株式会社マングローブ
 
語る
アウル株式会社
代表取締役兼CEO
北村俊二氏


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  鬼才異彩バックナンバー

 経営者に学ぶ

 (1)『継続的なアフターフォローを
    仕組み化する』

 (2)『どう育てていきたいかという
    明確なビジョンを持つ』

 (3)『社内大学制度を導入し、
    従業員のレベルアップを図る』

 (4)『文化・芸術・スポーツからヒント
    を得る』


鬼才異彩

アウル株式会社
所 在 地:東京都渋谷区恵比寿西2-1-8 高岡ビル2F
      TEL:03-5459-3522
事業内容:人材開発デザイン事業
      教育研修の企画・運営・支援
      Webを活用した教育ツールの開発
U R L:http://www.aur.co.jp/

先週に引き続き、アウル株式会社 代表取締役 北村俊二氏のインタビューをお届けいたします。後編では、社内でのユニークな取り組みについてお話いただきました。


若くして経営者になられた北村社長ですが、会社を経営することに不安は感じなかったのですか?

特にはありませんでしたね。それは恐らく、父が経営者だったことが少なからず影響していると思われます。父は、食品サンプルメーカーの経営者です。食品サンプルとはレストランのショーケースに飾られている、料理見本(レプリカ)のことです。イメージしやすいのは、スパゲッティがフォークにクルクル巻かれていて、そのフォークが宙に浮いているやつでしょうか。あの商品は、実は父の会社が開発したものなのです。そんな環境でしたから、幼い頃の遊び道具は工場内に転がる試作品でした。

父は2代目社長で、祖父が創業者。祖父の時代は食品サンプルの展開のみで、顧客は飲食店が中心。父の代になり、顧客拡大の道筋を作るために新商品開発に乗り出しました。具体的にはウェディング事業の立ち上げ。レプリカ・ウェディングケーキを企画・製造し、ホテルや式場に売り込み、新しい道を切り開きました。さらには、食品サンプルを転用し、マグネットや携帯電話ストラップなど商品ラインナップを増やし、雑貨小売店への流通経路拡大にも成功してきました。もちろん、事業を拡大する過程には工場スタッフとのトラブルに肩を落とす父親の姿もありました。しかし、苦労しながらもひたすら新しい挑戦に情熱を燃やす父を尊敬し、誇りに思っていました。そんな父の後姿を見て育ちましたから、自ら新しい道を作ることに何の抵抗もありませんでした。むしろ当たり前と感じていたのかもしれません。

経営者の先輩でもあるお父様から何かアドバイスされることはあるのでしょうか?

ほとんどないですね(笑)。昔から自立することを求められていましたから、「何か知りたければ自分で考えろ」と。唯一アドバイスされたことは、「"若いうち"に出来るだけ多くの失敗を経験しろ」ということですね。そのおかげで、これまで数え切れないほどの失敗を重ねてきています(笑)。でも、失敗があったからこそ、成功にも繋がっている。父からの厳しい言葉には感謝していますね。

失敗というお話ですが、仕事上でこれまで最も失敗したと感じていらっしゃることを教えていただけますか?

一番心に残っている失敗は、デジタルハリウッド時代のことですね。企画した講座のクラス担任をしていた際の出来事ですが、反省すると同時にとても勉強にもなった一件でもあります。

ある時、受け持ちの受講生一人ひとりに各自の成績表を送ることになっていました。ところが、誤って受講生全員が加入しているメーリングリストに、全員分の成績表を添付してメールしてしまったのです。成績表には、各自の点数と評価や、改善点などが明記されていたので、受講生全員にクラスメート一人ひとりの成績等が明らかになってしまったわけです。個人情報保護の観点から言っても最悪の事態ですよね。

これは言い訳にしかなりませんが、会食後の深夜に会社に戻り、少しお酒も入った上で仕事をしていたため、物事の判断が想像以上に鈍っていたんだと思います。というのも誤送信したことにも全く気付きませんでしたから。 送信した直後、恐らく深夜2時を回っていたと思いますが、既に帰宅したはずの社長からいきなり電話が掛かってきまして、「北村、今何を送ったんだ!」と。その言葉で一気に目が覚めましたね。「ああ、何てことをしてしまったんだ」と途方に暮れている間に、社長が急遽、自ら受講生にお詫びのメールを送ってくれました。しかも、納得できない方へは授業料を全額返金するという確約つきで。その真摯な対応の結果、ほとんどの受講生は講座を継続してくれましたが、残念ながら1名の方が退学することになってしまいました。私の不手際で何の落ち度もない受講生に不快感を与え、さらには社長にまで迷惑をかける始末。この時ほど、自分自身が情けなかったことはないですね。

この時の社長のスピード感ある意思決定と対応力には圧倒されました。経営者となった今、壁にぶつかりそうになると、その社長の姿を思い出し、自らを奮い立たせています。
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