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武蔵塗料株式会社
代表取締役社長
福井修平氏

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            後編 Page 1/2
 

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 経営者に学ぶ
(1)社員の力を信じ、その力を持って現状を変えようとすれば必ず強い組織になれる

(2)会社の利益は製造工場で働く人たちが生み出している

(3)常にポジションを意識する

 マングローブの事業概要5+1
鬼才異彩
福井修平
福井修平

company data
武蔵塗料株式会社
所 在 地: 東京都豊島区南池袋2丁目30番16号
事業内容:
家電製品、AV・OA機器、携帯電話、パソコン等に使用される合成樹脂塗料の製造及び販売
U R L: http://www.jmpc.co.jp/index.html
 
先週に引き続き、武蔵塗料株式会社 代表取締役社長 福井修平氏のインタビューをお届けいたします。後編では、社内で取り組まれたことや今後に向けたお話を伺いしました。
社員の力を信じ、その力を持って現状を変えようとすれば必ず強い組織になれる
まずはどのようなことから手を付けようと?
総務部での8年間には、社内での改善点や改善案など頭に思い浮かんだことを片っ端からノートにメモしていました。単に眠気と戦っていただけではないのです(笑)。問題意識はもちろんありましたから、どのような社員がこの会社で働いているかを知ろうと工場や本社、支店の一人ひとりと面談していました。面談の際に聞いた様々な話やそれを通して考えたことをノートに記録していったのです。その一つひとつを少しずつでも変えていくことが、まずは私の仕事であると考えていました。
私の居場所はこの会社以外にはないですから、万一武蔵塗料が潰れるようなことになれば自分の存在意義もなくなるも同然。だからこそ、できることから地道に取り組んでいくしかないと。外部にいる私の知人をこの会社に引き込めば、もっとスピーディにダイナミックに組織変革ができるとも考えましたが、そうすることは長い目で見て会社の将来のためにはならない。今いる社員の力を信じ、一人ひとりの力で会社を変えていけるような流れを作ることが、最終的には強固な組織として生き残れると確信していました。
様々な社員との面談を通じて私が特に気になったことは、社員が会社や自分の仕事に対して誇りもプライドも感じていないこと。誇りもプライドもなくて、果たして豊かな人生を送れるのだろうか。働く意味を感じられるだろうか。誇りもプライドも社員が感じられないようでは、会社としての価値もないに等しいと私は感じていました。
だからこそ、一つひとつを変えていかなければならないと自分に言い聞かせていました。企業理念を作ったのもそのためです。そして、年間50億円の売上げを目指していくことも明確に打ち出していくようになりました。社内では、「創業30年で20億円しか売上げられなかったのに10年で50億円は絶対に無理だ」や「福井は馬鹿じゃないのか」という声も当然ありましたけれど(笑)。
福井社長は、武蔵塗料が社員が誇りを持てる会社に成長し、年間売上50億円を達成できるという自信はあったということですね。
ある程度はありました。というのも、お取引先企業や業界の方と話をすると「武蔵さんには高い技術がある。特に調色が抜群に優れているけれど営業力が弱いよね。」ということをよく言われていたからです。調色というのは、色と色を配合して新色を作り出すことなのですが、調色が優れていることは塗料メーカーには命なのです。
お客さまからの依頼を分析してみると、難しい調色で少々手間がかかり、少量しか必要のない塗料は注文が来るけれど、簡単で大量に必要なものは他社へ発注されてしまう傾向がありました。ということは、要となる技術力を高めつつ、納期厳守やアフターフォローなどの営業力を徹底すれば、必ず受注案件も増え売上倍増は間違いないだろうという確信がありました。
どのように改善されていかれたのでしょうか?
現場社員に発破をかけるだけでは、私の本気度は伝わらない。1日5色しか仕上げられなかったものを10色できるようにとかなりの資金をかけて設備投資をしました。製造工場に一番ノウハウが蓄積されていると考えていましたから、社員の意識が変わることで納期を短縮できるのではないかと思っていました。しかし、私が一方的に物を言ったところで、社員のやる気がついてこなければ何も変わらないことは分かっていました。そこで、毎週1回工場での業務が終了したところに私が顔を出し、工場の人間7、8人を集め工夫すべきこと、改良できることなど、ああでもないこうでもないと様々なアイデアをブレストしていきました。
語る:福井修平
会社の利益は製造工場で働く人たちが生み出している
そうすると、設備と職人の方の腕、そして創意工夫の三拍子が揃って大きく変わっていったということですね。
その通りです。さらに言うと、工場には実に素朴というか、純朴な人間が多くいたということも非常に良かった。私との話合いを持つことに背を向けずに、会議で出た改善案に対し真っ正面から取り組もうとする社員ばかりでしたから。
先ほど申し上げましたが、全社員を前に「まずは目標を50億円に設定します」と発表した際に「この会社の利益はどこが出していると思うか」という質問を投げかけました。その時はきっと誰もが営業部隊だと思ったことでしょうね。しかし、私の考え方は違いました。「利益は工場で働いている人間が出しているものだ」という私の言葉に一番驚いていたのは工場の人たちだったと思います。例えば、市場価格1万円のものを1万1000円で売るなら営業部隊が稼いでいると言えるでしょう。でも場合によっては、市場価格1万円のものを9000円や8000円で売ってくることだってある。言葉は悪いですが、値引きをすれば誰でも売れるのです。それでも会社にとっての利益があるというのは、工場で働く人たちがコストダウンを徹底し、合理的な運営するからこそ利益を生むんだという話をしました。
社長のそのような考え方が工場で働かれている方々の意識にも影響を及ぼしていったということですよね。
私の考え方というよりは、社員にもともと備わっている底力を感じました。ただ、私の父や前社長のやり方に慣れていた社員からは「きつい、きつい」という声は聞こえてきましたが、だからと言って辞めてやろうという人間はほとんどいませんでした。
語る:福井修平
やはり働くことを通して、やりがいや挑戦してみたいという欲が出てくるような環境でないと、いくら給料が高くても続かないと思っています。できれば、定年まで働き続けてもらい「武蔵塗料で働いて、大変だったけど良かった」と思ってもらいたいというのが私の希望でもあります。その言葉を聞くことこそが、社員が誇りを持てるような会社である証じゃないかと。
手前味噌になりますが、おかげさまで、業界全体の業績が悪化するなか、うちだけは勢いよく業績が伸びていきました。
今後はどのような会社にしていきたいとお考えですか?
この世になくてはならない会社でありたいと強く思います。お客さまに喜んでいただける存在であると同時に、今いるポジションを常に高めていくような会社でなければいけない。
 
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