株式会社マングローブ
 
語る
アジアリング株式会社
代表取締役 水飼茂氏


  インタビュー  前編 Page 1/2
            後編 Page 1/2
  経営者略歴
  Company Data
 
 

  鬼才異彩バックナンバー

鬼才異彩

アジアリング株式会社
所 在 地:東京都港区麻布台3-4-11 麻布台エスビル5F
      TEL:03-3505-6721
事業内容:靴・バッグ業界の総合コンサルティング
U R L:http://www.asiaring.jp
 
今回の鬼才異彩は株式会社アジアリング 代表取締役 水飼茂氏のインタビューをお届けいたします。
靴・バックの小売業界ではその名を知らない人はいないというほどの地位を築かれながら、その姿勢は新しい分野へ常に貪欲。前編では、事業内容から水飼社長ご自身の経験、ビジネス観まで幅広くお話をうかがいました。 


まずは、御社の事業概要について教えて頂けますか?

当初は靴・バッグの総合コンサルティング会社としてスタートしましたが、現在は、化粧品・食品・建設・公告代理店など、幅広い分野の商品開発、チャネル政策、eビジネス参入のお手伝いをしています。

なかでも、「営業戦略へのIT活用術」と申しましょうか、第二次インターネット革命とも言われるこの環境下において、そのITを利用していかに業績を拡大させるかという相談が増えています。

また自社でも、ITによる情報発信の一端として、靴とバッグのコミュニティサイト「SHOE・BAG 探偵局」を運営しています。お蔭さまで、1日平均約3000回のアクセスされるまでになりました。
※「SHOE・BAG 探偵局」http://shoebag.jp/

御社は幅広い分野に亘りお仕事をされていますが、何か独自のコンサルティング手法があれば教えてください。

一言でいえば『ファッション』。時流を知ることです。
IT社会は生活全般にファッションを追求する社会ですから、ファッションを理解しなければ、時流から取り残されます。これは、服・靴・バッグなどのファッション産業はもとより、全産業に当てはまります。時流に逆らっていたら、何時まで泳いでも前に進みません。

「ファッションは川下から始まる、川下をしっかり見ていれば失敗はない」。これは、私が20年近く勤めていた靴のボランタリー・チェーン、『マギーチェーン』創業者である岩川社長の言葉です。心から尊敬する社長の言葉は、やがて私自身の持論にもなりました。大衆のファッションで時代を読み、それをどう企画につなげられるか、それさえ出来れば必ず成功できると確信しています。

業界が違っていても、ファッションの先読みが正確にできれば、問題が解決しやすくなるのです。ここがコンサルティングの面白いところでもあります。

なるほど。世のなかのファッション動向、とりわけ川下に注目すれば、業界にかかわらず、時流が見通せると。

そうです。時代の先端を読むには、ストリート、つまり大衆の動向を知る必要があります。 景気が悪くなると、「景気が良くなれば業績が上がるんだ」という方がいますが、景気に変化があると人々の価値観にも微妙な変化があるんです。美意識や価値観が変化するということは、人々の自己主張や表現が変化することであり、それが洋服や小物にも現れてくるのです。ファッションセンスを磨き、川下の動きに敏感でないと、時流から取り残され、ますますお客様の足が遠ざかります。当然のことながら、業績も一向にあがりません。

例えば、景気が良い時期はアメリカ文化が流行り、逆にヨーロッパ文化が流行るのは、景気が悪い兆候でもあります。アメリカ文化といえば、カジュアルで未成熟。スニーカーやジーンズといったものがその代表で、大衆文化としてはアメリカの方がパワーがある。しかし、不景気になると人々は成熟したものを求めるようになる。冒険するよりも、クラシックでエレガントなテースト、確実なものを手に入れたくなるわけです。

ペットの話で言えば、ハスキーのような大型犬で力強い犬を飼う人が増えていると思ったら「世の中元気だな」とか、小型犬がブームなら「世間は癒しを求めている」といったことを読み取ることができるわけです。それゆえに、ファッションは時代を映し出す鏡と呼ばれているくらいです。

確かに数年前に「小型犬」ブームに火がついた時、「癒し」グッズもブレイクしました。

『ペット』をファッションに置き換えて、川下から見ていけば、いろいろなことが見えてくる。実際、お客様のなかに、売上げが伸び悩んでいるペットショップの問屋がありました。空前のペットブームで価格競争が激化するなか、得意先のホームセンターにどんな商品を幾らで卸せばいいのかと頭を抱えていたわけです。

そこで営業のやり方を教えると言って、朝4時から営業部員を全員集め、そのホームセンターの周辺住宅地のペットを全部調査するんです。ペットを散歩させるような時間帯に張り込み、カウントして、ハスキー犬が何匹、レトリバーが何匹、チワワは何匹、そのうち老犬は何%、若い犬が何%というようにデータを集める。

そうすることで、その地域の犬種構成、年代層がわかり、ペット食品の商品群が明確になる。また、その調査で飼い主側の動向も分かりますから、価格設定の落としどころも必然的に見えてきます。これは、マーケティングリサーチなんて難しいこと言わず、靴やバッグの販売方法と考え方は一緒です。売ろうとするから結局、価格競争になるわけで、買わせるようにすればいいだけの話。結局、どんな商品を扱うにせよ基本的なアプローチはすべて同じです。
 
 
 
このページの先頭へ