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ビジネスセミナー 『アメリカで学んだ「人を支えるビジネス」』

イメージ:アメリカで学んだ「人を支えるビジネス」

今回は、「語る(経営者Interview Vol.115)」にご登場いただきました株式会社ジーエスアイ 代表取締役の橋爪謙一郎氏にご講演いただきました。 橋爪氏には、アメリカで学んだ「人を支えるビジネス」という題材で、橋爪社長が実際にアメリカで体験したことを始め、起業当時のことや事業にかける思いなどを熱く語って頂きました。

開催日 2011年2月2日(水) 講演者 株式会社ジーエスアイ 代表取締役 橋爪謙一郎 氏 経営者略歴
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ビジネスセミナーレポート

今回の集う、講演テーマは『アメリカで学んだ「人を支えるビジネス」』。

当日の講演内容をダイジェストでお届けいたします。

■ エンバーミングとの出会い

北海道千歳市で葬儀会社を営むご両親の元に生まれた橋爪社長。
小学生の頃から家業のお手伝いをしていたものの、
葬儀の仕事に対していい印象がなく、
葬儀の仕事の意味が正しく理解できなかったそうです。

長男ではありましたが、大学卒業後、
家業を継ぐことを選択せず、ぴあ株式会社へ入社。
会員事業部に半年所属し、その後、
当時から花形であったチケット事業部へ異動。

たくさんの経験をし、日々、全力投球で仕事をされてきたようですが、
自分がどんなに頑張ってもアーティストパワーという評価を受けることも…

この仕事は、誰にでもできる仕事じゃないかと思っていた矢先、
お父様からアメリカへ「エンバーミング」を学びに行かないか?
と持ちかけられたそうです。

はっきりとはわからない可能性を感じ、
エンバーミングを学ぶためアメリカへ渡米されました。

~ エンバーミングとは ~
ご遺体の修復・化粧、殺菌・消毒、防腐処置などを行う、その一連の技術


■ アメリカでの毎日はすべてが驚き

アメリカには葬儀のプロを育てる大学があり、
ライセンスを取得しなければ遺族の相談にも乗れない社会。
大学では、ライセンスに受かる見込みがない人は、
卒業させない、進級さえできないという非常に厳しいところ。

日本では、誰でも葬儀のプロデュースができてしまうが、
アメリカはそうではなく、
葬儀の意味や価値などを遺族にしっかりと
伝えることができるプロフェッショナルを育成することこそが、
消費者保護・遺族の本当のケアになるということが確立されているそうです。

大学では、こうしたプロフェッショナル育成についての
ベースとなる考え方を遥かに超えるほどのカリキュラムの量と内容、
そして、教科書などない状況、授業に参加する容姿が問われる、
かつ積極的に授業に参加しなければ欠席扱いという習慣に
本当に苦労されたようです。

実際、休日・休暇などないほど勉強の毎日。
自分の背丈と同じ高さになるであろうくらいの書籍の数々を読み、
必死に勉強されたようです。

最終的には、主席にて卒業をされ、その後、大学院へ進み
より詳しくグリーフサポートについて勉強をされています。

~ グリーフサポートとは ~
遺族の心のケア
(遺族の方が押さえ込んでいた感情や行動・思考を「自分らしく」表現できるように寄り添い、支えること)


■ アメリカの大学で言われ続けたこと

・知識を学ぶことの重要性は、
知識の量を増やすことではなく、
「変化」に対応できる「考える」力を身につける為であること。

・自分たちはお客様を選ぶことはできない。
だからこそ、知識を活かし、
小学生でも理解できる様に説明できなければプロではないこと。

これらのことは、
今でも自分の中に生き続けている教訓のようなものである
とおっしゃっていました。

■ アメリカの有能なディレクターが持つべき4つの能力

1. 卓越したコミュニケーション能力
2. カウンセラー(心のケア)
3. イベントプランニング力(企画力)
4. 危機管理能力

橋爪氏は、上記の能力は他の仕事でも一緒であり、
どんな業種でも職種でも必要な能力ですよねとおっしゃっていました


日本では葬儀関係のお仕事が
下に見られる傾向があるけれども、
アメリカではライセンスと能力がある
ディレクターが遺族と関わるため常に自分たちを高め、
誇りを持ち仕事をしています。

もちろん下に見られるどころか尊敬される存在のようです。
あまりにも日本とギャップがあり、衝撃を受けたようです。

アメリカでの生活は、
本当に大変なことも多かったようですが、
葬儀業としてだけではなく、
プロフェッショナルとはどうあるべきか、
また、プロ育成の過程からプロとしてお金を頂くまでの
間にもしっかりと形成しなければならない意識や
認識などがあることを、橋爪氏を通して教わりました


■ 日本に前人未到のビジネスを作るために始めたこと

橋爪氏は、企業前に大前研一のアタッカーズ・ビジネススクール(ABS)
に通われたそうです。
やはりアメリカで実践してきたものが、
日本でうまくいくかどうか解らないという不安や
成功の確立をあげたい・仲間を作りたい、
そして、大前さんのコンサルを受けたいという思いがあったようです。

60人中3人が大前さんのコンサルを受けることができ、
なんの根拠もなく、自分は絶対にコンサルを受けるんだ
という思いを持っていたら本当に3人のメンバーに選ばれたそうです。

とはいえ、大前さんは
「こんな仕事あるんだ~知らなかったよ。
今、葬儀社のコンサルしているから今度連絡するよ」
と言い7年が経ちました、と笑い話をされて会場を賑わせました


2004年に株式会社ジーエスアイを設立。
NPOや社団法人ではなく会社化したことには意味があり、
日本では新しいことゆえに理解や賛同を得ることが難しく、
自分の会社として運営することによって
橋爪氏が大切にしている考え方や信念・軸などを
ぶらされることなく貫くためだそうです


ABSにて始めて書いた事業計画書というのが、
現在の事業のベースとなっており、
すべての葬儀が遺族の心のケアを行う
という見地からサービスを提供するような
「葬儀に特化したトータルライフサポート事業」
の実現を目指しています。

現在は、エンバーミング事業の他、
グリーフサポート事業として遺族サポートを目指す人材の育成、
葬祭関連会社や宗教家向けの研修や講演会にも精力的に取り組まれています。

「葬儀に特化したトータルライフサポート事業」
の実現には、グリーフサポートネットワークを広め、
強固にしていく必要があるとおっしゃっていました。

死別が心理的な影響だけでなく、
身体的な健康、人間関係、仕事などに影響を与えています。
実際は、その事実が知られていないことが多く、
だからこそ、いわゆるご遺族への支援を提供する事業・
人材(医療・葬儀社・弁護士などなど)
が単体化していては
本当のグリーフサポートは実現できない。

グリーフの仕組みを理解し、しっかりとしたネットワークを構築し、
継続できる仕組みを作るため日々奮闘されています


■ 起業後に体験した壁と見つけた答え

橋爪氏は90名くらいのエンバーマー(エンバーミングを施す人)を
育て世に送り出してきました。

しかし、業界内には蔓延る思い込みがあり、
なかなか橋爪氏が伝えていることが受け入れられなかったようです。

さらに、自分一人でできることの限界や、
グリーフケアを必要としている人に
自分の存在やサポートの仕組みなど情報を届けられなかったこと、
自社社員にも新しいことなので伝えにくかった
というような苦労が数々あったようです。

その経験の中から気付いたことは、
1回でわかってもらおうとせず、
かつ、こちら側の思い込みを捨て解りやすく伝え続けること、
そして、一人では限界があるので見て覚えろという教え方ではなく
きちんと教育し育て続けること、
自らが学び続けること、何に関しても諦めないことだそうです。

実際に、あきらめないことということを企業理念に入れており、
社員にきちんと自分の思いや信念などを理解してもらうのに
5年近く掛かったようです。
その間、方向性が合わず辞めていってしまう社員も多かったようですが、
現在の社員は同じものを目指していける仲間が集まっていますと、
とても素敵な笑顔でおっしゃっていました


橋爪氏のお話は、
なかなか接点がない業界のように思えますが、
そうではなく誰にでも訪れることであり、
非常に興味深く聞き入ってしまう講演でした。
また、橋爪氏のアメリカでの体験談や会社設立時に
体験した壁とそれに関する見つけた答えなど、
ソフトな口調ではあるものの熱いトークをしてくださいました。
懇親会でも橋爪氏と参加者の名刺交換は終始行われ、
橋爪氏の書籍もたくさんの方に購入して頂き、
今回もまた素敵な会となりました。


経営者略歴

株式会社ジーエスアイ 代表取締役
橋爪謙一郎

1994年に渡米。ピッツバーグ葬儀科学大学卒業後、フューネラルディレクター国家試験に合格、さらにジョン F .ケネディ大学大学院にてグリーフケアに関する修士号を取得。2年間のインターンシップを経てカリフォルニア州エンバーマーライセンスを取得し、2001年に帰国。日本におけるエンバーマー育成に力を注ぎ、また葬祭関連業者向けコンサルティングや講演を精力的に行う。葬祭業における実務経験と知識を持つ、グリーフサポートおよびエンバーミング普及の第一人者。 カリフォルニア州エンバーマー (ライセンスEMB 8712) フューネラルディレクター(全米国家資格) 日本トランスパーソナル学会 理事

橋爪氏の経営者インタビューはこちら

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