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音楽のある日々
第4回 サイモン&ガーファンクル武道館公演090715
【自分の中のサイモン&ガーファンクル】
彼らは、日本流の「フォーク・デュオ」という呼ばれ方が本意なのかどうかはわからないが、ボクの中では、あくまでもフォーク・デュオの理想像として特別な存在なんだ。
サイモン&ガーファンクルの曲は神秘の世界だった。
練りに練られた完璧なハーモニー。
アート・ガーファンクルの天使の歌声。
ポール・サイモンのどうやって弾くのかわからない印象的なそして天才的なギターのフレーズ。
派手さはないけど個性的なメロディーライン。
深い詩の世界。
すべてに衝撃を受けていた。
神秘の世界の一部でも解明しようと、コピーに挑戦はしたが、すぐに断念した。
手っ取り早くスコア集を買ってきて、サウンドオブサイレンスのイントロや、スカボロフェアのイントロを、自分で弾いた時の感動は忘れることができない。
伊勢正三の22才の別れのギターが、名手石川鷹彦氏による「ナッシュビルチューニング」だということを知り、試してみて「オーッこれ、これ!」と感動した時と同じくらいの感動だったんだ(分からない人には全然わからないと思うけど、勝手な盛り上がりを勘弁してもらいたい)。

「こういう曲を自分で作れる天才が世の中にはいるんだなあ」と素朴に感じていた。
人が作ったものを後から真似するのは簡単だ(って言うほど簡単じゃないんだけどね)。
自分にもっと歌の才能があり、自分にもっとギターの才能があり、自分にもっとタレント性があれば、きっとその道に進んでいたに違いない(そりゃそうだ。歌とギターとタレント性と3拍子の何も無いからただの人なんだからね)。
そんなこんなで、自分にとっては特別な存在のサイモン&ガーファンクルが一時的とは言え再結成されて、しかも日本にやってきて、しかも自分が観に(聴きに)行けるなんて、夢のような話だ。
27年前の初来日の時には、駆け出しで余裕のない時期だった。16年前の時には、バブルの後の後始末で、これまた余裕をなくしていた時期だった。じゃあ、今回余裕があるのかっていうと、別の意味で余裕がないんだけどね(苦笑)。
話しの流れ上関係ないけど、前回の来日の時には、南こうせつが前座を務めていたそうだ。
彼らが1964年にデュオを結成してから解散するまでに、たった6年間しか活動していないし、オリジナルアルバムは5枚しか出していない。誠に意外なことで、この短さと少なさが、彼らをさらに伝説のデュオにした。そして、最もすごいと思うのは、40年経った今でも、すべての曲が古さをまったく感じさせないということだ。もちろん、自分が大ファンだからそう思うのかもしれないけど、どの企画モノCDも順調に売れているというのは、今でも新しいファンを生み続けていることを物語っているのだろう。
【サイモン&ガーファンクル武道館追加公演チケットGET】
永遠にCDかせいぜいDVDの中で、憧れの存在で終わるものだと思っていたサイモン&ガーファンクルを生で観、感じるチャンスは、これが最後かもしれない。
しかし、来日公演の情報が流れた時は、躊躇していたんだ。
なぜかと言うと、会場がドームだったから。ビジネスでやってるんだから、観客数を稼いだほうがいいに決まっているんだけど、ドームは彼らのような繊細な音楽をやるところじゃあない。東京ドームで豆粒みたいな二人を見て、よくない音で聴いててもしょうがないなあ・・・・と思っていた。ドームコンサートが許せるのは、渡辺美里の西武球場公演と、ジュリーの東京ドーム公演と、マイケルジャクソンの福岡ドーム公演くらいだろう。そうそう、それと山本寛斎の東京ドーム「太陽の船」もよかったね。ドーム公演はやっぱりお祭り騒ぎじゃなくちゃ。

ある日の電車で「武道館にて追加公演決定」の中吊り広告を発見し、すぐに行く決意をした。武道館とくれば話は別だ。「行きます!絶対行きます!」状態。武道館こそ、ライブの最高峰。ここは今や聖地である。さっそくネットで申し込みを済ませたが、「抽選です」と・・・。でもボクは心配していなかったんだ。なぜって、理由は二つ。追加公演決定の発表があまりに遅かったことと、何と言ってもチケットが2万円と高すぎたこと。実際、S席の端の方は何ブロックか空いていた。どういう戦略なのかわからないけど、武道館公演こそ最初からメインに設定すべきなのに。あれだけのスタッフを動かしていくのに、武道館の追加公演を急遽決めるなんてあり得ない。もったいぶらずに早く出したほうがいいかもね。
【MSPにとってのS&G】
今年(2009年)の5月15日に、我がMSPの初めてのライブを赤坂のライブハウスで行った。90人のお客様に集まっていただいての熱気ムンムンのステージの余韻は、3ヶ月経った今でもボクの中から消えてはいない。一生の思い出として残るような気もしている。それくらい感動した。音楽って素晴らしいと再確認した。見ず知らずの90人の老若男女が、音楽でひとつになれる。演奏する方も参加するほうも、同じように翌日からの生きる元気をもらうことができた。音楽って素晴らしいと、何度でも叫びたい気持ちになったものだった。
さて、そのMSPの俗称515ライブは、100%日本の歌で構成された。
都合12曲の全てが日本語だった。これには分かりやすい理由があって、MSPの3人とも英語が比較的得意ではなく、当日までに英語の歌詞をマスターする自信がなかったという、その一点のみだったんだ。で、英語の曲として、当日のレパートリーの候補に上がっていたのは、当然のようにサイモン&ガーファンクルだった。
515ライブが決まってから、MとPで(Sは都合で来られず)、池袋のフォーク居酒屋で作戦会議兼練習をした。客が自由にステージで歌えるという居酒屋だ。ボクらは22才の別れ他、日本の典型的なフォークをそれなりにやっていたが、常連客とおぼしきデュオが、さり気なくサイモン&ガーファンクルのサウンド・オブ・サイレンスやスカボロフェアなんかを演っちゃっていた。これにはしびれた。カッコよかったんだ。二人で口にこそ出さなかったんだけど、頭の中では「絶対サイモン&ガーファンクルの曲を入れようぜ」と思っていたはずだ。Pの目は間違いなくそんな目をしていた。
そして迎えたライブでの曲目決定ミーティングの日。
3人がそれぞれやりたい曲を候補に上げて、片っ端から軽く演奏しながら、GOOD or NO GOODを決めていく。順調に選定は進み、いよいよS&G(2曲ほど候補になっていた)の曲に差しかかった。それなりにやってはみたが・・・・。みんなの頭の中に浮かんだことは「この状態をライブ当日までに仕上げるのは、ちょっと無理でないかい」というセリフ。なぜか北海道弁になっちゃってるけど。あまりの難易度の高さにおじけついたMSPであった。
言葉ってほんと便利だ。というか強がりの言葉ってあるよね。曰く「いい曲はこの次に取っておこうぜ」。かくして、当日の演奏曲から英語の歌は消えたのであった。
【2009年7月15日武道館公演の日】
(今野の記憶違いの部分があったらご容赦を)
(今野の記憶違いの部分があったらご容赦を)
☆開演前
そして、いよいよ、サイモン&ガーファンクル武道館公演の日はやってきた。
朝からどうにも落ち着かない一日を過ごした。仕事はちゃんとやっていたが、頭の中では明日に架ける橋が、スカボロフェアが、ミセスロビンソンが、ボクサーが、かかりまくっていた。(そんなんで、ほんとにちゃんと仕事をしていたと言えるのか・・・)。
池袋のフォーク居酒屋で盛り上がり、本番では候補曲から外さざるを得ず、涙を飲んだ、サイモン&ガーファンクルの曲を生で味わおうということで、今回はMSPのPと合流して武道館に向かった。

開演までまだ間があるというのに、心なしか興奮気味で、二人の口数はいつもに比べて恐ろしく少ない・・・。
まずは腹ごしらえをして余裕を持って演奏を味わおうということで、武道館敷地内のカフェに行くと、すでに長蛇の列だったが、興奮している二人に右往左往している余裕などあろうはずもなく、迷わず列に並んだ。普段ならこんな行列になど、絶対に並ばないボクなのに。
カレーを完食してイザ出陣直前の「P]

カレーを完食してイザ出陣直前の「P]
カレーとコーラという子供のようなオーダーをする。メニューを考える余裕もなく、それに、何しろ早く食べられるものにして、一刻も早く会場内に入りたい。19時までは始まることはないのはわかっているのに、気は逸るばかりだ。じゃあ、食べないで入ればいいじゃないかと言われても(誰も言っていないんだけど)、途中で空腹で意識がそっちへと向いて、ステージを100%味わえないのもそれはそれで困るわけで。気持ち的にはビールで乾杯といきたいところだが、公演の途中でトイレに行くなんていう愚を絶対に犯すわけにはいかないから、後の反省会までお預けだ。
なんだか中学生の日記のようになってしまった。

なんだか中学生の日記のようになってしまった。
☆オープニング~2人のソロコーナー前まで
(公演中は撮影禁止のため、途中の写真はイメージで、いくつかのサイトからお借りした)
10分ほど定刻より遅れて、武道館は暗くなった。
ライブのこの会場が暗転する時の気分はたまらない。期待感をいやがうえにも煽られる。
でも、次からは頼むから定刻どおりに始めてほしい。この逸る気持ちをどうしてくれるんだ。
オープニングフィルムが流される。昔の二人の映像には胸を熱くさせられる。
BGMが「アメリカ」だから、高揚感は最高潮になる。「僕は、アメリカを探しに来たんだ」「みんなアメリカを探しにやってきた」。キャシーという恋人とアメリカに新天地を求めてやってきた男の物語の歌だ。オープニング・フィルムのBGMにこれをもってくるなんて、なんてセンスだ。
フィルムの最後に現在の武道館が大写しになると同時に、暗闇に2人の形が浮かび上がる。観客の全員の頭に、今からもうサイモン&ガーファンクルの顔がくっきりと浮かんでいる。この人影が当の2人でなく、司会者かなんかだったら間違いなく暴動が起こるだろう(なこと、あるわけないだろう、と一人突っ込みの僕だった)。場内の期待はこれ以上ないほど最高潮だ。

あえて今日のセット(演奏曲目)を予習しないで臨んだ。新鮮な気持ちで聴きたいと思ったから。こんな大がかりなツアーで、会場によってセットを変えることはほとんど考えられないので、ドームでの曲などをネットで調べれば予習はすぐできるのだが・・・。
あくまでも静かに、期待感で興奮している観客に「みんな冷静に」とでも言っているように、「旧友(Old Friends)」が始まった。
2人によるあくまでも静かなスタートに、ボクは鳥肌がたっていた。オープニング・フィルムのBGMがアメリカしかありえないように、歌い出しもこの曲以外にありえない。
2人によるあくまでも静かなスタートに、ボクは鳥肌がたっていた。オープニング・フィルムのBGMがアメリカしかありえないように、歌い出しもこの曲以外にありえない。
今まで何度か解散し再結成を繰り返した。根底では絆で結ばれていながらも、音楽の方向性ではぶつかっていたという話。つかず離れずの2人の人生を考えると、オープニングに持ってきた深い意味があるんだろうと想像した。
旧友の歌詞の一節「今から何年も先、ひっそりと公園のベンチにすわる僕らの姿を想像できるかい?70歳になったら、どんなに妙な気がすることだろう」。70歳でどうなっているかわからないという歌詞の歌を、67歳の2人のミュージシャンが切々と目の前で歌っている。そのことだけで、感動しないほうがおかしいだろう。
「旧友」は、そのまま「ブックエンドのテーマ(Bookends Theme)」へと続いていく。
ボクが鳥肌モノだったのには、もうひとつ理由があった。実は旧友~ブックエンドのテーマが一番好きな曲だったからだ。前いた会社で、10年勤続、20年勤続者を表彰していたんだけど、表彰式のバックにこの曲をかけて、その人の入社時からの写真がステージのスクリーンに映し出されると、これはもう本人でなくても涙がこぼれたものだった。表彰式のBGMに迷わすボクはこの曲を選んだんだ。いつの日か、自分史を作る時のBGMはこの曲に決めている。
おっとこの調子で曲の解説をしていくと、どのくらい長くなるかわかったもんじゃないぞ。
先を急がなくちゃ・・・・。
「旧友~ブックエンド」の静かさの中で始まったステージは、「冬の散歩道(A Hazy Shade of Winter)」で一気にロックの世界に持ち込まれる。
ポール・サイモンは12弦ギターに持ち替えている。こういう曲を聴くと二人をフォーク・デュオと呼ぶのは違う気もするんだけど。こんなノリノリの曲なのに、ハモリの確かさは本当に素晴らしい。アート・ガーファンクルの練りに練られた複雑なハモリは誰にも真似ができない。ノリのいい曲なんだけど、歌詞は重い。人生を考えさせる歌なんだ。
ポール・サイモンは12弦ギターに持ち替えている。こういう曲を聴くと二人をフォーク・デュオと呼ぶのは違う気もするんだけど。こんなノリノリの曲なのに、ハモリの確かさは本当に素晴らしい。アート・ガーファンクルの練りに練られた複雑なハモリは誰にも真似ができない。ノリのいい曲なんだけど、歌詞は重い。人生を考えさせる歌なんだ。
そして、「アイ・アム・ア・ロック(I Am a Rock)」へと曲は続く。
ポール・サイモンの名曲だ。この歌の「ロック」を音楽のロックだと思っている人がいるけど、これは岩のこと。「ボクは岩、ボクは島。なぜなら岩は苦痛を感じないし、島は決して泣きはしないから」という歌詞で終わる。人生に悩んだ時期に書いた詩なんだろう。楽しげなリズムなのに、重い歌詞。ポール・サイモンの歌はいつもこうだ。彼はギターが下手だったら絶対に哲学者になっていたはずだ。「あの頃」に比べて、2人の声は確実に衰えている。アート・ガーファンクルはハスキーボイスに変わっているし、ポール・サイモンは高音が出なくなっているのを崩して誤魔化している。でもそんな2人の歌い方はポールの哲学的な詩に合っている。
年を取ったことを嘆く必要はないんだ。彼らはやっと自分達の歌に追いついたんだ。
そして、ステージは「アメリカ(America)」。
オープニング・フィルムで聴いていただけに、とても落ち着いた感じが出る。「みんなアメリカを探しにやってきたんだ」という最後のフレーズを丁寧に丁寧に歌い上げる。ガーファンクルの丁寧な歌い方が印象に残る。
続いて「キャシーの歌(Kathy's Song)」。
とってもかわいいラブソングだ。アルバムでもライブ版になっていて、歌い始まるとすぐに拍手が起こっていたけど、とても聴かせる歌だ。この日もガーファンクルは噛み締めるように歌いこんでいた。とにかく、生で聴くガーファンクルは一言一言噛み締めるように、言葉を愛おしむように歌う。ボーカリストとして大した力量の人だということを実感する。声の変化を補ってあまりあると感じた。
とってもかわいいラブソングだ。アルバムでもライブ版になっていて、歌い始まるとすぐに拍手が起こっていたけど、とても聴かせる歌だ。この日もガーファンクルは噛み締めるように歌いこんでいた。とにかく、生で聴くガーファンクルは一言一言噛み締めるように、言葉を愛おしむように歌う。ボーカリストとして大した力量の人だということを実感する。声の変化を補ってあまりあると感じた。
次は「ヘイ・スクールガール(Hey Schoolgirl)」。
これこそ、2人のデビュー曲。デビューの時トムとジェリーというバンド名だったのは有名な話だ。アート・ガーファンクルが、トム・グラフといい、ポール・サイモンはジェリー・ランディスという芸名で歌っていた。だから合わせてトム&ジェリーってわけだ。この曲の時のMCで、アート・ガーファンクルが「ジューゴサイ」と日本語で言って盛んな拍手を浴びていた。2人が11歳から一緒にやって、15歳の時に初めてレコーディングした話をしていたんだけど、ポール・サイモンはほとんど無口だったけど、アート・ガーファンクルは日本語でいっぱいサービスしていた。何しろデビュー曲が聴けてうれしかった。
これこそ、2人のデビュー曲。デビューの時トムとジェリーというバンド名だったのは有名な話だ。アート・ガーファンクルが、トム・グラフといい、ポール・サイモンはジェリー・ランディスという芸名で歌っていた。だから合わせてトム&ジェリーってわけだ。この曲の時のMCで、アート・ガーファンクルが「ジューゴサイ」と日本語で言って盛んな拍手を浴びていた。2人が11歳から一緒にやって、15歳の時に初めてレコーディングした話をしていたんだけど、ポール・サイモンはほとんど無口だったけど、アート・ガーファンクルは日本語でいっぱいサービスしていた。何しろデビュー曲が聴けてうれしかった。
次は、「ビーバップ・ルーラ(Be Bop-a-Lula)」だ。
なんと、こんなのも歌うんだ。ジーン・ビンセントのリーゼントを思い出す。「ビーバップなルーラはおいらの愛するベイビーだ」って歌詞の、およそ二人には似合わない歌なんだけど、きっと好きだったんだろうね。この日は、エバリー・ブラザーズのバージョンのカバーだった。2人はエバリー・ブラザーズのハーモニーの影響をきっと受けているんだろう。意外性があって、それなりに楽しめた。

なんと、こんなのも歌うんだ。ジーン・ビンセントのリーゼントを思い出す。「ビーバップなルーラはおいらの愛するベイビーだ」って歌詞の、およそ二人には似合わない歌なんだけど、きっと好きだったんだろうね。この日は、エバリー・ブラザーズのバージョンのカバーだった。2人はエバリー・ブラザーズのハーモニーの影響をきっと受けているんだろう。意外性があって、それなりに楽しめた。
そして、ボクとP(このPはポールのPじゃなくて、MSPのP)が待ちに待った、「スカボロー・フェア(Scarborough Fair)」だ。
これだ!これこれ!このギターに悩んだんだよねえ。これは最も2人らしいハーモニーの曲。ガーファンクルの高音はちょっとハスキーで、当時と同じというわけにはいかないんだけど、頑張って音程を保っていて、安心して聴くことができる。最初はかすれ気味に感じたんだけど、どんどん艶が戻ってくるからすごい。会場からため息が聞こえるような錯覚。なんとバックの演奏ではチェロを使っていた。これには驚いたけど、これが驚くほどピッタリなんだ。
これだ!これこれ!このギターに悩んだんだよねえ。これは最も2人らしいハーモニーの曲。ガーファンクルの高音はちょっとハスキーで、当時と同じというわけにはいかないんだけど、頑張って音程を保っていて、安心して聴くことができる。最初はかすれ気味に感じたんだけど、どんどん艶が戻ってくるからすごい。会場からため息が聞こえるような錯覚。なんとバックの演奏ではチェロを使っていた。これには驚いたけど、これが驚くほどピッタリなんだ。
「早く家に帰りたい(Homeward Bound)」。これはバンドメンバーが思いっきりはじけて演奏していた。バンドのよさが出る曲だ。今回のバンドメンバーは、ちょっと緩さは目立つ(生意気でごめん)けど、皆うまい。とにかく多才だ。2人にも当然感動したんだけど、バック・ミュージシャンの奮闘振りにもかなり感じるものがあった。緩いというのは、皆ベテラン過ぎるので、勝手にノリノリで、2人への配慮に欠ける(勝手に突っ走る)時があるってこと。
ここで場が一転。映画「卒業」の場面がスクリーンに映し出される。あらら、休憩かな?
と思ったら、なるほど!!「卒業」と言えば、「ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)」。
ラストを除けば、この日一番の盛り上がりかも。そりゃそうだ。「卒業」でブレイクしたということもあるし、とっても盛り上がる曲だと改めて感じた。とっても難しいハーモニーを難なくこなす。
ラストを除けば、この日一番の盛り上がりかも。そりゃそうだ。「卒業」でブレイクしたということもあるし、とっても盛り上がる曲だと改めて感じた。とっても難しいハーモニーを難なくこなす。
誰でも知っている有名な曲が続いたところで、「スリップ・スライディン・アウェイ(Slip Slidin' Away)」。
ここに、ポールのソロの曲をはさんできたかあ。ちょっと地味な曲。地味と言うと怒られるけど、演奏はいたってシンプルで、ポール・サイモンの淡々としたボーカルが渋い曲だ。こういうポール・サイモンの渋系の曲は癖になる。1981年9月のセントラルパークでの50万人以上を集めたという再結成コンサートで歌われたことで有名な曲だよね。
ここに、ポールのソロの曲をはさんできたかあ。ちょっと地味な曲。地味と言うと怒られるけど、演奏はいたってシンプルで、ポール・サイモンの淡々としたボーカルが渋い曲だ。こういうポール・サイモンの渋系の曲は癖になる。1981年9月のセントラルパークでの50万人以上を集めたという再結成コンサートで歌われたことで有名な曲だよね。
そして、ソロタイムに入る前のラストの曲に選ばれていたのが、「コンドルは飛んで行く(El Condor Pasa)」だ。
ポール・サイモンのソロの曲などでは静かになる観客が、こういうメジャーな曲では一気にヒート・アップする。当たり前なことだけど、ちょっと寂しい。万人受けしないほうにたくさんのいい曲があるのに。特にアート・ガーファンクルのソロはもっと見直されていいんだと思う。あらら、ちょっと先走ったことを書いてしまった。
ポール・サイモンのソロの曲などでは静かになる観客が、こういうメジャーな曲では一気にヒート・アップする。当たり前なことだけど、ちょっと寂しい。万人受けしないほうにたくさんのいい曲があるのに。特にアート・ガーファンクルのソロはもっと見直されていいんだと思う。あらら、ちょっと先走ったことを書いてしまった。
何しろ、コンドルは飛んでいくは味わえた。とにかく、このバンドメンバーのマルチプレーぶりには舌を巻く。リコーダーや、ウッドべースまで登場(記憶違いかな?ここでウッドベースだったと思うんだけど)。アンデス地方の音楽をフォルクローレと言うんだけど、武道館は、すっかりフォルクローレに浸りきった。
☆2人のソロ・コーナー
さて、ここからアート・ガーファンクルのソロが3曲続く。その後でポール・サイモンも3曲。この15分ずつは、交代で控え室で喉を潤す時間だ。
「ブライト・アイズ(Bright Eyes)」は、某アニメ映画の主題歌になった曲なんだけど、メチャメチャきれいな曲で、この日の演奏も抜群。
そしてアート・ガーファンクルのハイトーンが冴えていた。最高だ。ボクは残念ながら聴いたことはないんだけど、井上陽水もカバー(某アニメ映画の日本版の主題歌を陽水が歌っている)しているんだとか。すごく聴いてみたい。
そしてアート・ガーファンクルのハイトーンが冴えていた。最高だ。ボクは残念ながら聴いたことはないんだけど、井上陽水もカバー(某アニメ映画の日本版の主題歌を陽水が歌っている)しているんだとか。すごく聴いてみたい。
特別大サービスで、you tubeから『Bright Eyes』を。ぜひ聴いてみてね。
2曲目は、「ハート・イン・ニューヨーク(A Heart in New York)」だ。
ポールのSlip Slidin' Away同様、これもセントラルパークの再結成コンサートに入っていた。本当に高音が美しい。曲の内容から言っても、セントラルパーク・コンサートにはピッタリだったんじゃないだろうか。アート・ガーファンクル、絶好調だ。どんどん声が出てくるような気がする。当時アート・ガーファンクルは「しょせん、ポール・サイモンと一緒だからやっていける」的に言われたもんだったけど、全然違う。このボーカルは一級品、特級品だ。今回の一番の収穫は、ボクがアート・ガーファンクルを見直したことだろう。
またまた、特別サービスに、you tubeから『A Heart in New York』を。聴いてみてね。

アート・ガーファンクルのソロの最後は「パーフェクト・モーメント(Perfect Moment)」。
ソロアルバム『心の散歩道』から。絶対このアルバムは入手しなくては、と思わせられた。
そして、ポール・サイモンのソロが3曲。
「ボーイ・イン・ザ・バブル(The Boy in the Bubble)」
「グレイスランド(Graceland)」
この2曲は、いずれもソロ・アルバム「グレイスランド」からの曲だ。リズムの心地よさは最高。ポール・サイモンは、時折高音が出にくい感じなんだけど、徐々に調子を上げて心地よさを楽しんでいるようだ。ソロ・コンサートでも組んでいるバンドなんだろうか。バンドの人たちも自然で気持ちよさそうな演奏をしていた。
ポール・サイモンのソロの最後は、「時の流れに(Still Crazy After All Years)」。
この曲がタイトルのアルバム「時の流れに」は、グラミー賞を受賞、しかも同じアルバムで2年続けて受賞という快挙を成し遂げている。さすがに名曲だ。ポールの好みなんだろうけど、フォークロックというより、AOR。渋みのあるボーカルが、正に大人の歌を感じさせる。間奏のサックスがとてもよく歌っていた。

☆再びサイモン&ガーファンクル~アンコールの前まで
再び、サイモン&ガーファンクルに戻って、「ニューヨークの少年(The Only Living Boy in New York)」だ。
しばらくポール・サイモンだけが歌っていて、「あれれ、またソロなのかな?」と思わせるんだけど、途中からコーラスでアート・ガーファンクルが入ってくる。しかし、どこかぎこちない、寂しい感じがするのは気のせいだろうか。
しばらくポール・サイモンだけが歌っていて、「あれれ、またソロなのかな?」と思わせるんだけど、途中からコーラスでアート・ガーファンクルが入ってくる。しかし、どこかぎこちない、寂しい感じがするのは気のせいだろうか。
この曲は、解散寸前のサイモン&ガーファンクルをそのまま表現したものだから。
「Tom, get your plane right on time I know your part'll go fine~」という歌詞から始まる。「トム、飛行機に乗り遅れるなよ。君の仕事はうまい事いきそうだね」と、メキシコに映画の撮影に行ってしまった、アート・ガーファンクルへの思いをぶつけている。「Half of the time we're gone but we don't know where And we don't know where」「僕らは、まだ道半ばなのにどうなってしまうんだろう?どこに向かえばいいんだろう・・」という歌詞が泣かせる。
この曲の翌年、2人は解散の道を選ぶことになる。この日の演奏は、アート・ガーファンクルの美しいコーラス(バンドメンバーと一緒だったが、やはりアート・ガーファンクルの声は抜きん出ていた)が印象的で、よけいに感じ入るものがあった。
特別サービスで、ポール・サイモンがギター一本で軽くやっている、『TV番組バージョン』を。これも好きだなあ。
そしてステージは、「マイ・リトル・タウン(My Little Town)」へと続く。
この曲は解散後のコラボなんだけど、「ニューヨークの少年」から「マイ・リトル・タウン」へのつながりは、ストーリーを持った演出なのかなあと感じさせた。ピアノ低音部をまるで打楽器のように使用した印象的なイントロが力強い。この曲は、元々ポール・サイモンがアート・ガーファンクルのために書いた作品。アート・ガーファンクルは、中間部分はハーモニーにしたほうがよい、と提案したらしいんだけど、いかにもサイモン&ガーファンクル然とした、複雑なハーモニーに大満足。メロディーは明らかにポール・サイモンがソロになった後の変化を感じさせる(転調あり、凝ったメロディーあり)。2人それぞれのソロ・アルバムに収録されているんだけど、ポールとアートそれぞれのシングルバージョンがあって当時のB面には各々のバージョンの作品が納められていたという話し。
この曲は解散後のコラボなんだけど、「ニューヨークの少年」から「マイ・リトル・タウン」へのつながりは、ストーリーを持った演出なのかなあと感じさせた。ピアノ低音部をまるで打楽器のように使用した印象的なイントロが力強い。この曲は、元々ポール・サイモンがアート・ガーファンクルのために書いた作品。アート・ガーファンクルは、中間部分はハーモニーにしたほうがよい、と提案したらしいんだけど、いかにもサイモン&ガーファンクル然とした、複雑なハーモニーに大満足。メロディーは明らかにポール・サイモンがソロになった後の変化を感じさせる(転調あり、凝ったメロディーあり)。2人それぞれのソロ・アルバムに収録されているんだけど、ポールとアートそれぞれのシングルバージョンがあって当時のB面には各々のバージョンの作品が納められていたという話し。
特別大サービス。なんとこの画像は、今回のオセアニア・アジアツアーの一環でシドニーでやったばかりの映像。だから、日本公演のステージとそっくり同じ(二人の息は武道館でのほうが合っていたし、コーラスもきれいに感じたなあ)マイ・リトル・タウンに続けて、メドレーのような感じで、最後の曲の明日に架ける橋のピアノが始まる様子が入っている。
マイ・リトル・タウンが終わると間髪入れずに、聞き覚えのあるピアノの音が武道館に響く。とたんに場内の空気が締まる。「明日に架ける橋(Bridge Over Troubled Water)」である。
武道館全体がこの曲の登場を待っていたかのように、一気にはじけた。拍手の嵐。一番をアート・ガーファンクルが歌い、2番をポールが歌う。本来アート・ガーファンクルがメインの歌なんだけど、譲り合って気を使っている様子が見えた。ポール・サイモンの崩した歌い方が新鮮だったけど、やっぱりこの曲はアート・ガーファンクル。最後の歌い上げのロングトーンは、本当に鳥肌が立った。ここで一斉にスタンディング・オベーション。2人の代表曲がこの曲であることが証明される。
拍手はいつまでも鳴り止まない。

☆アンコール1回目
武道館全体がこの曲の登場を待っていたかのように、一気にはじけた。拍手の嵐。一番をアート・ガーファンクルが歌い、2番をポールが歌う。本来アート・ガーファンクルがメインの歌なんだけど、譲り合って気を使っている様子が見えた。ポール・サイモンの崩した歌い方が新鮮だったけど、やっぱりこの曲はアート・ガーファンクル。最後の歌い上げのロングトーンは、本当に鳥肌が立った。ここで一斉にスタンディング・オベーション。2人の代表曲がこの曲であることが証明される。
拍手はいつまでも鳴り止まない。
☆アンコール1回目
静かなギターから「サウンド・オブ・サイレンス(The Sound of Silence)」 が始まる。
この曲を聴かないで帰ることになるんだろうか、と思っていたら・・・・・来た来た来た~~って感じだ。個人的には明日に架ける橋よりも待ち望んでいたMSPライブの演奏候補だった曲。特別の思いを持って聴いていた。
この曲を聴かないで帰ることになるんだろうか、と思っていたら・・・・・来た来た来た~~って感じだ。個人的には明日に架ける橋よりも待ち望んでいたMSPライブの演奏候補だった曲。特別の思いを持って聴いていた。
続けて「ボクサー(The Boxer)」だ。
この曲もやはり欠かせない。名曲をアンコールに残してくれていた。言わずと知れた彼らの最後のアルバム「明日に架ける橋」に入れられた曲。本当に美しい曲なんだけど、売れない時代の複雑な心境を歌った歌詞で、ポール・サイモンらしい曲だ。それにしてもどうしてこんなハモリができるんだろう。最後のライラ-ラ-ラララ-のところは、思わず口ずさんでしまう。思わず涙がこぼれそうになる。なぜか、世の中の若い衆頑張れよって言いたくなる。
☆アンコール2回目
☆アンコール2回目
再び登場してからは、「木の葉は緑(The Leaves That Are Green)」。
ポール・サイモンのギター1本で2人きりだ。テンポのいいスリー・フィンガーが響く。2枚目のアルバム「サウンド・オブ・サイレンス」に入っている、初々しさの感じられる曲。こういう素朴な、普通のフォーク・ソングが好きだなあ。ポールの若い頃の失恋を歌った歌だ。アート・ガーファンクルのハモリがどこまでも冴えている。なんだかホッとする。サイモン&ガーファンクル健在だ。
バンドがスタンバイしていて、続けて2曲やってくれた。「いとしのセシリア(Cecilia)」だ。
陽気なラブソング。わかりやすいラブソングだ。終わるのを惜しむように会場の手拍子が力強くなる。ラテンの雰囲気のあるこの曲で武道館は一体になった。
終わると、ポール・サイモンとアート・ガーファンクルの順で分担して、バンドメンバーの紹介がされた。ほんとに多才で素晴らしいメンバーだった。会場から惜しみない拍手が送られる。
メンバー紹介が終わっても、拍手は鳴り止みそうもない。なんと再び「いとしのセシリア(Cecilia)」だ。
最後は明るく終わりたいよね、って話し合ったのか、それともポール・サイモンが好みで押し切ったのか。この公演でいくつか残念なことがあるとしたら、この曲が最後の最後ということかもしれないなあ。マイ・リトル・タウンをもう一度やって、新しい2人として終わるか、ボクサーをもう一度やって不遇時代の熱い思いを叩きつけて終わって欲しかったというのが個人的な思いだ。

☆終演後
最後は明るく終わりたいよね、って話し合ったのか、それともポール・サイモンが好みで押し切ったのか。この公演でいくつか残念なことがあるとしたら、この曲が最後の最後ということかもしれないなあ。マイ・リトル・タウンをもう一度やって、新しい2人として終わるか、ボクサーをもう一度やって不遇時代の熱い思いを叩きつけて終わって欲しかったというのが個人的な思いだ。

☆終演後
武道館を後にした、ボクとPは、反省会なしに帰宅する気には到底なれず、足は九段下を曲がって飯田橋方面の飲み屋へと向かうのであった。
とあるビルの地下にある、まったくもって商売気のない和食屋さんで、あまり新鮮とも言えず、もうちょっと上手に料理できるんじゃないの?という鮎と、なんか久々にマズイ生ビール飲んだよねという感じのビールで乾杯しても、まったく不満に感じないほど充実した気持ちでいた。
次回のMSPライブに果たして、サイモン&ガーファンクルの曲は演奏されるのか?
その日の2人にとってタブーの話題でもあるかのように、そのことにまったく触れることなく反省会は終わり、帰路に着いたのだった。
☆当日のセット・リストはこちら
1 旧友(Old Friends)~ブックエンドのテーマ(Bookends Theme)
2 冬の散歩道(A Hazy Shade of Winter)
3 アイ・アム・ア・ロック(I Am a Rock)
4 アメリカ(America)
5 キャシーの歌(Kathy's Song)
6 ヘイ・スクールガール(Hey Schoolgirl)
7 ビーバップ・ルーラ(Be Bop-a-Lula)
8 スカボロー・フェア(Scarborough Fair)
9 早く家に帰りたい(Homeward Bound)
10 ミセス・ロビンソン(Mrs. Robinson)
11 スリップ・スライディン・アウェイ(Slip Slidin' Away)
12 コンドルは飛んで行く(El Condor Pasa)
アート・ガーファンクルソロ
13 ブライト・アイズ(Bright Eyes)
14 ハート・イン・ニューヨーク(A Heart in New York)
15 パーフェクト・モーメント(Perfect Moment)
ポール・サイモンソロ
16 ボーイ・イン・ザ・バブル(The Boy in the Bubble)
17 グレイスランド(Graceland)
18 時の流れに(Still Crazy After All Years)
19 ニューヨークの少年(The Only Living Boy in New York)
20 マイ・リトル・タウン(My Little Town)
21 明日に架ける橋(Bridge Over Troubled Water)
アンコール1回目
22 サウンド・オブ・サイレンス(The Sound of Silence)
23 ボクサー(The Boxer)
アンコール2回目
24 木の葉は緑(The Leaves That Are Green)
25 いとしのセシリア(Cecilia)
26 いとしのセシリア(Cecilia)
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