株式会社マングローブ
 
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有限会社久在屋
東田 和久

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経営者から学ぶ
(1)『生産地(上流工程)を見る、そして知る』
自分たちが普段扱う商材の前工程を実際に見て知る。
チームワークでいいものを作るためには、自分の工程だけでなく前工程に携わっている人の想いを共有することが不可欠なのかもしれない。
(2)『人を信じる』
例えば何かが起きたとき、誰かを責めるまえに、まずは自分自身に矢印を向けてみる。
自分は相手から信じてもらえているかを考えるまえに、自分は相手を心から信じているのかを見つめ直すことが重要なのかもしれませんね。
(3)『すぐに伝える』
怒るときも褒めるときも、感じた瞬間に伝えることに意味がある。
そうすれば、改善の早さも喜びの笑顔も何倍にもなって返ってくる。
(4)『気持ちを込めたありがとう』
いざとなるとなかなか恥ずかしくて言えない「ありがとう」。でも言う側も言われた側も「ありがとう」の後には自然と笑顔になれる。その日一日中気持ちがいい。
(5)『仕事を任せてみる』
社員に挑戦させることが成長への近道になる。たとえ失敗をしてもそれも成長に繋がる。自分自身で勝手に決めつけたり、枠を作ったりしていませんか?
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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鬼才異彩
有限会社久在屋 東田和久
有限会社久在屋 東田和久

有限会社 久在屋
本店:〒615-0881
京都市右京区西京極北大入町132番地
創業:昭和57年7月  設立:平成9年6月3日
年商:3億8000万 社員数:31名(2006年5月現在)
事業内容:豆腐、油揚げの製造販売とその関連商品の販売
HP:http://www.kyuzaya.jp
 
今回は、京都でこだわりの豆腐づくりを行っている有限会社久在屋(きゅうざや)代表取締役 東田 和久氏にお会いしてきました。豆腐づくりにかける思いや従業員に対する思いや経営の根幹を揺るがす事態を乗り切ったエピソードなど大いに語っていただきました。
 
豆腐づくりを始めようと思ったきっかけは何だったのですか?
親父の言葉がきっかけなんですよ。「豆腐一丁原価10円、100円で売ったら90円の儲け、こりゃ儲かるぞ」と言われてね。いざ始めると、そう簡単にいくわけないんだけど、やればやるほど奥深くて、面白くなっていったね。ただ豆腐をつくっていてはだめで、こだわりって何なんだということを真剣に考えなければいけないと思ったし、そのこだわり探しというのはなかなか難しかったね。たどり着いたのは、京都でとれる大豆、にがり、水を使って、それを職人が一つ一つ丹精込めてつくっていくということだったんだよね。それが「京都の地豆腐」(*1)。そして、そういう豆腐を作っていると、在来種(*2)にこだわってみたいという意識も出てきてしまって、今は「京都の地豆腐」だけでなく「日本の地豆腐」ということで在来種大豆の豆腐づくりもしているんですよ。大豆の入荷も少ないから必然的に限定販売になってしまってるんだけど、お客様からは「あの味が忘れられない」って嬉しい声を頂いてますよ。
(*1)久在屋さんの代表作ともいえる豆腐の名称
(*2)古くから各地域に定着したその土地独自の種
 
生産地(上流工程)を見る、そして知る
 
在来種のことをもう少しお聞かせ下さい。
先週も東北地方に行ってきたんだけど、そこは気候や風土の条件がよくて、たくさんは採れないんだけど、いい大豆が採れるんですよ。大豆作りの現場に足を運んで、そこで生産者と顔と顔を合わせて会話することは大切なことなんだよね。うちの社員にも「自分の目で見て来い」と一人ずつ行かせているんですよ。
社員の方々の反応はどうですか?
「どうやった?」って聞くと、「いやあ、社長、なんともすごかったですよ」って。それを聞くと「ああ、本当にすごいええもん見てきてるな」と感じるよね。さらに「何がすごい?」って聞くと、「大豆がすごい」ではなく、「いや、本当に土がすごいんですよ・・・」って返ってきたり(笑)。
彼らは実際に土に触れるといった経験が初めてなんだよね。土本来の香ばしさとか香りを感じ、土の中で大豆の芽が吹き出しているのを見る。こういうことを実際に触れて知っているのと、写真の中だけで知っているのでは、豆腐づくりを仕事とする我々にとっては違ってくるものなんですね。それとなによりも大豆の生産に関わっている人の温かみ。それはホンマに言葉で表せることではなくて、実際にその方々と触れない事には、なかなかつかめないもんなんですよ。そういう経験はぜひみんなに味わってもらいたいよね。
これまでの経営のなかでの波乱万丈だったなと思うエピソードをお聞かせ下さい。
ちょうど今年の4月のことです。現場のリーダーが独立することになったんですよ・・・そのことで俺自身がこの先どうなるんやろうってすごい不安になってしまって。
でも、なんとかしていくためにも、それまでしばらく豆腐作りの現場からほとんど離れていたんだけど、もう一度、自分が現場に入るという決心をしたんです。
でも実際は3日間だけしか入らなかった。現場に入れば分かるもんでね。リーダーが抜けても俺たちで頑張っていくんだという暗黙の意識を感じたんだよね。
今では驚くことに、彼がいたときよりも商品の質が安定してるんですよ。
というのも、商品の出来にはいつも点数をつけていて、85点以上の商品が売りに出せるもの、彼がいた頃は95点もあれば75点もあったりと時折ばらつきがあったのが、大体85点〜90点で安定するようになった。いや本当にすごいなあと思いましたね。
その現場の成長は何によって作られたものだと思いますか?
何やろな?(笑)。まあ、一人一人の責任感があがってきたんやろうな。それまではリーダーを頼りにするっていう意識があったんやろな。
うちに、吉田っていう子がいてね。ちょっとおとなしい子で、無口なんだけど、やることはやるっていうタイプでね。言葉が少ないから、普通に考えたらそんなに指導力を発揮するようなタイプではないんだけど。そんな彼をリーダーにしてみたんです。その後、彼を見ていると、リーダーとしても責任を持っているし、「僕がやります」って言葉も増えてきているね。若い社員が辞めていったときも、自分の立場っていう事を知って、「自分も責任という部分に関して欠けているものがあったと思います。これからしっかり責任を取ります。」って俺に話してきたこともあってね。言葉は多くなくとも、そういう従業員がいることで、やっぱり皆が働きやすい環境ってものが作られているのかなと思いますね。