繋ぐ:ビジネスマッチング



 野津社長のインタビューを読む
   株式会社インディソフトウェア
   http://www.indi.co.jp/


 和田社長のインタビューを読む
   Xarts株式会社
   http://www.xarts.jp/





第6回対談
 日本プランニングスタッフ株式会社
              小林隆社長
 株式会社メイプルリビングサービス社
              加藤照美社長
第5回対談
 株式会社インディソフトウェア
              野津幸治社長
 Xarts株式会社
              和田昌之社長
第4回対談
 株式会社コラボレット
              岡崎真社長
 サイバーナビ株式会社
              山崎慎也社長
第3回対談
 東京メトロポリタン税理士法人
              北岡修一代表
 武蔵野労務行政事務所
              猶木貴彦代表
第2回対談
 株式会社神原 神原令子社長
 株式会社リベント 三上力央社長

第1回対談
 株式会社ユニックス 水島達也会長
 ベレックス株式会社 八藤浩志社長
             
 
今回で5回目となる「繋ぐ」では、株式会社インディソフトウェア 代表取締役社長の野津幸治氏とXarts(エクスアーツ)株式会社 代表取締役 和田昌之氏の対談を2週にわたりお届けしていします。

株式会社インディソフトウェアは、より楽しく、より便利で、そして快適な価値あるソフトウェアの創造を目指し、PS3、PS2、NintendoDS、モバイル、オンラインをベースとしたゲームソフトウェア企画開発事業、そしてWEB系のシステム、コンテンツ、Flashの企画開発を行う企業向けのソリューション事業を展開しています。最近では、"アドバゲーム"という広告とゲームを組み合わせた新しい広告手法を推進中です。

Xarts株式会社は、WEB開発・ビジネスプロデュースのITベンチャー企業。人材業界出身の和田社長率いる同社の最大の特徴は、技術者やクリエイターのキャリア形成を第一に考えたビジネスを展開していること。最近では、クリエイター専用の求人SNSサイト『アニクル』を自社で開発し、クリエイターと企業の出会いの場を提供、日本のアニメ業界を活性化させるために奮闘中です。

今回の「繋ぐ」では、そんなエンターテインメント業界におられるお二人に、組織運営から業界における課題について語り合っていただきました。

  第5回A 「エンターテインメント業界の若手経営者を繋ぐ」
株式会社インディソフトウェア 野津幸治社長 × Xarts株式会社 和田昌之社長
新しいものを生み出したいというパッションをお持ちでも、お二人のアプローチ方法に微妙な違いがあって面白いですね。話はかわりますが、お二人がエンターテインメント業界に入られたきっかけを教えてください。

野津社長  私は大の漫画、ゲーム好き。漫画は小学生の頃から読み始め、少年雑誌に加え、妹の影響で「別冊マーガレット」や「りぼん」、「花と夢」などの少女コミックにも手を出していました。少女コミック は画が綺麗で描写も細かく、スーッと世界に入り込むことができたんですね。『王家の紋章』や『ガラスの仮面』は今でも自分のなかでお気に入りです。将来は外交官になりたいと真剣に考えていたのも、少女コミックの影響でした(笑)。

高校時代になるとファミコンが登場し、ゲームの世界にも足を突っ込むようになりました。アルバイトで稼いだお金をゲームソフトに注ぎ込み、寝る暇を惜しんでゲーム三昧の日々を過ごしていました。

本格的にゲームの世界で生きることを決意したのは、大学時代のアルバイト先で都市経営シュミレーションゲーム『シムシティ』に出会ってから。『シムシティ』は、都市経営シュミレーションゲームで、プレイヤーが市長となって街を繁栄させていくというもの。未開地に住宅・商業・工業地区を指定したり、インフラの整備、犯罪や公害、交通渋滞など都市の抱える諸問題への対応など、リアルな社会が凝縮されている点が魅力でした。実際にプレイして思ったのが「とにかくこれは面白い」ということと、「俺もこんなゲームを作りたい」ということ。今までにない手法を凝らしたものでしたから、ゲーム好きの心をくすぐられまして。その後、経営シュミレーションゲーム『財閥銀行』の制作にもかかわらせていただき、リクルートへ入社後はソフトウェアのマーケティング担当ということで、ゲーム道を一直線で歩んできたというわけです。まあ、所謂ゲームオタクということですね。

和田社長  私は野津社長のような一貫性はなく、将来の夢はコロコロ変わっていました。小学生時代にファミコンが発売され、世界的にヒットした『ドラゴンクエスト』の世界に魅了され、将来はゲームクリエイターになろうと思ったり。その後『ファーブル昆虫記』に感動して虫博士になりたいと思ったり、本好きでしたから小説家を夢見たり。ある時は映画に感動したことから監督を志し、シナリオを自分で書いたこともありました。

中学時代は不登校児で昼夜逆転の生活。夕方頃に起きてはアニメの再放送を観て、その後深夜ラジオを延々朝まで聞き、太陽が昇ると同時に布団に入るような生活を送っていました。その時代は将来声優になりたいとも思っていましたし、総じてインドアな子供というか、クリエイティブなことに携りたいと考えている子供でしたね。

ゲーム、アニメの魅力はどんなところでしょう?

野津社長
 やはり人を楽しませられること、人に何か気づきを与えられるメディアであることだと思っています。

ゲームをネガティブに捉える方もいますが、人がゲームに向き合う時、人は能動的になります。テレビを観ることとは少し違い、ユーザーがコントローラーを持ち、ボタンを押さないとゲームストーリーが展開されないので、ユーザーの何かしらのアクションが必要なのです。ユーザーはゲーム主人公を自分に置き換え、期待感を持って世界に入り込んでくる。

期待感で満ち溢れているユーザーを前に、僕たちも真剣勝負を挑んでいかなければならない。ユーザーはゲームを通じて色んな感じ方をします。だから「ユーザーにこう思ってほしい」と一方的な気持ちではなく、ゲームを通じて何かを感じてくれたら嬉しいですし、また何かに気づき行動に移してくれたらもっと嬉しい。そのためのヒントをゲームのなかにどれだけ入れ込めるかというのが僕たちの楽しみでもあります。

うちの代表作、街づくりシミュレーションゲーム『街ingメーカー』は、コンセプト練りに多大なる時間と労力をかけました。プレイヤーが街を作り上げることをテーマにしたゲームですが、プレイヤーは何にモチベーションを感じるかということを徹底的に議論しました。「自分の作った街を人に評価されたいのではないか」、「ゲームの中での『評価』とは何だろうか」「人から『ありがとう』って言われことにモチベートされるんじゃないか」そんな話から、最終的に行き着いたのは「プレイするなかでゲームに登場するキャラクターから『ありがとう』を沢山言われることで、街が発展していく」ゲームにすること。人から「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになる人はいませんよね?そして、プレイ中に自然と人に会いたくなる要素を入れたいと思っていました。ゲームの中でキャラクターに出会い、会話を通じて仲良くなり、キャラクターからのリクエストに応じることで「ありがとう」を貰う。「ありがとう」を言われる度にプレイヤーの人気度があがり、信頼度もぐっと上がっていく。それによって街が発展していくというコンセプトが固まったのです。

このゲームは、ある意味社会に勝負を挑んでいるようなところもありました。どういうことかというと、当時はゲームに対する社会の見方が非常にネガティブで、"ゲーム脳"という言葉が生まれるほどゲームが人間の脳に及ぼす悪影響が問題になっていたからです。だからこそ、ゲームに対するポジティブな要素を植えつけたかった。ゲーム発売後に送られてきたアンケートには「思わず、友達に電話しちゃいました」とか、「思わず実家へ電話をかけました」という内容も多かったんです。

和田社長  そういったユーザーからの嬉しい声こそが、物をつくる側の醍醐味ですよね。

野津社長  本当ですね。丁寧に想いを込めて作ったものを、ユーザーが非常に喜んでくれる。自分たちが情熱をかけているのは、ユーザーの喜ぶ顔を追い求めているからともいえますね。

和田社長  私の話をさせていただくと、空を飛べたらいいなとか、自分が王女様を助けに行けたら面白いなとか、そんな非現実的な夢を膨らませるとか、夢を見させてあげられることがアニメの魅力だと思っています。登場人物の行動にハラハラドキドキしたり、共感したり、自分の人生の中ではまず起こらないことでも、「あったら面白いなぁ」を思いっきり体感できる。そんな、非現実だけどどこかリアリティがあるものを表現したいというか。

根がクリエイター気質なので、人の気づかないところにメスを入れるような仕掛け人的な立場でありたいと思っています。アニメという領域に進出したのも、もともと自分が好きな分野だということもありますが、ある時、業界にいるクリエイターのキャリアや立場は世間からはどのように見られているのかを考えてみたんです。そうすると、まだ人が手掛けていなかった。それなら自分にできることを始めよう、という気持ちになったんです。

私自身がスポットライトを浴びるよりも、カーテン越しで誰かにスポットライトを当てるほうが性に合っているかもしれません。だから、社員のマネジメントにおいても、主役は社員。社員一人ひとりの夢を叶えることが私の夢でもあるわけですよ。そのための仕掛けを作り、社員が輝く舞台を完成させることが私の仕事の醍醐味なんです。

野津社長  和田社長も同じだと思いますが、世の中にないもの、人が考えつかないようなものを作りたいという想いが強いですよ。競合を意識して何かを作るというよりも、自分たちが作りたい価値を自分たちで作るというか。

和田社長  そうです、そうです。世の中に初めてとか、面白いと思われる仕掛けをし、世間をあっと言わせたい。「ああ、それはいままでなかったよね」っていうものにアプローチしていきたいし、チャレンジしていきたいですね。そうしてそれが社会で受け入れられ、ビジネスとして軌道に乗ったら言うことないのですが。
  BACK PAGE                     3/4                     NEXT PAGE