今野誠一のパーソナルライフ

本間健のヘルシー講座

第2回 塩の話 その①


さて、前回は高血圧の患者が大変多いということをお話しました。30歳以上の統計から推計すると、なんと4000万人もの日本人が軽症高血圧
(最高血圧140以上または最低血圧90以上、単位はmmHg(水銀柱の高さ))以上なのです。
 
原因はもちろんいろいろありますが、その多くは、本態性高血圧といって、何か、特に腎臓が悪いというような、これといった原因がなくて血圧が高くなるものなのですが、なんといっても塩分(塩化ナトリウム、食塩)摂取の多さと密接な関連があります。

食塩摂取が多いと血圧が高くなるということについては異論がなくはないのですが、関連があるということは今のところ認められています。そのいい証拠としてよくあげられるのは、アマゾン川源流域に住むヤノマモ・インディアンです。

らは、1日に0.2g以下の食塩しか摂取していません。血圧が高い者は存在せず、歳をとっても血圧は高くならないことが報告されています。主として食べているのは、バナナとイモだそうです。かつて、日本の特に東北地方では、1日に30g以上もの食塩を摂取していました。また、高血圧の方が大変多く、脳出血でたくさんの方が亡くなっていたことを覚えている方も多いでしょう。

ということで、塩分摂取を減らしたほうが高血圧の予防のためにも、治療のためにも好ましいとされてきたわけです。

では、現状はどうかというと、国民健康・栄養調査の結果では、日本人の食塩摂取の平均は11
gちょっとということになっています。というわけで、厚生労働省は、国民に塩分摂取は10g未満にしましょうと呼びかけているのですが、これは、本当はもっと少なく勧告したいけれど、現状では無理という判断があっての数値だと聞いたことがあります。

アメリカの最新の推奨値は、食塩換算で1日5.8g以下です。日本高血圧学会は2004年、高血圧患者には、それまでの1日7g未満という基準を切り下げて、1日6g未満という基準を発表しました。この数値を守ることがどんなに大変かは、次回お話しましょう。

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文/本間健プロフィールを見る

本間健 Honma Takeshi

日本女子大学家政学部食物学科
公衆衛生学研究室教授

1949年 東京神田生まれ
1975年 東京医科歯科大学医学部卒業、
1983年 茨城大学保健管理センター講師のち助教授
1992年 東京医科歯科大学医学部保健衛生学科助教授を経て、
1997年 日本女子大学家政学部食物学科公衆衛生学研究室教授、現在に至る。

全国保健所等での講演多数実施中。
「栄養と料理」(女子栄養大学出版、月刊誌)にて、全国の旅館・ホテル・レストラン等に
おけるヘルシーメニュー提供実際を紹介するレポートを2002年1月号から3年間連載。

【専門領域】
公衆衛生学(特に健康管理領域)、
日本内科学会認定内科医
日本糖尿病学会認定専門医

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