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株式会社虎の穴
代表取締役社長
吉田博高氏
インタビュー 前編 Page
1
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2
後編 Page
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経営者略歴
Company Data
鬼才異彩バックナンバー
経営者に学ぶ
(1)『社員の一体感作りのため、社員の
やる気を引き出すため、そして虎の穴
を永続企業にするために上場したい』
(2)『僕の最大の仕事は、社員がのびの
びと、イキイキと仕事ができる、自由
度を上げるための仕組みづくりに専
念すること』
(3)『会社の方向性を明確にし、社員に
きちんと伝える』
(4)『人をどうにかして変えようとするより
も、自分が先に変わる』
(5)『クリエイターの地位向上や
活躍の場を広げたい』
株式会社虎の穴
所 在 地:東京都千代田区外神田4-3-1
事業内容:・漫画・玩具・個人出版物・アニメグッズの販売
・通販流通業務・漫画の企画・編集、キャラクターグッズの
制作、輸出入業務
U R L:
http://www.toranoana.jp/
今回の鬼才異彩は、株式会社虎の穴 代表取締役 吉田博高氏のインタビューをお届けいたします。 同社は、10年以上も前から秋葉原に本拠地を構え、今やアキバ系文化のリーダーとして全国にコミック・グッズ小売店14店舗を展開、その他にもアニメコンテンツ配信事業、カフェ運営事業などを手掛けています。お客様、クリエイター、スタッフすべての人々に『ワクワク』を提供する企業を目指すという吉田社長。前編では企業経営に対する考え方についてお話いただきました。
ある講演会で吉田社長のお話を聴かせていただいたのですが、その際「上場を視野にいれた展開を考えている」とお話されていましたね。
はい、数年以内にはなんとか実現させたいという気持ちはあります。でも、不思議なことにそこに焦りはなくて、やるべきことを着実にやり遂げた先にあるものという認識でいます。
会社設立当初から上場計画を立てられていたのですか?
それほど真剣に考えていたわけではないのですが、創業して2、3年経とうという頃から少し頭の片隅に置くようになりました。というのも、秋葉原でインディーズコミックの店舗販売事業が割とうまくいっていたこともあって、次の展開として小規模店舗だけではなく大型店舗を立ち上げてみたいと、銀行からの融資を考えるようになったのです。
銀行に相談すると、まずは資金計画表と資金繰り表、それから向こう3年間の事業計画書の提出が必要だと言われまして、その時に初めて「事業計画書」という言葉を知りました。早速作成の準備にとりかかり、他社の事業計画書なるものを参考に眺めていたら、「上場」という文字が目に留まりまして。株式公開すれば資金調達が可能になるという一般的な知識はあったものの、虎の穴にとってのメリットは正直良く分かってはいませんでした。でも、事業計画書には「○○年後に上場」と書くと銀行からの見られ方も違うという話をどこからか聞いてきまして、少し打算的な考えも働いて、とりあえず記載しておいたというわけなんです。
ということは、本気で上場を意識し始めたのは最近ということですか?
そうですね、この3年くらいでしょうか。僕が考える上場の目的は、社員の一体感作りのため、社員のやる気を引き出すため、そして虎の穴を永続企業にするための3つです。
社員が安心感を持つことができ、楽しみながら仕事に没頭できる環境をつくる。そして、社員には成果に見合った対価を支払うことができる環境をつくることで、社員の一体感を生み出し、モチベーションを高めたい。僕に経営センスがないために会社を潰し、社員を路頭に迷わせるようなことにはしたくない。たとえ経営者や経営陣が代わることになったとしても、会社や事業は引き継がれていくものにしていきたい。
一番重要なのは、社員がハッピーでワクワクしながら仕事をし続けられる環境を作るということなんです。
大きく考え方を変えられたというわけですね。
ええ。今に至るまでに経営者としてあるべき姿を考えさせられまして・・・。
創業から7年間くらいは、"経営者"というよりは"コドモ社長"でした。
“コドモ社長”ですか、なかなか面白い表現ですね。
それは具体的にはどのようなことなのでしょう?
簡単に言えば、自分の好きなことだけを追求し続け、自分だけが会社の主人公だと考えている社長ということでしょうか。もちろん“好きなことだけをずっと手掛けていきたい”という純粋な気持ちを持ち続けることは決して悪くないことではありますが、僕は度が過ぎる経営者でした。
僕がこのビジネスを始めたのは、前職での経験がきっかけとなっています。秋葉原にある小売店でゲームソフト販売を担当していたのですが、その時のお客様との触れ合いがとても心に残り、同じコミュニケーションを大事にするにも自分の好きなアニメ系を中心に扱うビジネスを手掛けたいという思いが強くなって、わずか10坪のコミック販売店から始めました。
「こんなことをやりたい」ということに関して、ビジネスモデルや戦略、綿密な計画を練るのが好きで得意だったこともあり、社員には僕が作り上げた仕組み通りに動くことを要求していました。社員の考えを吸い上げるという思考はゼロ、社内で議論することがあっても「自分はこれをやりたい。完璧なシナリオだからあとは納得してくれ」と最後まで自分のやりたいことを押し通していくタイプでした。事業成長を意識して自分だけがむしゃらになり、周囲を全く巻き込めない。社員は自分と同じ気持ちのはずだと思い込んでいたのです。
それというのも、創業以来ずっと黒字経営で、大きな苦労をせずとも規模拡大を実現できていたので、無意識におごるような態度が経営にも表れていたのだと思います。自分のことしか見えていない、自分の好きなことだけをやりたい、まさしく“コドモ社長”だったわけです。
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