日本プランニングスタッフ株式会社 小林隆社長×株式会社メイプルリビングサービス 加藤照美社長
【幹部の存在】
小林社長 会社というものの存在意義にも関わる大事な話ですね。利益だけを追求するのではなく、関係する人たちすべての幸せを追求する。素晴らしい理念ですよ。どんな事業であっても、社員を雇用し、世の中に何かを提供し続けている限り、社会的責任が生じるわけですよね。そうした企業として追求すべきものを経営のDNAとして、誰かに引き継いでいくことは非常に重要ですね。
加藤社長 そう思いますね。社員思いであることだけはどこの社長にも負けない自信があるんですが、将来を託す人材となると、まだまだやりきれていないというのが実態なんです。助さん、格さんのような形で両脇を固めてくれる人がいれば、色々な戦略や、社内の施策も中途半端で終わることもなく、もっともっといい会社にできると思うんですよ。いい社員が揃っているのですが、会社を引き継いでもらえるかどうかということでいくと、まだまだ頑張ってもらわないといけない状態です。現在の大きな課題だと思っています。
小林社長のところは、社長の片腕として引き継いでいきたい人は育っているんですか。
小林社長 私が昔勤務していた会社で一緒に仕事していたことがあり、30年間恋焦がれて、やっと4年前に合流してくれた男がいます。従前からいたスタッフを頼りにしていなかったわけではないのですが、デザイナーとしての腕とマネジメントはまた別物ですし、一人ひとりの志向ということもあると思います。すべてを任せられる彼の存在があって、経営のレベルがまた一段上がることを期待しています。彼のありがたいところは、イエスマンではなくて、社長である私に言いたいことを言うということも役割のひとつだと考えてくれているところですね。
加藤社長 非常にいい状態なんですね。実に見習いたいことだと思います。社長というのはとかく裸の王様になりやすいものですよね。そうした鏡となってくれる幹部がいることは経営上非常に大きなポイントです。指示されたことをただ黙々とやってくれるというのは、その時はありがたくても、長い目で見ると成長がない。色々と考えてくれる幹部でいてもらうためには。社長自身の態度も重要ですよね。
小林社長 そう思いますね。社長である私が指示したことを忠実に実行するということではなくて、「こういう違う見方があるのではないか」「実はこうしなくてはいけないんじゃないか」などと、色々な意見を付け加えて返してくれるのはありがたいと思っています。サラリーマン的体質ではできないことですから、いつも経営的視点を持ってしていることが必要ですし、こちらも本気でいかないと切磋琢磨し合えないですよね。お互いを高め合うと言いますか。それと、聞く姿勢にはいつも意識が必要ですね。加藤社長が裸の王様という言い方をされましたが、正にそのとおりで、自分の考えに固執して頑固になっている時は自分では気がつかないことも多い。どうしても上下関係に縛られてしまうのが組織の中でのコミュニケーションですから、上にいる側で聞く姿勢を意識していかないとよい方向にいかないんですね。
加藤社長 力関係がありますから、議論の中でも本心では納得していないのに合わせて行くことが増えると、組織はおかしくなっていくんでしょうね。そうしたことに経営者としてはストレスを感じてしまうわけですが、経営者である前に人間としての謙虚さを持ち合わせていないといけないと感じました。
さっきの片腕の方の話に戻るんですが、小林社長に言いたいことを言ってくれる耳の痛い存在としてありがたいだけではなくて、社員の声を代弁してくれる、という存在ではありませんか。お聞きしているとそうしたバランスも持っている方のようですね。
小林社長 そういう面もありますね。社員の気持をいろいろと聞いてくれています。外から来た人間という立場ですし、大企業にいたという立場もありますから、意識して自分のスタンスを変えてくれていると感じています。その点は立派ですね。メンバーと一緒に食事してくれたり、彼らの意見と自分の意見をバランスよく自分に伝えてくれるようです。
そういう意味でもありがたい存在ですね。実は私と彼のコンセプトを比べて、彼のほうが絶対いいと思っているんですよ。仕事は常にいいやり方をしているし、人間的にも厳しさを持っています。そして何よりオフィスインテリアの世界に絶対的に必要な、センスやクリエイティビティの部分においても信頼しています。
ところで、MG-NET+(マグネット・プラス)の加藤社長のインタビュー記事で、加藤社長のところも、いい幹部が育っている、というコメントがありまして、うらやましく拝見した記憶がありますよ。
【チームビルディング】
加藤社長 育っていますね。一人ひとりで言いますと確実に育ってきていると思っていますし、大いに期待しているところです。しかし、誰かが抜きん出て、という状況ではないですね。それが物足りなくもあり、ウチらしいところかとも思いますが。一人ひとりは非常によく働いているし、成長もしてきていると評価しているんですが、チームの機能としてみた場合には、まだまだ目指す姿には遠いと言わざるをえません。もう一段成長していくためには、何が不足しているのかと模索しているところなのですが・・・。将来の会社の目指す姿を共有しているつもりでも、まだまだ私が話しきれていないんじゃないか。上手な伝え方ができていないんじゃないか。社長と幹部、リーダークラスの信頼関係をもっともっと確実なものにして、衝突を恐れないで社長だけでなく、お互いが言い合える風土はもっと作っていかなくてはならないのだろうと思っています。思っていても実行することは難しいですね。
小林社長 チームとしてどう強くするかがポイントなんですね。お互いの信頼関係の下で、衝突を恐れないで言い合える風土が必要という点には共感します。いつまでも社長だけが吼えている状態だと、強くなれない。次第に社長ではなく、リーダー同士がコミットメントを高めて、お互いの責任を時には追求し合うくらいになってもらえると強いと思いますね。
加藤社長 そのレベルまでには、現実は程遠いと言わざるをえませんが、目指していきたいですね。最終的には、全社の業績への貢献に全員が意識を持つ組織づくりをしていきたいのですが、現時点ではお互いに信頼し合える風土づくりで足踏みしている感も否めません。
小林社長 分かっていても組織作りはなかなか難しいということだと思いますが、加藤社長の取り組みをお聞きしますと、着実に前進されているように思いますよ。
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