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Xarts株式会社
代表取締役
和田昌之氏
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スタッフの自由意志に任せてしまうと、一部の職種や部門に偏りが出たりはしないものなのですか?
その状況を避けるために、スライド方式で段階的にスキルを蓄積するようにしています。例えば、あるエンジニアがWEBディレクターを目指しているとします。初期はエンジニアとしての仕事をしながら、WEBデザイナーのアシスタントとしてWEB関連の業務を少しずつ担当するようにしていきます。序々にエンジニエアの業務を減らしていき、WEBアシスタント業務を増やしていき、一人前のアシスタントになる。そしてその後、アシスタント業務+WEBデザイナーの業務期間を経て、デザイナーとなり、そこで十分に経験を積んで目標としていたディレクター職に就くというステップを用意しています。
技術の進歩は速いですから、せっかく身につけた技術も数年後には役に立たないケースが非常に多いんです。だからこそいかにキャリアを考えるか、キャリアとキャリアの踊り場期間をつくるかを会社も真剣に考えていきたいのです。また個人も自分の方向性を見直しながら、良いパフォーマンスを発揮し、慎重かつ大胆にそして計画的にキャリア・スキルを高めていってほしいと願っています。
もう一つの特徴とも言えるのが、社内で大きくキャリアチェンジをしても、処遇は変更しないということです。一般的にエンジニアからデザイナーになるといった場合、いくらエンジニアとしてのスキルが高くてもデザイナーとしては未経験なので、月収が10万円近く下がるケースが多い。ところが、弊社では職種が変わっても処遇の変更はしない。それは将来に向かってのモチベーションを下げないためなのです。スタッフのモチベーションを維持、もしくは高めることとでお客様や市場に対しての良質なシステム構築やサービス提供に繋がると信じているからです。
スタッフのキャリア形成をサポートする絶妙な仕組みは、技術者に限らず誰にとっても魅力的な職場環境です。さて、和田社長は経営者として、社員の方へはどのようなことを期待されていますか?
期待というよりも、感謝の気持ちでいっぱいですね。というのも、『anicle』を立ち上げたことも、ラボを設立したことも、もとはと言えば社員の声があったからこそ。創業当時は会社の向かうべき方向も定められずにいたところを、社員一人ひとりが手を挙げ「こんなことをやってみたい」、「あんなことに挑戦してみたい」と発信してくれたことで、現在のような事業の輪郭も出来上がり、全員で目指したいことが明確になったからです。
そんななかで強いて期待したことを一つだけ挙げるとすれば、個々人の夢の通過点として、言葉は悪いのですが『歌って踊って笑いの取れるエンジニア』になってほしいということでしょうか。技術力の高い人ほどコミュニケーションが苦手だったり、コミュニケーション力は高いけれど、肝心の技術力が伴っていなかったり。Xartsに集まってくれたスタッフには、職種に関わらず『人』としての質を高め、高い技術力を身につけ、お客様への提案力もある、そして後輩や先輩とも会話ができ良好な人間関係を構築できる、さらには、周囲に自然と人が集まるような人になることを目標にしてほしいと思っています。
スタッフの方とともに、Xartsを今後どのように成長させていきたいですか?
技術者やクリエーターにとって天国のような職場にしていきたいですね。例えて言うなら、映画監督のジョージ・ルーカス氏のルーカスフィルム社"スカイウォーカーズ・ランチ"や映画会社ピクサー・アニメーションのようなスタジオを目標にしています。
大自然のなかに、フラットなロッジ風オフィスを建てる。そして一人一部屋の執務スペースには好きなものを飾ったりして、自分が一番居心地良いと感じる空間を作りあげる。ロッジの地下にはステージやバーなどがあって、働くスタッフのコミュニケーションの場にする。そのステージでは定期的にスタッフが演奏を披露することがあ
ってもいいですね。
夢はたくさん広がるわけですが、まだまだ長い道のりです。でも、一歩でも近づきたいという思いが強く、ラボは滋賀県に設立しました。目の前には琵琶湖が広がり、裏には里山がある絶好のロケーションです。落ち着いた自然のなかで自分の好きなものに囲まれながら、発想力を高めていってほしい。またそこでは生産性を高めながら、個人の裁量で自由な働き方ができる環境にしていきたい。
そしてラボを通じて、アニメコンテンツ制作をはじめ、版権ビジネスや流通、そしてITの新サービスの開発など、世界に通用するようなビジネス開発に挑戦していきたいですね。そのために様々な能力を持った人々が集まり、各自のパフォーマンスを最大限発揮できる環境を作るのが私の最大の役目だと考えています。
とてもいいですね、お話を伺っている私もワクワクしてきました。 ところで、和田社長をはじめ、20代で起業する若者が非常に増えています。将来起業したいと考えている方へメッセージをいただけますか?
偉そうなことを言える立場ではありませんが、「人が集まる人」になっていただきたいと思います。 もちろん一人でできることもありますが、やはり限界はあります。多くの方々と出会うことで気づきを得られることもありますし、協力を得られたり、助けられることもあります。そのなかで大事なことは謙虚な気持ちを忘れないことですね。
プライベートでは学生向けの就職支援をされておられると聞いていますが、これからの日本社会を支える学生の方へはどんなことを伝えていらっしゃるのですか?
自己肯定にもなりますが、“曼荼羅人間”でいいんだということですね。学生と話をしていると「色々と挑戦してみたけれど、結局自分に何が向いているか分からなかった。これからどうしたらいいのかを悩んでいる」とよく相談されるんです。でも、「分からない」状況でも全く問題ないと思うのです。昆虫博士になりたいと、小さい頃から昆虫のことばかり勉強して結果的に昆虫の研究者になった。そういう人もいますが、おそらく稀だと思います。誰しも悩んで当然ではないでしょうか。
だから、躊躇せずにやりたいと思ったことは何でも挑戦してみればいいのです。途中でギブアップしても良い。様々な経験を積み重ね、一つひとつの画は小さくても、全部を合わせたらたった一つしかない大きな画、自分だけの曼荼羅になっているんですから。昨日よりも成長した自分がいればそれで良いのではないかと私は思いますよ。
曼荼羅人間ですか、それはとてもユニークな発想ですね。 様々な挑戦をされてきた和田社長ですから非常に説得力があるのではないでしょうか。 それでは、最後に和田社長個人の夢を教えていただけますか?
社会変革型のビジネスなどを立ち上げていければ本望です。若い人の力を有効活用できるような仕組みをつくっていけたらいいですね。アニメ業界に風穴を開けたいという思いもそうですが、一生懸命何かに向かって頑張っている人に対して応援することが私の夢なのです。ですから、将来XartsはIT企業とは謳わず、全く別の顔を持つ企業になっているかもしれません。
本日は貴重なお話をありがとうございました。
【インタビュー後記】
色鮮やかなパーテーションやバランスボールが印象的だったオフィス。 「スタッフは仕事上室内にいることが多いですから、少しでも明るい気分で働けるようにと思いまして・・・」ということ。インタビューのお話からも、とにかく社員の方々や関わる人たちをハッピーにしたいという想いが伝わってきました。国を挙げてアニメ産業発展やコンテンツビジネスの活性化への施策が打ち出されている今、Xartsのビジネスや企業理念がさらに注目されることは間違いないでしょう。
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