株式会社マングローブ
 
語る
株式会社新産業文化創出研究所
代表取締役 廣常啓一氏


  インタビュー  前編 Page 1/2
            後編 Page 1/2
  経営者略歴
  Company Data
 
 

  鬼才異彩バックナンバー


東京フードシアター

鬼才異彩

株式会社新産業文化創出研究所
所 在 地:東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX 4F
      TEL:03-5297-8200
事業内容:新たな産業や文化創出及び再生のための
       様々なプロジェクト推進、実証実験、
       関連基盤施設のプロデュース等
U R L:http://www.icic.jp
 
今回の鬼才異彩は、株式会社新産業文化創出研究所 代表取締役の廣常啓一氏のインタビューをお届けいたします。同社がプロデュースをつとめる秋葉原UDX「先端ナレッジフィールド」施設内では、食とITを融合させた「東京フードシアター」と映像の新しい可能性を探る「アキバ3Dシアター」が2大プロジェクトとして展開されています。
今回は業界を超えてさまざまな知のフィールドを飛び交い、新しいビジネスモデルや価値を生み出す同社の事業および廣常社長のこれまでのご経験などについてお話いただきました。


はじめに、御社の事業概要について教えていただけますか?

「新産業文化創出研究所」という社名の文字通り、産業及び文化の創出、再生などをプロデュースし、学術研究調査からビジネスディベロップメントまでを手掛けています。 今まで存在しなかったもの、それが産業であれ、学問であれ、ビジネスであれ、これまで想像上でしか存在しえなかったものを形にするための実証実験をする。そして、実証されたものを世に送り出し、それを通じて様々な価値を創造し、新しい文化や産業領域を生み出すことが当社の基本的なスタンスです。

「東京フードシアター」や「アキバ3Dシアター」を運営しているため誤解されやすいのですが、当社はレストラン運営会社でもなければ、映像会社でもない、コンサルティング会社です。ただ、一般的なコンサルティング会社とはかなり異なったことをしていると思います。というのも、従来のコンサルティング会社は、過去の経験に基づいて指導を行うことがほとんどです。例えば、流通畑で長年働いてきた人なら、流通に関して過去に学んだことや経験をもとに、クライアントのニーズに適合した情報を提供している。
※東京フードシアター http://www.foodtheater.jp/
※アキバ3Dシアター http://www.icic.jp/products/udx_theater.html

一方で当社の場合は、先端技術や産業、様々な分野の企業、大学、人材などを幅広く結びつけ、全く新しいビジネスや文化を創り出すことを目的としています。今年3月、秋葉原にオープンした「先端ナレッジフィールド」はその研究施設でもあります。

なるほど。「先端ナレッジフィールド」内の「東京フードシアター」は、単なるレストランではないということですね。

そうなんです。このレストランが実は実験現場にもなっています。機器メーカー数社のご協力のもとに作ったデジタル厨房では、食とITを融合させています。レストランで提供しているすべてのメニューの調理方法や工程をデータ化し、コンテンツとして配信できるという仕掛けがあります。作曲や作詞にも著作権があるように、将来的にはレシピにも知的財産が確立し、そのコンテンツを見て調理した場合には著作権使用料が発生するかもしれないと考えています。

新しいビジネスを生み出す「仕掛け」が盛り込まれていると。

そうですね。さらに言うと、厨房機器や家電製品をすべてデジタル化して、それをネットワーク化させる。在庫食材をチェックする機能が冷蔵庫にあり、ボタンをひとつ押すだけで、その食材を使ったメニューを検索でき、さらにはレシピをダウンロードできる。そんな時代がきっとくると思います。

ただし、現在は各機器メーカーによって規格がまちまちです。今のままでは、そういった新たな価値を創造することの実現は難しい。アイデアを言葉で説明するだけでは、企業からの協力は得にくいわけです。そのためには、新しい発想が実現可能であることを実証し、目に見えるということが重要になってきます。各企業からの賛同を得ることが出来れば、メーカーを超えた規格の標準化も可能になると思っています。そうなれば、ひとつのコンセプトのもとに複数社のコラボレーションが実現します。言うなれば、「東京フードシアター」はアンテナショップであり、パイロットショップであり、実証実験の場であり、ビジネスマッチングの場でもあるわけです。

そのようなアイデアはどうやって生まれるのでしょう。

これまで絶対に混じり合うことがなかった分野が数多くあります。例えば、経済産業省と文部科学省を通例としますと、片方が産業振興や新ビジネスの創造を訴えているのに、片方は商売っ気のあることはできない。しかし、そういう相容れないもの同士をマッチングできれば、新しい何かが生み出されることは間違いありません。これを民間レベルで行いたいというのが、ひとつの着眼点です。

また、それぞれの業界で開発なり製作に携わっている人には、自分の業界しか見えていません。一方、こちらは複数の業態や技術を並列に並べて俯瞰するわけですから、異業種間のマッチングやマーケット拡大のアイデアは自然と湧いてきます。例えば、医療用に開発された技術をゲームなどのエンターテインメントに取り入れるといった発想です。

ところで廣常社長は、起業される前は広告会社に勤務されていたとうかがっています。広告の世界とコンサルティングの世界がどうやって結びついたのか、教えていただけますか。

広告会社は代理店ともいわれるように、新聞のスペースや、テレビCMの枠を代理販売してお金を稼いでいます。自己商品を持っていませんから、依頼主がいないことには仕事が成立しないのです。クライアントの売りたい商品や、PRしたいコミュニケーションをどのような方法で行うのが効果的か、その都度、オーダーメイドするという点では、コンサルティング業務そのものともいえます。ただ、現実的には、消費者が必要としていないものに無理矢理プロモーションを実施しても、その効果には限界があるので、広告にお金を使わない方法を提案した方がいい場合もあります。決められた枠を売ったりするよりも、その商品が必要とされるニーズを作ったり、代替商品を提案する立場の方が仕事をしやすいのではないかと考えたわけです。現在の業務は、そういった経験から繋がってきています。
 
 
 
このページの先頭へ