株式会社マングローブ
 
語る
有限会社ちか八
近 伸彦様
【後編】

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鬼才異彩

有限会社ちか八
 本社:東京都渋谷区恵比寿南1-4-17
 設立:昭和28年
 事業内容:御煎餅、鯛焼き、恵比寿さま焼の製造、販売
 URL:http://www.chikahachi.com
 ブログ:http://plaza.rakuten.co.jp/chikahachi
 

たい焼きを始められたきっかけは何だったのですか?

店を改装してから2年後、うちのお煎餅を食べてくれた百貨店のバイヤーさんが催事への出店をもちかけてくださったんです。有名な百貨店ですから提示された条件は決して楽なものではなかったのですが、「やってみて駄目なら止めればいい。死ぬわけでも倒産するわけでもない」と自分に言い聞かせて出店しました。半年の間に2度出店させていただいたのですが、1度目はそこそこ売れたものの、2度目は全く売れなかったんです。実は2度目の出店時、向かいのブースはたい焼き屋だったのですが、8月の一番暑い時にも関わらずお客さんの大行列ができていたんですよ。これでは向かいの当店にお客さんが並ぶはずがないとがっかりしましたが、真夏に1個100円のたい焼きが馬鹿みたいに売れる事実に目が奪われましたね。
その時、脳裏に浮かんだのは恵比寿を代表する七福神の恵比寿様。恵比寿様が持っているのは鯛だから、もし私がたい焼き屋を始めたら「街への貢献」「お客様に喜んでいただく」という理念に通ずると気づいたんです。それなら早速やってみようと思い立ち、すぐにあんこ屋や生地屋を友達に紹介してもらいながら、店の改装も行い、自らたい焼きの修行にも行きました。それで早速たい焼きを始めましたんですよ。

素晴らしい行動力ですね。

実は、私はけっこう器用な方だと自負していたんですが、その思いは修行に行って見事に打ち砕かれましたね。それこそ修行中は頭の上からつま先まで粉だらけの真っ白な姿になりましたから。私の修行と同時に店の工事も進めていて2週間でたい焼きコーナーを新設しました。オープン直前はお店の2階もあんこや生地など材料だらけ、工事の材料も置きっぱなしである上、住居兼用だったのでタンスも布団もある混沌とした状態の中、かみさんと2人で「明日お客さん来るかな」「誰も来なかったら、どうしよう」とか言いながら吉野家の牛丼を食べた思い出があります。その翌日にいよいよオープンしたんですが、店の前に驚くほどの行列ができたんです。特に宣伝もしてなかったし、税理士からは1日100〜200個売れたら合格というレベルで試算したんですが、まるで計算違いでした。かみさんと2人で嬉しい悲鳴をあげながら焼き続けましたね。それこそ最初の1週間は意識が朦朧(もうろう)とするくらい働き続け、大変でした。今振り返れば、よくあれほどたい焼きを売ったなと思います。 もちろん近所の方もたくさん来てくれました。私は街の役員と商店街の青年部部長もやっているんですが、煎餅屋を始める時も改装直後も東急へ出店した時もたい焼きを始めた時も「近ちゃん、今度は何やんだよ」と大勢の仲間が駆けつけてくれましたね。

ところで、『恵比寿様焼き』も美味しいですね。

ありがとうございます。もともと恵比寿様は金運、幸運、恋愛運、何でもかなえてくださる神様ですから『恵比寿様焼き』は素晴らしい商品だと思っています。売り始めたのは去年の12月からなので、まだ始めて間もないんです。 以前より、生まれ育った恵比寿の街に貢献できないものかと考えておりました。そこで、恵比寿様の顔の形をした名物があったら喜んでもらえるな、とひらめいたのが始まりです。実は恵比寿には名物と呼ばれるものがなく、今、恵比寿で恵比寿様をモチーフにした商品を扱っているのは当店だけです。
ちなみに、看板にも『ちか八総本店 恵比寿名物 ちか八』と『恵比寿名物』と入れているんです。総本店と言っても支店はまだありませんけど(笑)。恵比寿と言えば、エビスビールか恵比寿様焼き。エビスビールを飲みながら恵比寿様焼きを食べる。いつかそんな姿が定着したらいいですね。
 
 
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