今野誠一のパーソナルライフ

本間健のヘルシー講座

第7回 糖尿病とは?

糖尿病でいう糖とは、ブドウ糖のことです。
血糖値とは血液中のブドウ糖の量のことをいいます。
 
健康な方の血液100cc中には空腹時だとせいぜい100mg(=0.1g)くらいのブドウ糖しか含まれていません。これが糖尿病になると200mg、場合によっては500mgあるいはそれ以上含まれているのですが、でもなめてみてもおそらく甘くはないでしょう。カロリーオフではない普通のジュース、コーラ類は糖類濃度が10%くらいですから、100ccあたりだと10gも含まれているのと比べれば、ちっとも甘いわけはないということはお分かりいただけると思います。

病名の「糖尿」も同じです。健康診断で、尿糖が「+」でした、などという結果をもらった方もいらっしゃると思いますが、このような尿には、100cc中に0.1~0.2g程度のブドウ糖しか含まれていません。やはり甘くはないと思います。
 
強陽性に出ている場合だと2gとか3g含まれることもありますから、そうなると微かに甘いかもしれません。昔、汲み取り式便所の時代に、糖尿病の患者の家の便所にアリが集まっているのでそれと知れた、などと聞いたことがありますが、確かにひどい糖尿病だと、1日に100gくらいの糖を排泄しますから、結晶化して白くなったりして、目で見てわかったこともあるかと思います。アリも寄ってくるかもしれません。

糖尿病を英語で、diabetes mellitusといいますが、こちらもまさに「甘い尿がたくさん出る」という意味です。mellitusはmellowと同じ語源だといわれています。

さて、前置きが長くなってしまいましたが、糖尿病とは、甘い尿がたくさん出るという病気なのですが、「尿」にこだわっていては誤解を招きます。糖尿病とは、尿に糖が出る程度のそんなに甘い病気ではないのです。なぜ尿に糖が出るのか、が問題です。

尿に糖が出るのは、血液中の糖の量が増えるからです。つまり、血糖値が上がる病気なのです。

では、血糖値が上がるとなぜいけないのか。血糖値が上がると、体に良くない物質が生成されたり、動脈の内側の細胞が傷害されたり、と良くないことがいろいろとおきてくるのです。これが広い意味での合併症ということになりますが、基本的には、糖尿病は血管の病気なのだということを肝に銘じていただきたいのです。
 

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文/本間健プロフィールを見る

本間健 Honma Takeshi

1949年 東京神田生まれ
1975年 東京医科歯科大学医学部卒業、
1983年 茨城大学保健管理センター講師のち助教授
1992年 東京医科歯科大学医学部保健衛生学科助教授を経て、
1997年 日本女子大学家政学部食物学科公衆衛生学研究室教授、現在に至る。

全国保健所等での講演多数実施中。
「栄養と料理」(女子栄養大学出版、月刊誌)にて、全国の旅館・ホテル・レストラン等に
おけるヘルシーメニュー提供実際を紹介するレポートを2002年1月号から3年間連載。

【専門領域】
公衆衛生学(特に健康管理領域)、
日本内科学会認定内科医
日本糖尿病学会認定専門医

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