株式会社マングローブ
 
語る
株式会社 綱八
志村 久弥氏
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経営者に学ぶ

(1)『同じ経験をする』
自分が感銘を受けた体験を社員にも体験させる。そうすることで、経営者と社員の間にも、また社員同士にも、仕事上だけの関係ではない新鮮なコミュニケーションが生まれる。             
(2)『社員の意見を取り入れる』
行動規範など会社全体に関係することを決めるときは、時間がかかっても、社員全員が参加して決めることが基本。
(3)『習慣付けをする』
行動規範は掲げているだけではなく、実践に移すことに意味がある。そのためには社内で習慣付けをする工夫が必要です。
鬼才異彩

株式会社綱八
本社:〒164-0012 東京都中野区本町6-16-1
創業:1924年10月18日
事業内容:天ぷら、刺身中心の飲食店経営
HP:http://www.tunahachi.co.jp/index.html
 
今回の鬼才異彩は、日本国内に40店舗ある飲食店『てんぷらつな八』を経営されている株式会社綱八の志村久弥社長にお会いしてきました。 社員同士のコミュニケーション手法や、外食業界の今後の在り方などについて語って頂きました。


ホームページで新卒採用募集を拝見したのですが、綱八さんのような外食業界で、かつ和食の世界では珍しいのではないですか?

そうですね。高卒採用は以前行っていたのですが、大卒採用は8年ほど前から始めました。きっかけをお話しますと、職人にとって学歴は関係ないと思うのですが、会社の今後を考えると、職人としてだけでなく、マネジメントもできる人材が必要だと感じたんです。例えば、「俺について来い」といった徒弟制度のようなマネジメントではなく、組織を意識し、論理的思考で考えたことを部下に伝えるマネジメントができる人材が欲しく、大卒を採用しようと決めました。ただ、最初は不安でいっぱいでしたよ。というのも、現場には中卒や高卒で入社した社員が多くいたので、果たしてうまくやっていけるんだろうかって。でも結果を見ると、私の考え過ぎでした。確かに彼らが入社してすぐのときは、社員も半信半疑に見ていたのですが、大卒入社の一期生や二期生が頑張って結果を出し始めると、『おっ、こいつらやってくれるな。戦力になるな』と社員も理解してくれました。これで私も安心して大卒の採用を続けようと思えるようになりました。今、その一期生が会社の中でも中堅社員となってきて、なかには副店長を勤めている社員も出てきました。それぞれが志を持って仕事に取り組んでくれているし、先程言ったように論理的に物事を捉える力もあるので、8年前に描いた絵に近づいてきているなと感じています。            
 
大卒採用を行ってから、気づいたことや面白かったエピソードはありますか?

なんといっても、女性の応募があったことですね。8年前に初めて採用募集を行ったときのことです。女性の和食の職人は少ない時代だったので、応募は男性だけだと思い込んでいたんですよ。しかし、蓋を開けてみたら三割が女性の応募だったんです。これにはびっくりしましたよ。面接でも「油が飛んだりして危ないよ」なんて話をすると、「私、料理好きですから大丈夫です!是非やらせて下さい!」と逆に私が熱く語られてしまいましたよ。(笑)結果、わかったことですが、女性の持つ繊細さや気配りは、カウンター商売にはとても向いていて、お客様にもたいへん可愛がって頂けるのです。今では、女性を採用して本当に良かったなと思っていますし、「女性を採用して大丈夫かな?」という思いは、私の考え過ぎだったと、とても勉強になりました。

同じ経験をする

そのように人材採用を続けると、会社としての規模もどんどん大きくなると思うのですが、社員同士のコミュニケーション活性のために実施されていることはありますか?

採用の話にも関連してくるのですが、本店のある新宿の熊野神社では毎年9月に例大祭があり、地元の住民や企業が参加して神輿を担ぐのです。祭りには、社員だけでなく内定者にも声をかけて参加していますよ。神輿を担いだことがない子も多く、楽しんでくれていますね。あと、毎年冬になると新入社員と幹部社員を『修養団伊勢講習会』という研修に参加させています。伊勢神宮境内の清掃をしたり、講和を聞いたり、また五十鈴川での水行といった内容です。実はこの研修に参加するようになったきっかけは、私の大学時代の経験に繋がるんです。大学時代、ハンドボール部に所属していたのですが、2年生の時に一部リーグから二部リーグへ降格し、とても落ち込んでいた時があって、そのときに部活のOBから「2月の五十鈴川に入って気合入れてこい!」と言われ、無理矢理参加させられたんですよ。(笑)しかし、いざ参加してみると、色々な体験や講和などを通じ、物事の考え方や命の大切さみたいなことを感じ、非常に感銘を受けたんですね。もちろん、死ぬかと思うくらいに五十鈴川は冷たかったですけどね。(笑)その後、綱八に入社して、「社会奉仕や生きることに対する考え方を社員と共有したいな。みんなにあの研修に参加してほしいな」と思うようになったというわけです。もう20年近く続けていますよ。こうして、社員同士が仕事とは違う共通の体験をすることによって、共通言語を持つようになっています。


 
 
 
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