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本間健のヘルシー講座
第11回 ストレスと血糖の深い関係 その①
よく、ストレスで血圧が上がるといいますが、血糖値も高くなります。
ストレスが加わると副腎から血圧や血糖を高くするホルモンが出てくるためです。ですから、怒られれば気が小さい人にとっては大変なストレスですから、血圧も血糖も上がってしまうのですが、怒る方だって興奮するわけですから同じことで、血圧も血糖も上がりますから、あまり怒らないほうが得だということになります。
ストレスが加わると副腎から血圧や血糖を高くするホルモンが出てくるためです。ですから、怒られれば気が小さい人にとっては大変なストレスですから、血圧も血糖も上がってしまうのですが、怒る方だって興奮するわけですから同じことで、血圧も血糖も上がりますから、あまり怒らないほうが得だということになります。
ところで、通常使われているストレスという言い方は、厳密に使うならば、ストレス状態を作り出す原因の方をストレッサー、ストレッサーにより引き起こされる生体の反応をストレスというのですが、ストレッサーとストレスは厳密に区別されて使われないことの方が圧倒的に多いので、この連載でも区別しないで書きますのでお許しください。
20年以上前のことですが、ある大学で健康管理の仕事をしていました。当時から私の専門領域は糖尿病でしたから、大学の健康診断では血糖など普通は測定しませんから、尿糖には大変注目をしていました。
6000人規模の大学でしたが、毎年数十人が尿糖陽性になっていました。陽性者には当然精密検査というか、まずは再検査を受けてもらいます。ところがほとんどが再検査では異常がありません。もちろん尿糖がやはり出るという学生はいるのですが、このような人たちは「腎性糖尿」と言って血糖値に関係なく尿糖が出やすい人たちです。特に若年者に多く年をとると出なくなる方がほとんどですが、中には糖尿病になりやすい人もいるといわれていますので、太らないようになどと、注意はいたします。
問題は最初の健康診断のときに尿糖が出て、2回目は出ないという人たちです。何かこの人たちには問題があるのだろうか?よくわかっていなかったのです。そこで、ある年度から、尿糖が陽性になった人を見つけたら、直ちに採血をして血糖値を調べるようにしてみました。さらに、研究費をつぎ込んで、後日この人たち全員に糖負荷試験を受けてもらいました。その結果、大変興味深いことが判明しました。
まず、腎性糖尿以外の人は、最初の尿糖陽性時には血糖値がある程度高くなっていました。しかし、糖負荷試験で糖尿病どころか「境界型」の人もほとんどいませんでした。つまり、最初の尿糖陽性は、一過性に血糖値が上がっていただけだったということなのです。
何か理由があるのではないかということで、ストレスになったようなイベントがなかったかとか、性格傾向などのテストもしてみました。その結果、尿糖が出た人たちは、「恋人と別れた」「家族に不幸があった」「指導教員と喧嘩した」など何かのストレスが加わっていたこともわかりました。
さらに、性格傾向としては、「びっくりしやすい」「緊張しやすい」などの傾向があることもわかりました。つまり、こういう人たちは、ストレスが加わると体が正直に反応して、血糖値が上がりやすいのだということがわかったのです。もちろん、身体的な自覚症状など感じていた人は一人もいませんでした。
ですから、尿糖が出た人たちには、その後は、「あなたはどうやらストレスに弱いタイプのようだから、何らかのストレスが加わったら、自覚症状などなくても、血糖が上がったり血圧が上がったり、身体は反応しているのだから、休養をとるように心がけなさい」という指導をしていました。この人たちの20年後を調査してみたいものですが、もしかするとかなりの人が糖尿病、高血圧になっているかも知れません。
要するに、どうやらストレスに強い人と弱い人がいるようなのです。これが、現代のようなストレス社会になると生活習慣病増加の一因となっていることは間違いないと思われます。
ストレスのうまい回避法があればいいのでしょうが、それは個々人が身につけていくしかないのだろうと思われますが、とりあえずは、寝ること、気分転換をうまくすることですね。酒はあまりお勧めできません。
次回からは、実例をご紹介しましょう。
- 文/本間健プロフィールを見る
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本間健 Honma Takeshi
1949年 東京神田生まれ
1975年 東京医科歯科大学医学部卒業、
1983年 茨城大学保健管理センター講師のち助教授
1992年 東京医科歯科大学医学部保健衛生学科助教授を経て、
1997年 日本女子大学家政学部食物学科公衆衛生学研究室教授、現在に至る。
全国保健所等での講演多数実施中。
「栄養と料理」(女子栄養大学出版、月刊誌)にて、全国の旅館・ホテル・レストラン等に
おけるヘルシーメニュー提供実際を紹介するレポートを2002年1月号から3年間連載。
【専門領域】
公衆衛生学(特に健康管理領域)、
日本内科学会認定内科医
日本糖尿病学会認定専門医
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