株式会社マングローブ
 
語る
株式会社いかるが
取締役社長
工藤直光氏

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  経営者略歴
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  鬼才異彩バックナンバー

 経営者に学ぶ

 (1)『経営者としてどうあるべきかを日々
    考え、勉強し、自分を磨くしかない』
   
 (2)『きちんと社会に貢献できる、
    永続した組織であるには、核となる
    "理念"が重要である』

 (3)『現状に感謝する気持ちを持つ』
                       

マングローブの事業概要5+1
鬼才異彩

株式会社いかるが
所 在 地:東京都新宿区四谷1丁目7番地
事業内容:・中高層建築物の建築計画を近隣住民に
        説明する業務
       ・中高層建築物に関する調査、測量、
        説明企画、設計、管理等の業務
U R L:http://www.ikaruga-law-arc.com/

先週に引き続き、株式会社いかるが 取締役社長 工藤直光氏のインタビューをお届けいたします。後編では、理念経営についての考え方と社内独自の取り組みについてお話いただきました。



ところで、なぜ理念経営をされようと強く思われたのですか?

いかるがに入社する前のことですが、『ビジョナリーカンパニー』(ジェームズ・C. コリンズ著)を読んで大きな影響を受けたからです。永続する会社を目指すには理念経営をするしかないということと、卓越した業績を残すのは理念であるということを書籍から学びました。当然事業コンテンツがしっかり確立されていなければ理念だけが存在していても駄目なことは理解していましたが、コンテンツがあっても理念がなければ将来的に伸びてはいかないだろうと。また、企業は個人の持ち物であってはならず、きちんと社会に貢献できる、永続した組織であるべきだと考えていますから、そのためには核には"理念"が重要であるということです。

会長自身も今まで勉強してきた理念や信条、それは仕事においてもそうですし、生き方そのものについて表現し、生き方の価値観の根底になるものを作ってこられていたので、それを実践できる環境にするというのが私のミッションでもあります。

「美徳を持って最善とす」(「損得」より「美徳」を持って最善とす)を経営理念に掲げ、 「共に生きる」、「真・美・善の追求」を社是に、そして将来構想として「Build to last visionary company」、つまりこのいかるがを永続させる企業にするということを社員にも社会にも約束しています。そして実現させるために「信条50カ条」というものを設定しています。



これはすごいですね。この50カ条の中で工藤社長が最も大切にされている信条を教えていただけますか?


26番目にある「『これだけでも十分ではないか』という『足るを知る心』によって初めて、人間は幸せを感ずることができる。そうすれば、今自分が生きていること、そのことに対しても心から感謝をすることができる。」ですね。

個人事業主になった当初は「金持ちになりたい、金持ちになるんだ」という姿勢で仕事と向き合っていきましたが、参加した環境セミナーで「今の資本主義はmore and more狂だ、"もっと、もっと"の心が強すぎる」という話を聞き、私の心にストンと落ち、それからは自分への戒めとして大事にしている言葉でもあります。

会社の経営を改善させるために解決すべき課題はまだまだ山積みですが、自分の根底の考え方には「足るを知る」、現状に感謝する気持ちを持っていないと駄目なんだろうなと。

もう一つ大切にしているのが、47番目の「バランスの取れた人間性を持たなければならない。ただし、それは中庸という意味ではない。ひとつの人格の中に、相反する両極端をあわせ持ち、局面によって正常に使い分けられる者こそが、バランスのとれた人間なのだ。」というものです。企業はボランティアではないので一定の利益は上げなければなりませんが、同時に理念も追求していくというある意味両極端なことを実践していくというものです。

経営理念や信条を実践に移すためには、社内への浸透が欠かせないと思います。具体的にはどのような取り組みをされていますか?


毎日の朝礼の際に必ず話題にします。信条などを織り交ぜた話を私からするようにしていますが、朝礼の担当者にも信条50カ条のなかの一節を取り上げ、自分なりの解釈の仕方や日頃の業務にどのように結びついているかを発表してもらうようにしています。初めは戸惑う社員もいましたが最近はかなり慣れてきた様子ですね。

それから『いかるが図書館』というものを設置していまして、現在約30冊の書籍が並んでいます。私が読んで「これは良い」と思ったものを片っ端から図書館に寄贈しているので、増える一方ですね。私としては社員全員に読んでほしいと思っていると同時に、読書と感想文提出を昇格条件にもしています。書籍にも様々な種類がありまして、人格形成を促すものが6〜7割、ビジネスのテクニック的なものが残りの3割程度で、マネジャーへの昇格のためには「この分野から何冊以上」、ゼネラルマネージャへは「この分野とこの分野から何冊以上」というかたちで実施しています。

読書感想文ですか。じっくりと読まなければ感想文は書けませんから、効果が期待できそうな取り組みですね。さて、いかるが独自の人材の育て方や鍛え方がありましたら、お聞かせいただけますか?


基本はOJTですが、毎週金曜日の夕方に『近隣マスター道場』と名づけた勉強会を実施しています。

私たちの仕事は、中高層建築物などの建築計画を近隣住民へ説明することではありますが、重要なのは不動産デベロッパーからの近隣対策依頼を1件でも多く受注することであると。また、受注案件のうち約8割は何の問題もなく終了し、何らかのトラブルに発展しそうなものが残りの2割となります。この2割をいかに減らしていくかに頭を使うための勉強会を開催しています。

それからもう一つ大きな特徴としては、社内にプロジェクト委員会制度というものがありまして、社員は全員何かしらのプロジェクト委員会に所属しなければなりません。現在5つの委員会があり、『ブランディングのCS』、『ブランディングの販売促進』、『理念と経営』、『経費適正化』、『新規事業開拓』に分かれています。こういった取り組みをすることで、日頃の業務のなかで経営というものを身近に感じ、企業としての在り方を全員で考え行動できるといった利点があります。

それもまたユニークですね。工藤社長の大事にしている経営のスタンスの1つは理念経営ということを理解いたしましたが、その他にはどのようなことがありますか?


永続企業となるためには、徹底的に手数料ビジネスにこだわっていくということです。スターツで不動産の仲介業務に携わっていた時にも感じたことですが、手数料の額がとにかく大きい。しかも、ビルやマンションは1棟だけではなく、2棟、3棟と続けて建ちますから、私たちが良い仕事さえすれば必ずリピートに繋がる。1回につき多額の手数料が手に入り、それが継続されるというのは他業種では考えられないこと。また、この業務は細かい配慮が必要な上に、現場担当者にしてみれば精神的に辛いことも多いので、大手企業も参入も考えないだろうと。だから、いかるが独自の仕組みさえ作り上げてしまえば拡大も夢ではないと考えています。

今までの近隣対策会社は、近隣住民とのトラブルが生じてから対応するのが主流でしたが、トラブルを起こさないようにすることもできるはずだというのが私たちの考え方です。紛争予防という視点を特徴に様々なサービスを徹底的に仕掛けていこうと考えています。
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