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サイバーナビ株式会社
代表取締役 山崎慎也氏
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経営者略歴
Company Data
鬼才異彩バックナンバー
サイバーナビ株式会社
所 在 地:広島本社
広島県広島市中区大手町5丁目9-17
TEL:082-542-2000
横浜オフィス
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町3-29-1-801
TEL:045-410-0337
事業内容:1.製造業に特化したものづくり支援ポータル
「@engineer(アットエンジニア)」の企画開発運営
2.営業支援サービスの提供
3.各種インターネット技術活用サービスの提供
U R L:
http://www.atengineer.com/
今回の鬼才異彩は「ものづくり」に徹底したこだわりを持つ、サイバーナビ株式会社 代表取締役 山崎慎也氏のインタビューをお届けいたします。現在、日本の製造業界では同社の運営するポータルサイト「@engineer」を起点に、業種、分野を超えたビジネス交流が盛んに行われています。そこで、今回はものづくりネットワークの仕掛け人に、日本の製造業の未来から会社経営のポリシーまで幅広くお話をうかがいました。
設立わずか5年で「@engineer」の登録企業は2万7000社を超えていると伺っています。まずは、その概要をお話いただけますでしょうか?
どんなに小さい会社でもそこしかできない唯一の技術というものが、日本国内にはたくさんあります。例えば、トヨタ自動車の最高級車ブランド「レクサス」専用の「内装材間の隙間をなくす」という高い品質基準があります。その一つであるハンドル。高級材として木製であることが特徴なのですが、実はこれがくせものなんです。というのも、木は生き物だから、湿度や気温によって収縮してしまいます。この木製ハンドルと樹脂製構造材との隙間をなくすには、収縮を止めなくてはならない。でも、そこまでの技術は当時のトヨタにはなかったのです。
そこで、トヨタが目をつけたのが四国高知県にある創業112年の歴史を持つ猟銃メーカーです。猟銃は金属製の銃身と、木製の銃床などを組み合わせてできています。そのわずかな隙間が銃に狂いを生じさせます。その収縮を止める技術に白羽の矢を立てたわけです。そして、その会社は自動車産業への参入から5年で売上げは6倍以上になっています。
「@engineer」(※)の役割はまさにこれなんです。世に知られないまま埋もれている匠の技術を探し出して、全く異なる、つながらなかった他の業界に結び付ける。知られざる技術を保有する企業をポータル上でご紹介し、それを必要としている企業に届ける。ポータルサイトを介して企業と企業をつなぎ、新しいビジネスを創り出し、匠の技が生き返る、これが「@engineer」の目指すところです。
(※)『@engineer』
確かに日本には世界に誇れる技術がたくさんあります。山崎社長は、その匠と呼ばれる方々の仕事を目にする機会が多いと思いますが。
そうですね。特にナノ加工の技術には驚かされます。「ナノ」はミクロの下の単位を指しますが、穴あけ、切削などの部品加工や、溶接を施すわけですが、日本には最先端の精密機械だけではできないことを簡単にやってのける小さな会社や工員さんがまだまだたくさんいます。
グローバルスタンダードというものがあって、現在はそれが世界レベルの品質保証になっていますが、「うちの規格の方がよっぽどレベル高いから、ISO規格なんか関係ありません」と言い放てるくらい、高品質の仕事とプライドを持っている企業もまだまだあるわけです。
このようなデジタル化されていない高品質、匠の世界こそが、私のこだわっているところなのです。しかし、そのような企業を取り巻く状況は非常に厳しい。多くは、大手企業の下請けを専門として収益を維持しているのです。ところが、大企業は現地生産、現地販売、地産地消で、どんどん外国へ出ていってしまう。こうなると下請け専門で生き延びてきた中小企業は、販路を拡大し、ほかに生きる道を探さなければならない。新しい道を模索するといっても、そう簡単にいくわけではない。結局、時代の流れに対抗することができず、潰れてしまう企業もあるわけです。
なるほど。このまま放っておけば、日本市場をターゲットにしている中小企業の仕事がなくなるのは必然ですね。
私は、ものづくり企業が日本経済を支えていると考えます。戦後、外貨を稼いだのは製造業ですし、今まで日本の経済成長を支えてきたのも間違いなくものづくりです。しかし、残念なことに、世界の流れは中国、インドに向かっているわけです。世界経済の枠組みの中で、どこかの国が成長すれば、どこかが落ちる。それが日本や台湾、韓国であるのは間違いない。
そのような状況で中小企業の研究開発力までなくなっていったら、日本の経済成長はストップしてしまうと単純に危惧します。だからこそ、日本のものづくり企業を応援したいと心から思っています。でも、現場にも立つ匠の社長さんはものをつくることで精一杯だから、良い意味で彼らを引っ張り出し、その技術を活用して、新しい産業に成長できるように支援する。これが私たちに課せられた使命だと考えています。私たちの手掛けていることが大きく拡がれば、匠もまた生き返ってくる。「@engineer」にはそれだけのポテンシャルがあると確信しています。
ところで、山崎社長がどのようなきっかけで、日本のものづくりに関心を持つようになられたのですか?
すべては、起業する以前に勤めていた商社での経験からです。自動車関連の部品製造工程システムを構築する専門商社でしたから、取引させていただくお客様は、小規模でも高度な技術を売り物にしている企業ばかり。世界に誇れる技術が日本国内に多くあることを目の当たりにしました。これらの技術に光を当てたい、絶やしてはならないという思いがありましたね。
しかし、私は理工系出身者ではありませんから、技術を持って新しい物を作れるわけではない。唯一自分ができることは何か。それは、ビジネスとしての仕組みを創ること以外にないだろうと思っていました。
しかも、私は昔から既に人がやっていることはやりたくないと考える方でしたし、新しい道をつくることに生きがいを感じていました。格好いい言葉でいえば「道なき道をつくる」(笑)。たとえ、それが小さくても新しいビジネスを自分で創る、これが私の生きがいだとずっと感じていました。
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