かを生み出していきたい、人を心から信じて勝負してみたい、それがどれくらいの影響があるのかこの目で見てみたいという気持ちの方が強く、新しい道を選ばせていただきました。
 

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経営者略歴

株式会社テレコメディア 専務取締役
橋本力哉氏 (Rikiya Hashimoto) 

平成10年 3月 慶應義塾大学経済学部経済学科卒業
平成10年 4月 株式会社富士銀行(現みずほ銀行)入行
平成19年10月 株式会社テレコメディア入社
平成20年 1月 同取締役事業戦略本部長
平成20年 9月 同取締役ダイレクトレスポンス事業本部長
平成21年 3月 同専務取締役

Company Data

社名 株式会社テレコメディア
所在地 【本社】
東京都豊島区高田3-15-14
TEL:03‐5952‐2000(代表)
FAX:03‐5952‐2200

【徳島コールセンター】
〒770-8055
徳島県徳島市山城町東浜傍示1-1
TEL:088-657-2000(代表)
FAX:088-657-2022

代表者 代表取締役 関田 勝次
設立 1981年5月11日
業務内容 ●テレマーケティング業
●モバイルマルチメディア事業
●電話秘書業務他
URL http://www.telecomedia.co.jp/

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