語る 経営者インタビュー

2009.04.30 UPInterview Vol.107

NPO法人 GoodDay 代表 荒昌史氏

遊びながらエコ ~一緒に遊んで、一緒に学ぶ~ (後編)

今回は、NPO法人GoodDay(グッデイ)代表 荒 昌史氏のインタビューをお届けいたします。 NPO法人GoodDayとは、『遊びながらエコ』をコンセプトに、地球環境を守る活動をしている団体です。2005年から活動を開始し、2008年7月にNPO法人化となりました。様々なイベントやツアーを通じて、とにかく「一緒に遊んで、一緒に学ぶ」姿勢をとても大切にしています。「これって、環境とどうつながるの?」というほど、GoodDayの企画するものは遊びココロ満載です。実は荒氏、現在は某不動産デベロッパーのCSR担当者でもあり、市民活動と企業活動の両側面から環境活動に取り組み、今後ますます活動領域を広げていくことは間違いないでしょう。そんな荒氏にお話を伺いました。

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『楽しみながらエコ』をキャッチフレーズにされていますが、具体的にはどんな活動をされているのですか?
 
音楽、スポーツ、お笑い、パーティー、エコツアーなどのカテゴリーで、現在活動を行っています。ぜひこちらのイベントをご覧ください!
 
発起人が20代ということもあるせいか、現在の参加者の中心は20歳代ですが、もっと幅広い世代に参加していただけるような活動にしていきたいと思っています。どんな人でも参加したいときに参加できる、そんな団体でありたいと思っています。

【どろんこ遠足】
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現在人気が高いのが、音楽×環境とエコツアー、フットサルでしょうか。音楽はあるアーティストの方と組ませていただいて展開しています。せっかくイベントやツアーを企画しても、参加者が集まらなければやる意味が半減してしまいます。集客力という意味では、GoodDayの存在意義に賛同して下さる方とコラボレーションすることで、アーティストのファンが集まり、環境問題を意識しなかった方にも少し環少しでも興味を持っていただけるきっかけになればと思っています。

【間伐ツアー】
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ところで、GoodDayのスタッフの方々は、NPOの活動が本業ではないですよね。
 
そうなんです。学生や会社員など、様々ですね。年齢もバックグラウンドもバラバラですし、生活スタイルも時間も違います。それぞれの限られた時間の中でNPO活動を行わなければいけないので、コストパフォーマンスというか、時間密度を濃くしなくてはいけないという難しさもあります。スタッフ同士が顔を合わせられる日は限られていますから、短時間でいかに濃密なコミュニケーションをとるかが鍵でもあります。
 
全員がコミュニケーションをとりながら、目標を設定し、それを実現させるために役割を決め、進めていきます。個々人のスキルを上げていくことが、必然的にチーム力向上にもつながっていきます。今はそのチーム作りに力を入れている段階ですね。
 
昨年までは、僕やリーダー的立場の人間が「こうして行こう!」というような方向性とそれに対する具体的な方法までを明示していたのですが、少しずつではありますが規模も拡大していることもあり、やるべきことも増えてきてしまっているので、現在はチーム単位で具体策を詰めて進めていくようにしています。
 
お互いに時間に限りがあるなかで、毎月のように様々なイベントを実施していますから、スタッフそれぞれの時間管理術やプロジェクト進行力はものすごいスピードで高まっていると実感しています。
 
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GoodDay運営において、荒さんご自身が一番心掛けていることはどのようなことですか?
 
まずは相手の話を聞く、スタッフみんなのことを考えるということですね。想いが強くて、自己主張しすぎてしまう傾向がありましたので、それをグッと堪える良い訓練にもなっています(笑)。
 
僕の場合、ほとんどのイベントの企画から運営までを経験してきていますから、大体の流れが分かっています。それ故に、「いつまでに何をしなければ、後で誰かが苦労するだろうなぁ。」と傍で見ていて思うこともあるのですが、それを言わないのも組織成長のためになる。もし何か失敗があったとしても、スタッフ本人は後で必ず気づきますから、必ず次回につながる学びになるという風に考えています。
 
そのお話は企業運営でのポイントと同じだと思いますよ。そうしていくうちに、やはりスタッフの方々の成長が見えてくることはありますか。
 
もちろんありますよ。こういうNPO運営に参加してくるスタッフは、もともとポテンシャルがあって、意欲的なタイプの人間が多いですから、学んだことを実践に移すスピードは非常に速いです。GoodGayは前向きで明るいスタッフの集まりですから、逆に僕の方がきちんとマネジメントできなければ、皆の夢を駄目にしてしまうんじゃないか、というある意味プレッシャーにもなっています。
 
最初にお話したように、GoodDayの組織が、トップダウンではなくて全員の力の結晶した風土になっていくことが僕の理想でもあります。
 
理想の風土を作っていくために、何か工夫されていることはありますか?
 
スタッフ一人ひとりの活躍をしっかり認め、それがチームに良い影響を与えていることを全員で認識するという意味でも、四半期に一度は必ず『サンクスタイム』を設けています。
 
例えば、仕事中に、「○○さん、ありがとうございます」と面と向かって言う機会って、意外に少ないんですよね。だから、GoodDayではあえて時間を設け、「あの時の○○さんの発言に助けられました、ありがとうございました」と言う場をつくる。やっぱり感謝の気持ちは言葉で伝えた方がいいですし、言われた方も嬉しいですから。
 
半ば強制的に人のことを褒めなければいけないので、人のことを考える時間にもなります。そうすると、自分だけの業務に集中するだけではなく、そこに他の人との関係を意識することにもなります。顔を合わせるのが月2、3回ということに加え、人が何をしているのか分からない状況を作ってしまうと、一緒に活動している意味がないですよね。ですから、あえて人を褒めなければいけない機会をつくって、相互理解への波及効果も目指しています。でも、あまり頻繁にやり過ぎると飽きられてしまいますね。だから、特に業務が忙しくなってきて大変だろうなという雰囲気のときに、あえて試みています。
 
それから、講師をお招きしての勉強会も積極的に開催しています。これまでには、サステナビリティや農業、営業スキル、PR、企画作りなどの勉強会を行ってきました。個々人で勉強するだけではなく、専門家から教えを受けることで、新しい気付きや学びを得て、スキルや人間性のさらなる向上に役立てほしいという思いがあります。
 
NPO活動はボランティアではありませんから、スタッフに給与が支払えるまでの組織に成長したいのですが、残念ながら現状は難しい状態です。
 
そんな状況を理解しながらも活動している意欲の高いスタッフに、少しでも役立つ機会を提供したいという思いもあって勉強会を開催するようになりました。それぞれに得て不得手があるのは当然、スタッフは苦手なことを少しでも克服しようと楽しんで参加していますよ。
 
サンクスタイムや勉強会をきっかけに、スタッフ同士がお互いの意外な一面を発見し、それが新しい企画にも大いに役立っていくんでしょうね。
 
そうですね。ただ設立から今までは、プロジェクト企画を軌道に乗せることに注力していましたが、これから先2、3年はそれを組織・仕組み化して、“整える”段階に来ていると考えています。目指したいのは、日本で一番愛される、人気のあるNPOです。愛される条件として大事だと思うのが、参加して楽しいと感じられることと、きちんと社会のためになっていると実感できるということ。この2つを軸にさらに企画、運営していきたいですね。そうしなければ、長続きすることなく、結局社会を変えていくことも難しい。もう少し身近な目標も含めて、5年後にどうありたいかをスタッフとともに協議しているところでもあります。
 
私はあくまでもこのGoodDayの代表であるだけで、GoodDayは皆の共通の想いがあって運営されていくべきものだと考えています。僕と同世代の多くは、物質的に恵まれた環境に生まれ育ち、今企業で働くことへの意義や生きていることの意味を見出せずに時間を過ごしていると感じます。モノが余っている時代で、何かを手に入れるためにやるという感覚を、正直持っていない人のほうが多いのではないかと思うのです。でも、自分は本当は何がしたいのか、どんな風に生きたいかをおぼろげでも、あいまいでもいいから、分かち合いながら応援しあって生きていきたいですよね。
 
個人的には将来の夢をどのようにお考えですか?
 
僕自身は、社会環境活動家でありたいですね。現在は勤務先でもCSRを担当していますが、ビジネスとしての枠組みを超えて、ライフワークとしてずっと活動を続けていきたいと考えています。
 
それには、GoodDayをもっと魅力的な組織にしたいです。NPO法人の経営を始めたばかりですが、考えなければならないことも多く、組織経営ってこんなにも難しいんだということを日々実感しています。
 
でも、世の中には経営者として、その道のプロとしてビジネスで大成功を収め、活躍されている人たちが大勢いますよね。それは社会にとって希望だと思うのです。ビジネスを成功させるなかで、その人の価値観のなかの小さなかけらでも、事業だけではなく「社会に対してできること」として一歩踏み込んで実行するだけで、社会へ与える影響力は絶大だと思うんです。今活躍されている方々がそこに気付かないフリをしていると、この日本はとんでもないことになる。まだまだ若輩ものではありますが、NPO活動を通じて、微力ながらもそういった機会を提供していければと思っています。

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今日は本当にありがとうございました。先日はスケジュールが会わず、イベントに参加できなかったのはとても残念でした。次回はぜひ参加させいただきたいと思いますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

ご意見・ご感想をお待ちしています

経営者略歴

NPO法人 GoodDay 代表
荒昌史氏 (Masafumi Ara) 

1980年 9月 生まれ
2004年 3月 早稲田大学政治経済学部卒業
2004年 4月 不動産デベロッパーに就職
2005年 1月 GoodDay(グッディ)を設立
2005年11月 勤務先にCSR専門部署の設立を提案
2006年 7月 提案が受け入れられてCSR専門部署を設立、以後担当者をつとめる
2008年 7月 NPO法人化後、代表理事に就任

Company Data

社名 NPO法人 GoodDay
所在地 〒103-0021
東京都中央区日本橋本石町3-2-6
ストークビルヂング本石9階
代表者 代表 荒 昌史
設立 2005年1月1日
業務内容 ①クリーンアップ・ボランティアの企画・運営・コンサルティング 例:逗子ビーチクリーン
②体験型エコツアーの企画・運営・コンサルティング 例:間伐ツアー、フジ☆スカ
③環境啓発イベントの企画・運営・コンサルティング 例:エビ☆スカ、Tokyo Lohas Night
④環境啓発キャンペーンの企画・運営・コンサルティング 例:Green Vote Project  
⑤上記に付随する一切の事業
URL http://www.goodday2u.org/

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