株式会社マングローブ
 
語る
Xarts株式会社
代表取締役
和田昌之氏


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  経営者略歴
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  鬼才異彩バックナンバー

 経営者に学ぶ

 (1)『理屈で考えるのではなく、
    まずは体で反応し、
    行動に移すことが大切』

 (2)『技術者が自分自身のキャリアを
    構築していけるような環境をつくる』

 (3)『働く環境に満足しているスタッフは
    お客様に対して満足度の高い
    アウトプットが出せる』

 (4)『スタッフ自らの意思で希望職種に
    手をあげ、社内異動を行う』

 (5)『自分だけの“曼荼羅”をつくりあげ
    る』

鬼才異彩

Xarts株式会社
所 在 地: 大阪市西区北堀江1-3-2 ビーイング四ツ橋11階
東京本部 東京都文京区小石川1-2-1 出光後楽園ビル9F
ラ   ボ 滋賀県大津市におの浜4-7-5
       オプテックスにおの浜ビル6F
事業内容:・web・モバイルサービスに関する新規事業コンサ
       ルティング、システム開発事業
      ・アニメクリエイター専門求人SNS「アニクル」の企画
       運営、クリエイター価値向上事業
      ・ラボ(web・モバイルコンテンツや新規サービスの
       研究開発)
U R L:http://www.xarts.jp

前編に引き続き、Xarts株式会社 代表取締役 和田昌之氏のインタビューをお届けいたします。
後編では、キャリア形成に対するXarts独自の取り組みや目指す企業像についてお話いただきました。


ところで、御社のキーワードに『人×IT×アニメ』とありますが、『アニメ』という発想はどこから生まれたのでしょうか?

すべては、弊社スタッフにアニメファンが多かったことが発端です。アニメ業界に詳しいスタッフから話を聞かされて初めて日本におけるコンテンツビジネスの現状を知りました。それによって、業界に対して問題意識を持つとともに、業界に風穴を開けなければと、使命感にかられるようになったのです。

アニメ業界の全世界市場規模は1.3兆円と言われていますが、そのうちのシェア70%を日本が占めています。ところが、蓋を開けてみると日本国内には2500億円程度しか収益として落ちていません。残りの1兆円はというと、海外のブローカーやバイヤーに落ちているのです。2500億円のうち、アニメ制作会社の取り分はDVD版権や商品化権などの版権代理店への手数料を差し引いた約700億円。現在日本国内にはアニメ制作会社は430社ほどありますので、1社当たりの平均配分金額は約1億円。制作関連スタッフに支払われる給与というのは、たかだか月5〜10万円程度ということになります。

日本のアニメが世界中から注目され、高い評価を受けているにもかかわらず、収益が日本国内にほとんど落ちず、制作したスタッフにもほとんど還元されないという現実に、憤りすら感じるようになっていました。このアニメ業界の構造は、多重下請け体質のIT業界に非常によく似ていたのです。日本が世界に誇れるアニメ作品を生み出すスタッフの将来を考えると、あまりにも悲惨な環境。キャラクターに息を吹き込む声優の仕事は、苦労してやっとプロになれても1回の出演料が2000円、3000円の世界なんですよ。そんな状況に、私の「何かしなければ!」魂に火がつき、日本のコンテンツビジネスを支えるクリエーターを支援するビジネスを始めるようになりました。

その第一歩として、『AniCle(アニクル)』が位置づけられるわけですね。

そういうことです。第一弾として、アニメーションクリエーター向けの求人サービスをリリースしました。まだベータ版ではありますが、今後は求人サービス機能の充実を図り、アニメ業界における人材紹介業の発展に貢献し、クリエーターたちの存在価値を高めていけるようなサイトに成長させていきたいですね。

また、『AniCle(アニクル)』では求人以外の追加機能を検討しています。例えば、クリエーター同士の活発なコミュニケーションの場を提供し、アニメーターや業界に関連する職業の方の連携を促し、新しいビジネスが創出されるような仕組みにしていきたい。そうして、日本のアニメ業界やコンテンツビジネスの発展の一翼を担いたいと思っています。

そして将来的には、Xarts自社で高品質なコンテンツやサービスを開発し、世界に発信していきたいと思っています。そのために自社の研究開発拠点としてXartsラボを立ち上げました。『AniCle(アニクル)』は、記念すべきラボ開発第1号サービスなんです。
※AniCle(アニクル) http://anicle.jp/main/

ところで、創業当時から新卒学生の積極採用を推し進め、組織拡大を図られていますね。その過程でのご苦労などありましたでしょうか?

それは、もちろんありました。経営者という立場になったとはいえ、まだまだ私は未熟者。創業当時から大阪と東京に2拠点を構えましたから、週ごとに東京、大阪間を行き来するようにしていました。ところが、社会経験も浅い若いスタッフが多かったものですから、舵取りをする人間が不在だと、どうしても社内が混乱状態に陥ってしまう。戦略的に人員、組織計画を立ててこなかった私の責任でした。また、会社としての理念もビジョンも共有していませんでしたから、スタッフ個々人の夢はあっても、会社という組織全体で何を目指すのか分からず、一致団結しようにもできなかったわけです。

どのようなことをきっかけに変化していったのですか?

企業理念を浸透させたこと、各拠点に責任者を配置したこと、それから社会経験豊富な女性社員を登用したこと、この3つによって社内の雰囲気は大きく変わっていきました。企業理念を打ち出したことで、会社として何を目指しているのかが明確になりました。また、各責任者に権限委譲したことで、拠点の組織がギュッと締まりました。そして、以前は「仕事はするべきだ」や「結果を出すべきだ」といった「○○するべき論」で何となく殺伐とした空気だったのが、女性が加わったことで、どこか優しい母親的なものに包まれるような雰囲気になりました。相手に配慮するという意識も生まれ、社内に"愛情"という土台が作られたと感じています。



技術者のキャリア形成について、御社独自の取り組みについて教えていただけますか?

個人のキャリア形成の希望によって、部門間の異動を自由にできる仕組みにしています。現在の組織は、技術を駆使したものづくりに従事するクリエイティブ・グループと顧客獲得や提案など営業を担うコンサルティング・グループの2つに分けています。所属グループによって業務は大きく異なりますが、コンサルティング部門でお客様への提案力やコミュニケーション能力を向上させてから、エンジニアとしてのキャリアを積むことも可能ですし、その逆も有りです。

試験的に半年に一度この社内異動制度を実施していて、スタッフ自らの意思で希望職種に対し自由に手をあげることができます。もちろん、そのまま異動しないということも自由です。
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